今日はこのゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PRGR egg SPOON です。
シャフトは M-40 オリジナルカーボンシャフト です。
ロフトは15度、クラブ長さは43インチ、シャフトフレックスはM-40、シャフト重量は53g、トルクは4.5、バランスはD1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は306gです。
プロギアの新しいフェアウェイウッドです。
ユーティリティやフェアウェイウッドを作るのが上手いメーカーである、PRGRのニューモデルということで、すごく期待していました。
しかも、この『eggシリーズ』はアイアン同様、とても『思い切った』設計になっているのが特徴的です。
ここまでクラウン部分が凹んでいるのは、あまり記憶がありません。
クリーブランドのドライバーを思い出します。
以前、『カーボンコンポジット』が大流行しましたが、それを仕掛けたのが『PRGR』だと私は思っています。
『TR DUO』を私はずっと愛用していました。
クラウン部分を重量の違うカーボンを組み込むことによって、より『低重心化』が図られたというのを思い出します。
しかし、『より低重心化』するには、いっその事、このクラウン部分をくり抜いちゃったほうが手っ取り早いし効果も大きい・・・・。というのを、以前聞いたことがあります。
確かに大きな物理的な効果が得られるのかもしれませんが、それにより『クラブの持つ美しさ』が失われていったような気も正直いってしています。
私も実際にこのようなクラブを打ってみて、好印象を持ちましたが、購入意欲までは湧きませんでした。
やはり見ていて惚れ惚れするようなクラブを使っていきたい・・・。というのが常に心の中にあります。
長年使っていれば、どのようなクラブでも愛着が湧いてくるものですが、見た目にも『しっくりくる』クラブを使っていきたいというのが本音です。
このクラブの形状から、かなりの低重心化が進んだクラブであることは明白でした。
それに、ここまでの『シャローバック』は見たことがありません。
『薄い』という言葉を通り越して、『尖っている』といったほうがいいかもしれません。
これまで数多くの『シャローヘッド』『シャローバック』形状のクラブが発売されてきましたが、ここまで極端に設計されたクラブはあったでしょうか?
おそらく無かったような気がします。
見ていて、ある意味新鮮な感じさえしてきます。
こういった思い切った設計をしてくるところが、PRGRらしい感じがしますし、PRGRの長所だと思います。
とても個性的だと思いますし、やはり何かを変えていくには、極端にやってみることが重要だと思っています。
以前も書いたと思うのですが、PRGRというメーカーは、クラブ業界での『開拓者』といいますか、常に新しい物を開発していく技術力と想像力が素晴らしいと私は思っています。
PRGRの後を他のメーカーが追随している・・・。といった印象を『ZOOM』や『TR DUO』の後に、よく感じていました。
それでいて、決して『企画物』ではない、素晴らしいクラブを発表しているのですから、私たちゴルファーは常に注目せざるを得ません。
『ZOOM』『銀チタン』『TR DUO』『TR900』・・・・。
これらは私にとって、とても思い出深いクラブばかりです。
今年も、TR500やGN502 TOUR FORGEDといった記憶に残る素晴らしいアイアンに出会うことが出来ました。
このクラブの大きな特徴は、その『薄さ』にあると思いますが、PRGRのことだから、それ以外にもたくさんの工夫が取り込まれているような気がします。
どんなアイデアが組み込まれているのかを想像するだけで楽しくなってきます。
我々ゴルファーにメーカー側から『謎かけ』を出されているような感じもします。
このクラブは、正直いって私が好む外見ではないのですが、すごく興味深いことは確かです。
それはやはり『PRGR』というメーカーが作ったクラブだからだと思います。
この角度から見ていても、まるで『円盤』のようです。
これまでも円盤を思い出すクラブには出会ってきましたが、このクラブはとても特徴的だと思いました。
これなら、どこでボールをヒットしても自然と上がっちゃうな・・・・。などと考えていました。
逆に『ティアップ』した時は、どうしても『ダルマ落とし』になってしまわないか?と思ってしまいます。
こういった『超・シャローヘッド』は、ライが悪い時にも効果的だと思うのですが、『ティアップ』したときや、芝の上に上手く浮かんだ状態での『ライが良すぎる』時には却って失敗してしまうことが多いのではないか?と不安に思うこともあります。
今年も『EPONのフェアウェイウッド』を始め、様々なシャローヘッドのフェアウェイウッドに出会ってきたように思うのですが、ここまでシャロー化が進んでいる物には出会ったことがないように思います。
私はフェアウェイウッドにも、ドライバーと同様に、ある程度の『ディープさ』が欲しいと思っているので、ここまでの『薄さ』を求めてはいないのですが、こういったタイプのクラブを待ち望んでこられた方も多いと思います。
素振りをしてみて、やはり私のようなタイプには、少し合いづらい感じがしてきました。
M-40というシャフトなので、ある程度は覚悟していましたが、やはり私には少し振りづらい感じがします。
プロギアの試打クラブは、M-40がとても多いように思うのですが、それはある程度メーカーがターゲットとしているゴルファーに合わせてのことなので仕方ないところだとは思うのですが、もっと選択肢の幅が広がると、より嬉しく思います。
しかし、それも色々な事情があって、なかなか難しいことなのかもしれません。
スプーンならば、まだまだ重量感が欲しいところですし、ヘッドももう少し効いてくれているとタイミングが取りやすい感じがします。
少しタイミングが合いづらい感じがしたので、いつも以上に素振りを繰り返しました。
ボールを前にして構えた感じは、思いの外好印象でした。
あの『クラウンの凹み』も目に入らないですし、『超シャローヘッド』なのも感じさせません。
実際のヘッドの形はとてもユニークですが、こうして構えた時にそれを感じさせません。
すごく自然に構えることが出来ました。
こういったところも、メーカ側が狙っているところだと思います。
物理的に優れた形状にする為に、やや変わった形状にしながらも、決して『構えやすさ』を犠牲にしない・・・。
そんなコンセプトでこのクラブが開発されているんだろうな・・・。などと考えていました。
いい印象を持ちながら試打を開始しました。
『球のあがりやすさ』という点では、かなり秀逸です。
これ以上球が上がりやすいフェアウェイウッドは無いのではないだろうか・・・?と思ってしまいます。
それくらい球が上がりやすいですし、クラブがよく拾ってくれている感じがしました。
このクラブはスペックなどから、スインガータイプの方に向けて作られているのは明白ですが、そういった方々にかなり心強い存在になってくれるのではないでしょうか?
