今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは プロギア TR500 アイアン の 7番 です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは33度、クラブ長さは36.5インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は117g、トルクは1.5、キックポイントは手元調子、バランスはD2です。
『PRGR』のニューアイアンです。
昨年試打した egg IronII とは違ったタイプの、本格的でオーソドックスなアイアンです。
こうして見ていると、あの名器『900TR』を思い出します。
同じ『TRシリーズ』ということもありますし、流れを汲んでいるのだと思います。
バックフェースのデザインが、とても特徴的だと思いました。
結構『彫り』は深いと思いました。
全体的には『マッスルバック』に近い雰囲気が感じられるのですが、こうしてみると、やはり『キャビティアイアン』なんだな・・・。と思わせます。
この独特なデザインは、何か意味があるのだろうか・・・?などと考えていました。
『ソール幅』は、最近の『ワイドソール』全盛のアイアの中では結構薄いほうだと思います。
こうして見ていても、それほど薄い感じはしないのですが、やはり『厚いソール』をたくさん目にするので、どうしてもこのアイアンのソールが薄く見えてしまいます。
『ホーゼル』も、しっかりとあります。
こういったところを見ても、このアイアンのおおよその性能がつかめる感じがします。
メーカーは違えど、最近はこのような昔からある、『アイアンらしいアイアン』といいますか、『ノーマルアイアン』の新製品が増えてきたので、すごく嬉しく思います。
『原点回帰』といいますか、昔のいいところはずっと継承すべきだと思います。
それでいながら、このような斬新なデザインを取り入れる・・・・。
まさに『温故知新』といったところでしょうか?
新しいものと昔からある、素晴らしいものとが、上手く融合している感じがします。
新技術も大切ですが、私は昔からのオーソドックスな感じが好きなので、このようなアイアンには好感を持てます。
『ツアーベルベット』のグリップがたまりませんし、このように『PRGR』と表示されているのは、プロギアファンにとってはたまらないところだと思います。
今は次から次へと、新しいグリップが登場していますが、私はやはりこのグリップがナンバーワンだと思います。
すごくフィーリングが掴みやすいです。
ますますこのアイアンに対する好感度が増してきました。
素振りをしてみても、すごくいい感じです。
かなりしっかりと振っていくことができました。
この『重量感』『粘り感』がたまりません。
暴れることを気にせず、何の躊躇もなく振り切っていけます。
すごく自然に振っていくことができました。
こちらが細工をしなくても、あとは『重力』と『クラブ』に任せておけばいい・・・・。といったシンプルな発想になれるところがすごくいい感じです。
ボールを前にして構えてみると、そのあまりにも美しい顔に目が釘付けになりました。
まだ年が明けて二週間しか経っていませんが、早くも印象に残るアイアンに出会ってしまった感じです。
鋭い『キレ』を感じさせる、この独特の風合いがたまりません。
どことなく、昨年試打して以来、とても気に入っている『キャロウェイXフォージド』を思い出していました。
実際に比較してみないと解りませんが、すごく似ていて『整った顔』だと思いました。
こういった『鋭さ』を感じさせてくれるアイアンは大好きです。
頭の中から、自然といいイメージがどんどん沸き上がってきます。
この美しい顔を見ていると、自然と体の余計な力が抜け、すごく楽な気分で構えることができました。
構えづらかったり、どこかに違和感を感じてしまうと、つい萎縮して体に力が入ってしまうことも多いですが、今日はすごく楽に構えることができました。
このアイアンには、今日初対面なのですが、これまでも同様のアイアンにはたくさん出会ってきていますし、シャフトも慣れ親しんだものなので、どのようなフィーリングで、どのような球が出やすいのかは、これまでの経験上、自然とイメージできます。
『ターゲットライン』がいつまでも鮮明で消えていくことはありませんでした。
試打を開始しました。
まず感じたのが、その軟鉄独特の『打感の柔らかさ』です。
見た目の美しさ同様、打感もすごくいい感じです。
店員さんの説明によると、このアイアンも、あの『打感が柔らかい』と評判の『S20C』が使われているのだそうです。
私は『軟鉄鍛造』を好むのですが、それは『S25C』でも『S20C』でも全く構いません。
どちらもすごく打感がいいですし、私の鈍い感性では『S25C』から『S20C』へチェンジしたところで、ゴルフが大きく変わるわけではないと思います。
しかし、それでもこの柔らかさにはとても魅力を感じます。
少ない球数で、すぐに『距離感』が合ってきます。
何と云いますか、インパクトからフォローにかけてボールをフェースに乗せていける感じ・・・・。といったらいいでしょうか?
