今日はこのゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ブリヂストン ツアーステージ X-BLADE GR アイアン の7番 です。
シャフトは GS95 です。
ロフトは31度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は97g、バランスはD1、キックポイントは先調子です。
ツアーステージ 『GRシリーズ』の新しいアイアンです。
先日、ドライバーを試打したのですが、今日はアイアンです。
ドライバーとのデザインのマッチングが、とてもいいと思いました。
今は、ドライバーとアイアンを同じメーカーで揃えておられる方は、以前に比べて少し少なくなっているようにも思うのですが、同じメーカーで、しかも同じシリーズで揃えて『統一感』を出したい方には、やはりこういったデザインはとてもいいように思います。
今の私のキャディバッグの中は、色々なメーカーのクラブが混在していますが、昔は同じメーカーで揃えていた時が長く続きました。
このアイアンも、ドライバー同様、とてもセンスのいいデザインだと思いました。
やはりセンスのいいデザインのほうが、テンションが上がります。
『彫りの深さ』は、想像通りでした。
かなりの『易しさ』が見て取れます。
今は、こういったタイプのアイアンが本当に多くなりました。
バックフェースのデザインを隠すと、どのメーカーの、どのモデルのアイアンなのか、全く解らないと思います。
たくさんのメーカーから、このような形状のアイアンが発売されていますが、それだけこの形状にはメリットが大きいからだと思います。
練習場などでも、ずいぶんと見かけるようになりました。
『ソールの幅』も、これまでたくさん見かけてきたような気がします。
私はアイアンには、この角度から見て、『シャープさ』といいますか『鋭利な刃物』のようなイメージが欲しいのですが、このようなタイプのアイアンは、そういった感じよりも、何となく『マイルドさ』といいますか、まろやかな感じがします。
ソールの幅は、それほど厚すぎないので、とても好感が持てますし、全体的に丸みを帯びているので、かなり『イージーさ』や『振り抜きやすさ』が伝わってきます。
フェアウェイの芝を『切る』というよりは、『抵抗感を感じることなく振り抜く』といったイメージがしやすいです。
こういったところも、これまでたくさん経験してきました。
ここ数年のツアーステージのクラブは、ドライバーなども含め、それほど驚くようなクラブには出会えていないような気がしていますし、ある程度『予想の範疇(はんちゅう)』といったクラブが多いような気がします。
しかし、これはある意味、これまでずっと高品質でハイレベルなクラブ開発をしてきた・・・。ということの裏返しだと思いますし、このハイレベルを維持していくには、これからもあまり驚くようなクラブは発表されないのかもしれないな・・・・。と思いました。
『J’s』が無くなって、その翌年に『TOURSTAGE』が誕生しましたが、誕生時はそれこそ『ハードトップ』の代表格的なイメージがありましたが、今では随分と『セダンタイプ』も増えてきて、ファン層の拡大に繋がったような気がします。
しかし、昔のイメージを未だに引きずっている私は、少し寂しい気持ちもあるのですが・・・・・。
素振りをしてみると、まずまずの振りやすさでした。
スチールシャフトとしては、やや軽めだと思いましたが、頼りない感じは全くしないですし、いい感じで振っていくことが出来ました。
『ダイナミックゴールド』以外のスチールシャフトとしては、『NS PRO』一辺倒の時代が長く続きましたが、このように色々なシャフトを装着しているモデルに出会えることは、我々ユーザーとしては、とてもありがたいことだと思います。
選択の範囲が広がる・・・。ということは、それだけ自分にマッチしたクラブに出会う確率が高くなるということに繋がると思います。
しかし、私はこれからもずっとダイナミックゴールドの力を借りていきたいと思っています。
このアイアンも『ダイナミックゴールド装着モデル』を探してみたのですが、このようなタイプのアイアンなので、おそらくないだろう・・・。と思っていましたし、実際にそうでした。
ただ、この『GS95』というシャフトも、初めてではないですし、これまでもいいイメージを持っているので、このアイアンで試打を楽しむことにしました。
少し軽いからといって、絶対に『手打ち』にならないよう、自分自身に言い聞かせながら素振りを繰り返していきました。
このようにいつもとはフィーリングの違うクラブを振っていると、普段私自身が、いかにダイナミックゴールドが持つ、『適度な重量感』や『粘り感』『安定感』『フィーリングの出しやすさ』といったものに頼りながらスイングしているのかがよく解ります。
ボールを前にして構えてみると、思っていたよりも構えやすく感じたので好感を持つことができました。
