ゴルフクラブ試打日記。          

ピン G710 アイアン


ピン G710 アイアン
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブ
PING G710 アイアン の7番 です。
N.S.PRO 950GH neo
シャフトは N.S.PRO 950GH neo です。
ロフトは28度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、キックポイントは中調子、トルクは1.7、クラブ総重量は407g です。
正面
PINGでは珍しい、黒いアイアンです。
アイアンとはいっても、かなりのラージサイズですし、ヘッドが少し膨れて見えるので、ユーティリティのようにも見えます。
これまでの『黒染め』のアイアンは軟鉄が主でしたが、このアイアンはステンレスの質感があり、『染める』というよりは『塗装』というか『コーティング』のように見えます。
ゴルフクラブは使っていけば、いずれ傷がついてしまうものですが、それでも使い続けていれば『いい味』が自然と出るタイプと、そうでないタイプがあります。
こうして見る限り、このアイアンは後者のような気がします。
使い続けたゴルフクラブをカッコ良くするか、カッコ悪くするかは、それを使うプレイヤー次第です。
側面
PINGらしい大きさと形状のアイアンです。
ある意味『大味』なところも見られますが、それがPINGの個性といえるのかもしれません。
普段接しているメッキタイプのアイアンもいいですが、黒いヘッドだと重厚感が高まるので、魅力的です。
トゥ側のウェイト
こうして見ていると、やはり中空なんだな・・・。と思いました。
この大きさで、ここまで膨れているとヘッドがかなり重くなってしまいそうですが、実際に持ってみても、それほど重さはないので、やはり内部は中空になっているのだろうと思いました。
彫りの深さ
彫りは浅く、こうして見ているとハーフキャビティのように見えますが、不思議と気難しさのようなものは感じません。
『中空っぽさ』が出ていたからでしょうか?
トップライン
トップラインはほんのちょっとだけ厚く見えましたが、それほど極端ではありません。
これくらいであれば、構えたときにも邪魔にならないような気がします。
ソール幅
ソール幅は少しワイドに見えましたが、今のアイアンの中では普通です。
私は昔からPINGアイアンの独特のソール形状があまり好きではないのですが、このアイアンはちょっと違っていました。
ソールはアイアンの性質といいますか、個性・特性を表す部分で、見ているだけで、色々なイメージが浮かんできます。
これまでのPINGアイアンの多くは大雑把な感じであまりいいイメージが浮かんできません。
しかし、このアイアンにはこれまでに無い工夫が見られ、ソールの丸みも目立っています。
ソール形状にも工夫が見られ、進化しているようです。
これまでのPINGのアイアンには『刺さる』『跳ねる』といった印象もあったのですが、このアイアンはソールを見ているだけでも、抜けが良さそうで、ソールが上手く滑ってくれそうです。
ネック長さ
ネックには適度な長さがあり、好感が持てます。
太さもそれほど無くシュッとしているので、さらに好感度があがります。
こうして見てもグースタイプであるのが分かりました。
普段見慣れない黒だからでしょうか?
グースなのがよく目立っていました。
この黒は光沢感がありますが、もっと光沢感が抑えられていると、また見た感じも変わってくるのかもしれません。
ネックの凹み
PINGのアイアンといえば、このネックの凹みです。
これはステンレス素材でもライ角を調整しやすくするためだと、以前読者の方から教えていただきました。
以前、凹みの無いアイアンを試打したのですが、やはりPINGのアイアンといえば、この形を思い出す方は多いのではないでしょうか?
ミーリング無し
フェース面にミーリングは無くシンプルです。
なかなか綺麗なフェース面で、『チープさ』はありません。
装着されているグリップ
装着されているグリップは、これまでもよく見られたシンプルなタイプです。
振り感
やや軽量感がありますが、素振りを繰り返してタイミングを整えることができました。
特にクセがないので、気になるところはありません。
構え感
ボールを前にして構えてみると、かなり大顔に見えました。
黒という色は収縮色で物を大きく見せない効果がありますが、このクラブの場合は、黒が目立って、より大きく見えました。
適度な大きさで整った形だと、この黒も活きるのかもしれませんが、このアイアンの場合はちょっと違うような気がします。
私には大きすぎるサイズですが、これくらいの大きさを好まれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
グースの利きも強く、PINGらしい顔をしています。
7番アイアンから下は『めくれるように』といいますか、高い打ち出しからさらに急上昇してグリーンを上から攻めていくイメージ(パラシュートで降下するイメージ)が欲しいのですが、このアイアンは違っていて、やや低めでライナー的なイメージが出ました。
最近はアイアンで打ち出しのイメージがバラバラになってしまうことが多いです。
フェースの向きも合わせづらい感じがしました。