すごく『球持ちのいいアイアン』だと思います。
まさに『軟鉄鍛造アイアン』の特長そのもの・・・。といった感じがします。
こういったタイプのアイアンは、とても『コントロール性能』に長けていると思います。
キャビティアイアンではありますが、ヒット部分が肉厚になっているせいか、キャビティアイアンによく感じられた『打感の薄っぺらさ』のようなものは感じることがありませんでした。
程良い『打感の厚み』を感じ取ることができました。
『球のあがりやすさ』という点では、予想したままの感じでした。
結構『彫り』の深いアイアンではありますが、それほど『低重心』過ぎる感じはしなかったですし、結構『タフさ』も持ち合わせていると思います。
どことなく、普段使っている『マッスルバック』に近い感じだと思いました。
キャビティアイアンというよりは、マッスルバックに近いフィーリングをもちました。
やはり『ダウンブロー』が要求されるのだと思います。
何が何でも、ボールに当てさえすれば上げてくれる・・・。といったタイプのアイアンではないと思います。
決して球が浮きづらく『ドロップ』しやすい感じはしませんでしたが、日頃『ワイドソールキャビティ』を使っておられる方が、『球のあがりやすさ』を求めて、このアイアンを手にされても、なかなか合いづらい部分が多いような気がします。
店員さんの話によると、このアイアンは全番手重心の高さが『20ミリ』に設定されているのだそうです。
こういった話を聞くと、やはり『900TR』と同じ設計思想だな・・・。と思いました。
この『20ミリ』という数字は、地面上にあるボールのセンターよりも、ほんの少しだけ低い位置にあるので、すごく球があがりやすい・・・・。と我々の間でもとても評判になりました。
やはりこのアイアンはあの名器の『後継機種』といっていいのだと思います。
普通、後継機種というと、前のモデルが廃番になってからすぐに登場してくるものですが、このアイアンは数年(およそ10年近く)経ってから登場した後継機種といっていいような気がします。
昔の『900TR』が好きだった方は、この『TR500』というアイアンにも、すごく好感を持たれるのではないでしょうか?
『安定性』という点では、キャビティアイアンの中では、かなり『シビア』なほうだと思います。
こういった感じも、やはりキャビティというよりは、マッスルバックに近い感じを持ちました。
このバックフェースの不思議なデザインは、『打ちやすさ』『ミスに対する寛大さ』などにつながっているのかと打つ前は思っていたのですが、どうやらこの形状はあまり関係ないような気がします。
本当は色々な理由があってこの形状が設計されたのかもしれませんが、私の鈍い感性ではそれを敏感に感じ取ることは困難な気がしました。
見た目の印象以上に『シビアさ』をもっているような気がします。
日頃マッスルバックを使い慣れておられる方には、何の問題もなく使っていけると思いますが、キャビティを使っておられる方には、結構『タフ』に感じられるかもしれません。
ある程度の『ミート率』と『ヘッドスピード』が要求されるような気がします。
どちらかというとミスを容認してくれるアイアンではないと思います。
こういったところは、これまでのプロギアの『TRアイアン』に共通していえるところだと思います。
『操作性』という点では、抜群にいいアイアンだと思いました。
やはり『安定性』よりも『操作性』重視のアイアンなのだと思います。
『ストレートネック』ですし、構えたときから私はすごくいいイメージをもっていたのですが、やはりそれはこの『高い操作性』につながっているのだと思いました。
『フッカー』である、私でもすごく扱いやすい感じがします。
今はドライバーにしろ、アイアンにしろ、『曲がりにくい』ものを多く見かけるようになりましたが、このアイアンは、はっきりいって曲がります。
というか、すごく『曲げやすい』のです。
すごくたくさんのラインを描けるアイアンだと思いますし、様々な左右の曲線で勝負できるアイアンだと思いました。
不自然な感じで左へ行きやすい感じは全くしないので、気持ちよく振り抜いていくことができました。
このような形状で、しかも材質が『軟鉄鍛造』であり、シャフトが『ダイナミックゴールド』という、『操作性』を求めるには、これ以上ないほどの好条件が揃っているアイアンです。
おまけにグリップが『ツアーベルベット』です。
『三重丸』どころか『四重丸』です。
日頃『グースネックアイアン』を使っておられる方や、『球のつかまりが弱い』と感じておられる方には、やや合いづらいところもあるかもしれませんが、このような極上のアイアンで『球を曲げる楽しさ』を味わってみられるのもいいのではないでしょうか?
