ゴルフクラブ試打日記。          

ピン G410 クロスオーバー

ピン G410 クロスオーバー
今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブ
PING G410 クロスオーバー の4番 です。
N.S.PRO MODUS3 TOUR 105
シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは23度、シャフトフレックスはS です。
正面
ピンクロスオーバーのニューモデルです。
前のモデルのG400を試打したのが、ちょっと前だったような気がするのですが、早くもニューモデルに出会うことができました。
昔に比べ、ピンのニューモデルの登場する頻度が上がってきたようで、とても嬉しいです。
側面
これまでのクロスオーバーよりも、少し引き締まって見えました。
『アイアンライク』している・・・。といったらいいでしょうか?
前のモデルから、少し変えてきているようです。
中空
これまで通り、中空タイプであることが分かります。
アイアンに近い感じで引き締まって見えますが、クロスオーバーなので、中空なのは基本といえるのかもしれません。
トゥ側にあるウェイトのようなもの
ソールのトゥ側にはウェイトのようなものが組み込まれているのが分かりました。
タングステンなのでしょうか?
彫りの深さ
彫りの深さは浅く、こうして見ているとハーフキャビティのように見えなくもないですが、中空ということで、かなり易しくなっているのだろうと思います。
トップライン
トップラインは、やや厚めです。
これくらいの厚みも、アイアン型ユーティリティでは標準的といっていいと思います。
ソール幅
ソール幅は適度にありますが、これまでのモデルからすると、狭く見えます。
この角度からだと、このクラブはユーティリティの4番ではなく、完全に『アイアンの4番』に見えます。
最近少なくなった、4番アイアンを発売してくれたのかな?と思いました。
ネック長さ
ネックの長さは標準的です。
PINGのクラブにしか見られない、凹みもあります。
これは何の為なのだろう?と思っていたのですが、以前、読者の方からライ角などを調整する為なのだと教えていただきました。
軟鉄であれば、このような工夫は要らないと思いますが、ステンレス素材にこだわるPING独自の工夫といえるのではないでしょうか?
そこまでPINGがステンレスにこだわる理由を知りたいです。
昔からの伝統ということなのでしょうか?
ミーリング無し
フェースにミーリングは見られませんでした。
これまで通りの、ごく普通のフェース面です。
すごくシンプルですが、こういったところにもメーカーの個性や考え方などが伺えます。
振り感
素振りをしてみると、好感が持てました。
やや軽量タイプではありますが、タイミングもすぐに合わせることができました。
ニューモデルには殆ど採用されているので、モーダス人気の高さが伺えます。
NSPRO950GHがあまり得意ではない私は、モーダスが挿してあると何故か安心できます。
構え感
ボールを前にして構えてみると、かなりアイアンに近いといいますか、完全にアイアンの感覚で構えることができたのに少し驚きました。
これまでのモデルは明らかに『ユーティリティらしい』構え感だったのですが、このクラブはユーティリティというよりはアイアンです。
ここが大きく変わっています。
私は前のモデルにあまり好感を持つことができなかったのですが、このクラブは違う印象をもちました。
私がアイアンに求めたい顔ではないのですが、これまで出会ってきた『アイアン顔』であることは間違いありません。
これまで、PINGのクロスオーバーというクラブを、私はユーティリティというカテゴリーで見ていたのですが、このクラブはユーティリティとアイアンの境界線上からアイアン寄りにあるクラブという認識をもちました。
普通のアイアンでグースが利いたタイプ・・・。という感じです。
私は淡々と見ていたのですが、グース系のアイアンを好まれる方でしたら、好感をもちやすいのではないでしょうか?
セミラージサイズで、面長過ぎないところもいいですし、割とすっきりしていました。
アイアン型ユーティリティにこれまでたくさん出会ってきて、その構えづらさからモヤモヤしたまま試打することが多かったのですが、このアイアンにはそんなモヤモヤ感はありませんでした。
いつも通り・・・。といいますか、すっきりした気分で構えることができました。
試打を開始しました。
フェース面
『打感』は、まずまずでした。
中空らしいといいますか、予想していた通りのフィーリングです。
実際に打ち比べてみないと詳しいことは分かりませんが、おそらく前のモデルと大きな違いはないと思います。
トゥ側
球はあがりやすいですが、これまでのモデルと比べると、ややしっかりしたタイプなのかな?と思いました。
ウッド系を好まれる方よりは、アイアン系を好まれる方の為のクラブではないでしょうか?
