ゴルフクラブ試打日記。          

ピン ANSER アイアン

ピン ANSER アイアン 
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブはピン ANSER アイアン の7番 です。
NS PRO 950GH

シャフトは NS PRO 950GH です。
ロフトは32.5度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、キックポイントは中調子 です。
正面

ピンアンサーシリーズのニューモデルです。
ピンのアンサーアイアンといえば、私は2年前に試打した、前のモデルが忘れられません。
構え感はちょっと独特でしたが、その『打感の良さ』『寛容性の高さ』『球のあがりやすさ』がとても印象的でした。
ただ、前のモデルはバックフェース真ん中の『PING』と表示されていたアクセサリーのような物が剥がれやすくなっていたところが気になっていました。
今回の、このニューモデルはどうなのでしょうか?
剥がれにくいように、強化されているのでしょうか?
それとも使っているうちに、やはり剥がれやすくなってしまうのでしょうか?
側面

こうして見ていても、丸みを帯びていますし、それほどシャープさは感じません。
昔からのPINGのアイアンらしく『合理的』な雰囲気があります。
このアイアンを見回してみても、あまり『金属的』な感じはせずに、どちらかといえば『硬質プラスチック』のような質感を感じました。
『チープ』というほどではありませんが、正直、あまり高級感は感じませんでした。
ネックの凹み

ネックに凹みがあるところは、すっかりお馴染みです。
こういったところは、他のメーカーのアイアンには見られないところです。
この凹みを初めて見たときは、インパクトのときに少し不安を感じていたのですが、実際にボールを打ってみると、全く問題ありませんでした。
構え感という点でも、全く邪魔になっていないですし、違和感を感じさせません。
他のメーカーは採用しなくても、PINGはこれからもこの形状でいくのではないでしょうか?
かなり小さなミーリング

フェースには、かなり小さなミーリングがありました。
これまで、他のメーカーのミーリングをたくさん見てきましたが、ここまで小さいミーリングは初めてのような気がします。
これで本当に効果があるのだろうか?と思ってしまうほど小さいです。
ソールのウェイト
 
ソールにウェイトが組み込まれているのが一目瞭然でした。
こういったところは、他のメーカーでも数多く見てきました。
形状的に見て、このウェイトがなくても、おそらくかなり低重心だと思うのですが、それよりも更に低重心を目指しているのでしょうか?
 
彫りの深さ

彫りも深くて、いかにも海外メーカーらしい感じがします。
こうして見ていても、以前試打した ブリヂストン ツアーステージ X-BLADE GR FORGED アイアン に似ているな・・・。と思いました。
形状的に微妙な違いがあっても、この真ん中の部分の表示が『ANSER』か『X-BLADE GR』かによって、その名称の違いになるのだと思いました。
色々なニューアイアンを試打してきて、『既視感』といいますか、新鮮味を感じることが少なくなってきましたが、このアイアンもそのように感じました。
しかし、それ以外にも色々な工夫が散りばめられているのだろうと思いますし、『マイナーチェンジ』が今の『常識』といっていいように思います。
ソール幅

『ソール幅』は少し広めではありましたが、思っていた以上に広くは見えませんでした。
むしろすっきりとした印象があります。
こういったところは、少し意外でした。
しかし、ワイドソールが苦手な私にとっては『いい意外』です。
ネックの長さ

『ネックの長さ』は、今のアイアンの中では、長すぎず短すぎず・・・。といったところでしょうか?
ごく標準的な長さだと思います。
ちょっと前まで、アイアンのネックの長さには、かなりの個性が感じられていましたが、今は本当に揃ってきたように思います。
いずれ、またロングホーゼルや、逆に『超・ショートホーゼル』『スルーボア』が流行ったりするのでしょうか?
ファッションなどと同じように、ゴルフクラブにも『流行』があるような気がします。
その流行を繰り返しながら、少しずつ進化していっているように思います。
構え感

ボールを前にして構えた感じは、予想よりもすっきりとした感じがして、好感がもてました。
見惚れてしまうような美しい顔だとは、正直思わなかったのですが、違和感などは感じませんでした。
グースも効いてはいますが、強すぎません。
これくらいまでならば、『引っ掛け』のイメージを封印して振り切っていけそうです。
『トップライン』も厚くないので、腫れぼったい感じがせずに、インパクトもブレずに迎えられそうだと思いました。
ここが厚過ぎると私の場合、どうしても頭に描くイメージが曖昧になってしまうのですが、これくらいすっきりしているとある程度の鮮明さが出てきます。
グースが効いているのは間違いないので、フッカーである私はどうしても『つかまり過ぎ』を警戒しなくてはならないのですが、これくらいだと、こちらの上手く言うことを聞いてくれそうな範囲ではあるので、強い苦手意識は芽生えてきませんでした。
『シビアさ』というよりは、いい意味での『ファジー感』を感じました。
7番アイアンとしては、私にはやや軽すぎる感じがするので、まずは『様子見』的な感じで打っていこう・・・。と思いました。
試打を開始しました。
フェース面

『打感』は『ややライトな感じ』といいますか、『球の重さ』をあまり感じさせませんでした。
嫌な感触が手に残ることもありませんでした。
ある意味、『今どきのアイアン』だと思いました。
私はこのアイアンの打感に好印象をもちましたが、『打感』ということだけでいえば、私は『前のモデル』のほうがいい印象が残っています。
今度機会があれば、打ち比べてみたいと思いました。
トゥ側