『飛距離性能』という点では、やはりそれほど多くのものは期待しづらいのかもしれません。
20年前ならば、間違いなくよく飛ぶアイアンではありますが、今のように『ロフト』に多くのバラつきが出てしまっている時代では、どちらかというと『飛ばないアイアン』に属すのかもしれません。
しかし敢えて、このようなアイアンは『飛ばないアイアン』なのではなくて、『飛ばさない為のアイアン』といっていいのではないでしょうか?
飛ばすよりも、グリーンをきちんとキャッチしてくれるアイアンといえるような気がします。
見た目通り、まさに実戦的なアイアンといえる気がします。
私が日頃愛用している『マイアイアン』よりは、確実に飛びますが、このようなアイアンにはこれまでも数多く接してきたせいか、比較的少ない球数で距離感を合わせやすい感じがしました。
距離を出すためのクラブであるドライバーは、飛べば飛ぶほど魅力も大きいものですが、アイアンやウェッジに関しては『飛ばない』ほうが魅力を何故か感じてしまいます。
飛ばすよりも、ボールをきちんと狙ったところに落としてくれ、止めてくれるアイアンがやはり頼もしく感じます。
そういった意味でも、このアイアンは、すぐにでもコースで使ってみたいアイアンです。
正直いいまして、このアイアンは目を見張るほどの新しい感じがしませんでした。
むしろ、1990年から2000年の間の10年間を何故か思い出すような、伝統的なアイアンといっていいのかもしれません。
デザインはちょっと奇抜ですが、性能的には全く『奇をてらった』ところがありません。
最新アイアンなのだから、きっと様々な創意工夫が取り込まれているだろうとは思うのですが、こうして実際に試打してみても、その新しい技術を私は感じ取ることができませんでした。
『バックフェース』の、この奇抜なデザインも『物理的な性能』というよりは『デザイン性』のほうが強いのかもしれません。
おそらく『重心設計』など、様々な工夫が施されているような感じも、これまでの経験から感じ取れるのですが、それはこの形状でなければならない・・・。というようなものではないような気がします。
見慣れた感じの目線を少し変える・・・・。といった意味合いが強いのかもしれません。
『プロギア』は、これまでも『革命的な開発』をしてきたと思うのですが、このアイアンはどちらかというと、そういった路線から一線を画していて、昔ながらのいいところを取り入れたクラシカルなアイアンなのだと思いました。
今日は見た目の印象から打ち終わっての印象がそれほど変わることなく試打を終えることができました。
私には心地良いフィーリングだけが残りました。
見かけたら、また手にしたいアイアンです。
私はやはり『ハイテク』過ぎるクラブよりも、こういった『クラシカル』なクラブに大きな魅力を感じてしまいました。
日本製アイアンは、やはり素晴らしいと思いました。
これからも、こういった美しくて手に馴染みやすいアイアンはどんどん登場して欲しいです。
プロギア TR500 アイアン
- 2010年1月15日
- プロギア
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