打っていて、そのように感じました。
アイアンを得意な方が、その感覚を活かしながら、易しく打っていけるように・・・。というところを、メーカーが目指しているような気がします。
感覚を邪魔しない範囲で、できるだけ易しくするように作っている・・・。という印象をもちました。
これまで私はたくさんのアイアン型ユーティリティで球を打ってきて、『中途半端的な打ち方』をしてきた・・・。といいますか、そうせざるを得なかったことがありました。
アイアンに近い形状だけど、アイアンのようには構えられないし打てない・・・。ということがよくあったのですが、このクラブはアイアンの感覚で打つことができました。
低重心のウッド系UTを好まれる方には上がりづらくて難しい・・・。と感じられるところがあるかもしれません。
『易しい4番アイアン』ですが、明らかにヒッタータイプの方に合いやすい4番だと思います。
バックフェース
『安定性』は優れていて、大らかなところもありますが、これまでのクロスオーバーと比べても、普通かな?と思うところがありました。
シビアさは全く感じませんでした。
トゥ側に配置されているウェイトのような物も、きちんと役目を果たしているのかもしれません。
小さくなっているから、すごくシビアになっている・・・。というようには感じませんでした。
飛距離性能
『飛距離性能』も普通でした。
特別よく飛ぶとは思いませんでした。
これまでの4番アイアンらしい飛距離だな・・・。と思ったのですが、それがまた私には魅力的でした。
今のアイアンはとにかくよく飛ぶといいますか、『飛びすぎ』『番手感覚を崩壊させるような飛び』を感じることが少なくなく、これから先どうなってしまうのだろう?と思ってしまうこともあるのですが、このアイアンはこれまで通りの感覚で打てたので安心できました。
やはりアイアンの『スタンディングロフト化』は7番などのロフトが寝たクラブに適しているのだということを改めて知ることができました。
最初からロフトが立っている4番などでは、ロフトの立てようが無いのかもしれません。
そういった意味では、『正直なクラブ』といえるような気もします。
操作性
『操作性』も普通といった感じで、特に変わったところは見られませんでしたが、これまでのモデルからすると、かなり扱いやすくなったような気がします。
もっと大顔タイプを好まれる方で、オートマチック性を求めていきたい方には、少し反応が良すぎるかもしれません。
そういった点では、好みが分かれると思いますが、私は好感を持ちました。
ヒール側
前のモデルのG400クロスオーバーよりも、私は断然この410のほうが気に入りました。
顔の印象が大きく変わったところが最大のポイントです。
PING G410 CROSSOVER
構えやすいので、狙っていけるアイアン型ユーティリティといっていいと思います。
ただグースが私にはきつかったので、もう少し抑えられているとさらにいいな・・・。と思いました。
PING G410 CROSSOVER
ただそれはあくまでも私の好みであって、ストレートなタイプはアイアン型ユーティリティには向かないのかもしれません。
ヘッドを大きくして反応を鈍くしているので、球がつかまりきらなくなってしまうような気もします。
おそらくメーカーも、ストレートタイプを試しに作ってみたと思いますが、ヒューマンテストなどで、球がつかまりづらくてNGということになってしまったのかもしれません。
PING G410 CROSSOVER
私のようなフッカーだけでなく、フェードヒッターなど、幅広い層に対応していく為には、『ちょうどいい設計』になっているような気もします。
外観もそうですが、ここまですっきりさせてアイアンに近づけてくれたことがとても嬉しいです。
ただ、これまでのようなモデルを好まれていた方もたくさんいらっしゃると思いますし、そういった方には、今回のモデルはあまり多くの支持は集めにくいのかもしれない・・・。と思うところもありました。
PING G410 CROSSOVER
ピンはこんなタイプは作らないだろうな・・・。と思っていたので、いい意味で意外でした。
これまでのクロスオーバーの中で、一番アスリート色が強いタイプだと思います。
PING G410 CROSSOVER
また何度も試打してみたいですし、違うメーカーとの打ち比べもやってみたいです。