球はかなりあがりやすくて、タフな感じは全くしません。
軽量スチールが挿してあるということや、ソールのウェイト(おそらくタングステン?)が組み込まれていることなどからも、ある程度は予想できていたことなのですが、実際に打ってみても、かなり親しみやすいアイアンだと思いました。
PINGというと、いかにも『プロ用』といったイメージもありますが、このアイアンはそんな感じは一切しません。
スインガータイプの方にも親しみやすく感じられるのではないでしょうか?
今は女性ゴルファーの方でも、男性用の軽量スチールやカーボンシャフトが装着されているアイアンを愛用しておられる方がすごく増えてきましたが、こういったタイプのアイアンは、女性の方でも親しみやすく感じられるのではないでしょうか?
『重量』や『硬さ』などは別として、今は本当にゴルフクラブとしての男女の境が『ボーダレス』になってきたように思います。
私は女性用のクラブがとても苦手なのですが、私の友人はとても器用に打ちこなすので、彼の器用さが羨ましいです。
やはり『センスの違い』かな?と思ってしまいます。
バックフェース

『安定性』という点でも、このフルキャビティの長所が存分に感じられます。
かなりイージーなアイアンです。
ある程度のミスヒットは看過してくれる寛容さがあります。
私は一球目、ややトゥ寄りでヒットしてしまったのですが、それでも球はほぼ真っ直ぐに近い感じで飛んでいってくれました。
マイアイアンだと、確実に右に抜けていったと思うのですが、こういった寛容さは、やはりキャビティならではだと思います。
勿論、高いミート率があれば、それに越したことはないと思うのですが、こういった寛容性の大きいアイアンは、いわゆる『受け皿』が大きいので、上級者のみならず、幅広い層に対応できているように思います。
飛距離性能

『飛距離性能』という点では、私の感覚ではやはり『飛ぶ』という感じがしますが、これくらいの飛距離性能は今では『ノーマル』といっていいのかもしれません。
弾道もかなり高いですし、ビッグキャリーを描いていけるアイアンです。
このストロングロフトと、軽量スチールが醸し出す『弾道の高さ』が上手くマッチしているような感じです。
アイアンに『球のあがりやすさ』『ミスへの寛容さ』『飛距離』を求めていきたい方には、とても魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?
メーカーは違えど、今は本当に同じようなタイプのアイアンが増えてきました。
それだけ、ユーザーである私たちゴルファーの好みがある程度まとまってきているということなのでしょうか?
操作性

『操作性』という点では、まずまずでした。
グースは多少効いてはいますが、面長過ぎないので、フェースターンもしやすく、左右へ曲げる球も容易でした。
球のつかまりが良く、右へ滑っていく感じがありません。
やや『セミオートマチック』的なところもあったのですが、曲げていくということに対しても、ある程度対応してくれる易しいアイアンだと思いました。
私はボールを大きく曲げたりする練習が好きなので、一球一球ターゲットを変えて、色々な曲線をイメージしながらボールを打っているのですが、おそらくこういったタイプのアイアンを好まれる方は、やはりある程度の『直進性』を求めておられるのだと思います。
そういった方々にも、このアイアンはすごく合いやすいような気がします。
PING ANSER アイアン

これまでも感じてきていたことなのですが、PINGのアイアンは何故かダイナミックゴールドがラインアップされていません。
アメリカのメーカーであれば、メイドインUSAのシャフトが挿してあるのが、ある意味自然な気もするのですが、実際はそうではありません。
やはり日本向けということで、軽量感を出していきたいのでしょうか?
もちろんカスタムでDGを組むことは可能ですが、最初からラインアップされていないということは、ターゲットにしているゴルファーをある程度限定しているからなのでしょうか?
軽ければ『万人向け』とは必ずしも思わないですが、やはり今は軽量スチールのほうが需要は大きいのかもしれません。
今は同じ海外メーカーでも、キャロウェイやタイトリスト、テーラーメイドもモデルによっては、DGをラインアップさせてくれているのですが、PINGが違うようです。
タイトリストとテーラーメイドはマッスルバックも発表していて、私は嬉しく思っているのですが、PINGには見られません。
いずれ、PINGのマッスルバック(ノーマルロフト)でDG装着モデルに出会ってみたい・・・。と思っています。
勿論、マッスルバックはそれほど需要が大きくないことは、みんなが知っているところだとは思いますが、それでも限定品でいいから、是非一度見てみたいと思っています。
PING ANSER アイアン

PINGのアイアンといえば、昔から『名器』と呼ばれる物が少なくありませんでした。
私の先輩にも愛用者がいました。
しかし、私はどうしてもあの個性的な顔が馴染めませんでした。
強いグースと出っ張ったトゥに苦手意識を感じていました。
なので、長い間敬遠してきたところがあります。
PING ANSER IRON

しかし、このアイアンもそうですが、以前試打したi20 アイアンやS56 アイアンのように構えやすくなったアイアンが増えてきました。
見惚れる・・・。というところまでは正直まだいってはいないのですが、コースで使っても全く不安を感じないほどです。
PINGというと、私は『合理的』というイメージが強くあったのですが、これからは『フィーリング』という言葉も付け足さなくてはならないのかな?と思いました。
これからもピンのクラブには注目していきたいです。