『ロフト15度』のクラブ(スプーン)は、『直打ち』だと球が浮きづらくて難しい・・・・。といったことは、ひと昔前まで『常識』のように言われてきましたが、時が経てばここまで進化するものだと思うと、驚かずにはいられません。
残り『15度の距離』だけど、難しいから『バフィ』や『クリーク』で打っていた・・・・。といった方もたくさんいらっしゃると思います。
私もそんな経験をたくさんしてきました。
しかし、今ではこれらのような非常に球が浮きやすい『15度のクラブ』があるのだから使わずにはいられません。
かなり球があがってくれるので、『クリーク』のような感じで打っていってもいいように感じました。
私は強く叩いていきたいタイプですし、正直いって上がりすぎな感じもしたのですが、この高性能はかなりのゴルファーの方々に大きな支持を得られると思いました。
『打感』は正直いって、もうひとつのような感じがしました。
決して嫌な打感ではないのですが、すごくいい感触がずっと手に残る感じでもありませんでした。
最近は打感のいいクラブに出会うことが多いのですが、このクラブの打感はそれらと比べると少し物足りない感じがしました。
『音』は、なかなかいい感じでした。
すごく耳に心地良い感じがしました。
プロギアなので、おそらく『異音』を発するようなことはないだろう・・・。と高をくくっていたのですが、予想通りの好印象でした。
いい音を聞きながら球を打っていると、どんどんショットが良くなるように思うのですが、今日はまさにそんな感じでした。
『操作性』という点では、少し難しい感じがしました。
一応左右に曲げてみたりもしたのですが、ややコントロールが難しく感じられました。
それはこのヘッドの性能というよりも、シャフトが私にはやや難しいタイプなので、そこに原因があるように思いました。
それと、やはりこのヘッドの形状などからいっても、それほど『操作性』を求めていくよりも、まずは『球のあがりやすさ』を追求しているので、仕方ないと思いました。
左右に曲げながら、時々予想以上に曲がってしまったりしたので、これはもう『インテンショナルショット』というよりは、明らかに『ミスショット』でした。
『安定性』という点でも、少しバラついてしまいました。
右へ抜け気味の球も出てしまいました。
やはり、まだ私はこのシャフトの特徴をつかみ切れていない感じがしました。
球数をこなしていくうち、少しずつまとめていくことができたのですが、それでも気を抜くとすぐに球が暴れてしまう感じがしました。
やはりいくらいいクラブでも、スペックがその人に合っていなければ、途端に難易度が上がってしまう・・・。と至極当然の事を感じていました。
このシャフトが『M-40』ということで、ヘッドスピードが40前後の方が使われると、かなりいい結果が待っているのではないでしょうか?
かなりソフトスペックに仕上がっているので、打ちやすく感じられる方もたくさんいらっしゃると思います。
『飛距離性能』という点では、ごく標準的といったところでしょうか?
15度なので、よく飛んでくれていますが、特別このクラブが他のクラブよりも飛距離を稼いでいるとは思いませんでした。
私が打つと弾道が高すぎる感じがしましたし、そこに『飛距離のロス』が生まれている感じがしました。
もう少し低く抑えていきたいところですが、この『超・シャローヘッド』だと、そんな細工をするのが少し怖く感じてしまう部分も正直いってあります。
なので、なるべく『オートマチック』的に、あまり自分の望みを求めすぎずに振っていきました。
なかなかこちらのイメージを伝えづらいところがありましたが、このスプーンは『M-46』や『M-43』などもラインアップされているそうなので、今度そちらを見かけることが出来たら、是非試してみたいと思いました。
プロギアらしい、とても高性能で斬新的なフェアウェイウッドでした。
ドライバーは苦手だけど、フェアウェイウッドは得意・・・。といった方は、試してみられる価値が大いにあるのではないでしょうか?
これだけ薄いヘッド形状なので、私は『ティショット』よりは、ロングの2打目など地面からの直打ちで使っていきたい感じがします。
これだけの形状をしていますが、実際に構えてみると、すごく構えやすくて打ちやすい・・・。と感じられる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
形状はやや変わってはいますが、プロギアらしい感じがして、好感を持つことができました。
やはり『eggシリーズ』は、とても思い切った設計をしてくると改めて感じました。
クラブの見た目よりも、実際の打ちやすさを求めていきたい方には、とても魅力的に感じられるのではないでしょうか?
久し振りのプロギアの新製品に出会うことが出来て、とても嬉しく感じましたし、いつかは『銀チタン』や『TR DUO』のような、素晴らしいクラブが復活してくれることを望んでいます。
これからもPRGRには期待していきたいです。
プロギア egg SPOON
- 2010年9月20日
- プロギア