先日試打したドライバーは『フックフェース』がとても印象強かったので、このアイアンも少し『グース』が効き過ぎているのではないか?と、こうして構えてみるまでは思っていたのですが、意外なほどすっきりとしている感じがして、楽に構えることが出来ました。
少し『面長』な感じがしますが、構えづらく感じることはありませんでした。
勿論、『グース』も立派に入っていますが、引っ掛けそうな印象はありませんでした。
今はどちらかというと、『 ストレートネック』よりは『グースネック』のアイアンのほうが多く市場に出回っていると思いますし、これくらいの『顔』のほうが安心感を持たれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
色んな球筋をイメージする感じではなかったのですが、とりあえず一本太いイメージラインを頭に描いていくことができたので、まずはそのラインを基準にしながら、クラブを振り切っていこうと思いました。
試打を開始しました。
『打感』は、まずまず・・・。だと思いました。
どちらかといえば、かなり好感が持てる感じです。
思っていたよりも、『しっかり感』があって、いいな・・・。と思いました。
しっかりとしていますが、決して『硬い』感じはしませんでした。
私が日頃使い慣れているアイアンのように、微妙な打点のズレを感じやすいタイプではないですし、ある程度の『大らかさ』を感じます。
『高慣性モーメントアイアン』が持つ、『器の大きさ』のようなものを感じました。
打点が多少ブレてしまったりもしたのですが、全くシビアな感じはしませんでした。
これだけの『イージーさ』を持っていながら、とても構えやすい形状をしたアイアンなので、とても好感が持てました。
アイアンに限らず、どのクラブもそうですが、まずは構えやすくなくては始まりません。
構えた時に、不安感を持ってしまうクラブだと、なかなか上手く打てません。
ヘッドのサイズが大きいとか、小さいではなく、『構えやすい』『アドレスが一発で決まる』といったクラブには、大いに魅力を感じます。
そういった意味でも、このアイアンはブリヂストンらしい、いいアイアンだな・・・・。と思いました。
『球のあがりやすさ』も予想通り、かなりのハイレベルです。
とても楽に球が上がっていきます。
ソールが厚すぎないので、遠慮せずに『グッと突っ込んで』いくことが出来ます。
『ワイドソール』過ぎるアイアンは、私はどうしても遠慮がちになってしまい、『よそ行き』といいますか、『合わせにいってしまう』悪い癖が出てしまいやすいのですが、今日はそんな不自然な細工をすることなく、最後まで振り切っていくことが出来ました。
『ワイドソールアイアン』は、低重心であがりやすい・・・・。ということになっていますが、私はこれまでたくさん『トップ球』を打ってしまいました。
私にとっては、かなり難しいタイプのアイアンが多いのですが、このアイアンはとても球があがりやすいですし、かなりの『イージーアイアン』だと思いました。
この『GS95』というシャフトは『先調子』なのだそうですが、こういったところも、この弾道の高さにつながっているのかもしれません。
『安定性』という点でも、予想通りの高性能です。
このアイアンの高性能と、このスチールシャフトの高性能が上手く合っているような気がします。
店員さんの説明によると、このアイアンもカーボンシャフト装着モデルがあるのだそうですが、私にとっては、このスチールシャフトで正解だったような気がします。
最初のうちは、打点を一点に集中できていないところもあったのですが、それでも球は殆どブレずにいい感じで突き進んでいってくれました。
私はもう少し『小顔』のほうが、ラインを出していきやすいのですが、このアイアンも難しく感じることはありませんでした。
車に例えると、『マニュアルタイプ』ではなく、完全に『オートマチック』タイプの高性能なアイアンだと思いました。
昔、TVであるメーカーのCMを見ていて、
『アマチュアの打点の多くは、トゥ寄りに集まりやすい・・・・』
ということで、そこにスイートスポットを持っていった、ある意味画期的な形状のアイアンが発売され、とても人気を博しました。
その流れは今も続いていると思います。
その当時、私もそのクラブが気になり、試打してみたことがあるのですが、全くといっていいほど上手く打てなかった記憶があります。
私にとって、かなり難しいアイアンでした。
そういった意味では、このの『X-BLADE GR アイアン』のように構えやすくて、しかも多少『トゥ寄り』で捉えても、上手く球を運んでいってくれるクラブは、すごく魅力的に見えます。
今は技術が進み、このようにオーソドックスで構えやすい形状の物でも、すごく打ちやすいアイアンが増えてきました。
練習場でも、アイアンですごく『カット』に打っておられる方をよく見かけます。
そういった方々の打点は、概ね『トゥ寄り』に集まっているように思うのですが、このアイアンはそういった方々にもすごく打ちやすく感じられるのではないでしょうか?