試打を開始しました


フェース面
『打感』はしっかりしていました。
ガツンという感じで、やや硬めです。
私がアイアンに求めたい打感とは大きくかけ離れていますが、こういったタイプもアリなのだと思いますし、これまでもたくさん経験してきました。
メーカーも、あえて打感には目をつぶったのではないかな?と思いましたが、この打感が好きだという方もいらっしゃると思います。
トゥ側
球は普通によくあがってくれました。
タフな感じはしませんが、特別あがりやすくなっているという印象はありませんでした。
どちらかといえば、ややヒッター寄りのアイアンなのかもしれません。
バックフェース
『安定性』は高く、球が大きくブレることはありませんでした。
構えたときにイメージが色濃く出せなかったのですが、実際に打ってみると、ほぼストレートから、やや逃げる感じの球が出ました。
グースがきついと引っかかりやすくなるということもあるのですが、このアイアンの場合は『面長感』が利いたのでしょうか?
左に引っかかるということはありませんでした。
構えてイメージが出なかったのですが、実際に打ってみると同じような球が出やすいので、かなり『オートマ性』の強いアイアンだと思いました。
『完全な真っ直ぐ』というよりは、『ややフェード』のほうが出やすいアイアンです。
飛距離性能
『飛距離性能』は優れていました。
完全に2番手は違う飛びです。
今はこれくらいがスタンダードといったところでかもしれませんが、私には飛びすぎるので、少し扱いづらい感じがします。
最近は『弾き系』のアイアンも多くなってきましたが、このアイアンはそれほど弾き感を強く感じることはありませんでした。
いわゆる『飛んだり飛ばなかったり』ということが少なく、飛距離も安定していました。
スイートエリアも、かなりワイドのような気がします。
距離感は出しづらいですが、それを飛距離性能でカバーしているアイアンです。
操作性
『操作性』という点では、秀でていません。
操作するのではなく、このアイアンのもつ『物理的有利』を活かしていったほうが得策です。
私の持ち球とは逆の球が一球目から出たのですが、それもこのアイアンの個性といっていいのだと思います。
もっと小ぶりで重心距離が短いと、色々なラインを描いていけたように思うのですが、このアイアンはいい意味でも逆の意味でも『反応が遅い』ので、なかなか合いづらい感じがしました。
しかし、この反応の遅さが、高い安定性を生み出しているのかもしれません。

試打後の感想


ヒール側
かなり安定性の高い『オートマ系』アイアンです。
これで構えやすさがアップすれば、さらに魅力が増すな・・・。と思いました。
PING G710 アイアン
イメージしていないストレート・・・。といったらいいでしょうか?
構えたときのモヤモヤ感と、実際の球筋には開きがあって、いい意味で面白いですが、最近はこのようにイメージしづらくても球が真っ直ぐに近い感じで飛んでいくことが多くなりました。
PING G710 アイアン
感覚的なマイナスを、物理的な工夫でカバーしているのでしょうか?
PING G710 アイアン
やはり普通の7番アイアンというよりは、ユーティリティ的な要素が強いアイアンだな・・・。と思いました。
各メーカー、アイアンでも個性が見られますが、これがPINGのアイアンという感じがします。
PING G710 アイアン
私は昔から、PINGとキャロウェイのアイアンが苦手で敬遠することが多くありました。
それはあの独特の顔が苦手で、いいイメージが描けず、苦手意識が先行してしまったからだと思います。
特に昔のPINGのアイアンはやや大味な感じが見た目からも伝わっていて、見かけても手に取らないことが多かったです。
PING G710 アイアン
しかし、このアイアンは昔の特色を残しつつも、かなり研究が進んで手が加えられています。
ラージサイズのグースアイアンが好きで、高い安定性と飛距離性能を求めたい方には魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?


構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。