ある意味『打点を気にしなくてもいいアイアン』といえるのかもしれません。
『飛距離性能』という点では、やはり最近のアイアンだと思いました。
かなり飛ぶので、なかなかイメージしたところへボールを落とすことが出来ません。
それよりも、遙か先へ進んでいってしまいます。
今は、こういったアイアンがとても多いので、以前ほど驚きませんが、未だに距離を合わせていくことに苦労してしまいます。
よく飛ぶなあ・・・。
と思いながらも、
こういったロフトがすごく立ったアイアンだと、短い番手でシビアな距離を合わせていくことがとても難しくなるなぁ・・・・。
といつも思ってしまいます。
私の周りにも『ストロングロフトアイアン』を使っていた人がたくさんいましたが、少しずつ『ノーマル』あるいは『セミストロングロフト』へと『回帰』しています。
やはりあまりにもロフトが立つと、却って難しくなる・・・・。ということを実戦で多く経験してきたからだと思います。
しかし、やはりこういった飛距離が出るアイアンのニーズが高いのも、事実だと思います。
今はアイアンを5番から入れておられる方も、たくさんいらっしゃいますし、そういった方々には、このようなアイアンはとてもセッティングしやすいと思います。
ちょっと前まで『3番アイアン』がありましたが、今では3番アイアンどころか、『4番アイアン』さえ、見かけなくなりました。
そういったアイアンがセッティングから外されてしまった時代に完全に突入したのかもしれません。
『ロングアイアン』という言葉が、『死語』になってしまうかもしれません。
今は、かなり高性能なユーティリティやフェアウェイウッドがたくさんあるので、充分カバー出来ますし、このようなアイアン自体が『ロングアイアン』だといえるような気さえしています。
『操作性』という点では、思っていたよりも扱いやすい感じがしました。
こういった形状や、これまでの同様のアイアンを試打してきた経験から、明らかに『操作性』よりは『安定性』が長けているアイアンであることは、明らかなのですが、なかなかいい感じで球を左右に曲げていくことが出来ました。
極端に左右に大きく曲げていくことは、少し難しい感じがしましたし、もっと球数が必要な気がしたのですが、うまく馴染んでいくことが出来ました。
ただ、やはりどうしても『距離の調節』が難しく感じられました。
どのように打っても、かなり『飛んでしまう』ので、なかなか思い通りの場所に運んでいくことが出来ませんでした。
もう少し距離を落としたくて、多少短く持ったりしても、なかなか距離が落ちませんでした。
やはりこういったアイアンに対する、私の技量不足と経験不足を強く感じました。
まだまだ練習が足りないのだと実感しました。
正直いいまして、このアイアンを試打してみて、すごく新鮮に映ったり、これまでの他のアイアンには無い『斬新さ』のようなものは感じませんでした。
最初のほうにも書きましたが、バックフェースのデザインを隠すと、どのメーカーのアイアンなのかも、きっと解らないと思います。
以前も書きましたが、今は『クラブの個性』というものが無くなってきたような気がします。
しかし、今のクラブはそれだけ『高性能』であることは間違いないですし、これくらいがベストに近いのかもしれません。
なので、これ以上形を変えたりすると、却って『性能の低下』などに繋がってしまうのかもしれません。
このアイアンを試打していて、あまり『新鮮さ』や『驚き』は感じなかったのですが、とても高性能でレベルの高いアイアンであるということは、ずっと感じていました。
私はこういった『飛距離系』のアイアンをまだ求めてはいないですし、おそらくこれからも使わないような気がします。
はっきりいえば、『もっと飛ばないアイアン』のほうが、安心できます。
安心できるので、よりアグレッシブなゴルフを楽しむことが出来ます。
自分の意図する場所にボールを落としてくれ、そこから確実に『止めてくれる』アイアンでないと、どうしても実戦では怖くて使えません。
『距離感』が合い、『鋭く切る』といったイメージを持てるアイアンを、これからも使っていきたいと思っています。
私は昔から、ゴルフクラブ(特にアイアン)には、クラブ職人さんの魂が感じられるような『温もりを感じられるクラブ』に魅力を感じ、初心者の頃から愛用してきました。
そういったクラブだと変なスイングをしたり、変な球を打ったりすると、クラブに笑われるような気がして、より練習に身が入りました。
一球たりとて、気が抜けません。
今では、そういったアイアンよりも、コンピューター設計など、より機械的で物理的に優れたクラブが多くなりました。
このアイアンも、どちらかといえば、そういったタイプのアイアンだと思います。
『職人さんの魂』や、それを使う『プレーヤーの気合い』といった物が少し希薄になっているのかもしれません。
ある意味『合理的』で『現実的』になっているのかもしれませんし、今は多くの方が、易しくて高性能なクラブを求めておられると思うので、このようなアイアンは、まさにそういった方々にとてもマッチすると思います。
ブリヂストンのニュークラブなので、おそらくこのアイアンも、きっと数多くの新しい技術が組み込まれていると思うのですが、私の鈍い感性では、そういった真新しものを感じ取ることが出来ませんでした。
しかし打ち終わった後は、このアイアンに対して、いい印象を持ったまま、練習場を後にすることが出来ました。
これからも次々と発表されるであろう、ブリヂストンのニュークラブにも、期待していきたいです。
ブリヂストン ツアーステージ X-BLADE GR アイアン
- 2010年9月7日
- ブリヂストン