今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは BALDO TT PROTOTYPE VT511 DRIVER です。
シャフトは CRAZY CB-50 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスは7.7、シャフト重量は68g、トルクは3.2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は317gです。
バルドらしい、とても『いい雰囲気』をもったドライバーです。
私はバルドのドライバーを試打した経験がまだそれほど多くないのですが、初めて試打したモデルから、とてもいい印象があります。
特に昨年試打したモデルの01と02には、そのポテンシャルの高さを充分過ぎるほど感じています。
かなり『弾く力』が強いドライバーでした。
今回はソールのデザインがちょっと変わりましたが、とてもカッコいいです。
この白いヘッドが特徴的です。
バルドは『黒』というイメージがありましたが、このドライバーから白にシフトしていくのでしょうか?
ただ同じ白でも、いわゆる『光沢感のない白』なので、チープに見えないところがいいと思いました。
光沢感が出過ぎると、プラスチックのような質感になってしまいます。
そういったほうが好きだ・・・。という方もいらっしゃるとは思いますが、私はこういった『艶消し』なほうが白には合っているような気がします。
黒い色だと、『艶あり』でも『艶消し』でもどちらでもいいですが、白い色は少し限定されるような気がします。
形状的にもオーソドックスで整っています。
やはり、整った形のクラブだと、そのメーカーのイメージも良くなっていきますし、興味もでます。
違和感があるような形状のクラブを発表するメーカーには苦手意識が芽生えてしまうこともあります。
それは今でも続いています。
あるメーカーのドライバーは、私はなかなか馴染めずにいます。
その点、バルドのドライバーは、まだ試打した数は少ないですが、すごくいい印象を持っています。
特にドライバー以外ですが、何となく『ロマロ』とイメージが似ているように感じることもあります。
どちらにも共通していえることは、『外観の美しさ』と『打感の良さ』『高い飛距離性能』です。
白い色も、とてもいいと思うのですが、私は黒のほうが好きなので、黒いモデルがないか探してみましたが、このモデルは『白だけ』なのだそうです。
こうして見ていても、先日試打した ツアステドライバー を思い出します。
色々と高機能そうな感じもするのですが、今はたくさんの調整機能付きドライバーがあるので、すごくシンプルに見えます。
ゴルファーの意識として、これからは調整機能付きのドライバーでないと『物足りない』とか、『損したみたい』という方向に向かっていくかもしれません。
『飛距離』や『打感』『構えやすさ』などよりも、まずは『調整機能』ということになるのかもしれません。
調整機能付きが『スタンダード』といえる時代は、すぐそこにやってきているのではないでしょうか?
私は調整機能を第一には考えませんが、プレイヤー自身が簡単に自分で色々なスペックを体感できるということは、とても画期的なことだと思います。
あとはくれぐれも『安全性』です。
バックフェースのところに、ひとつだけウェイトがありました。
ここ以外にはウェイトは見られません。
とてもシンプルに感じられます。
ウェイトの大きさも、小さく見えました。
以前試打したことのある、アキラのドライバーを思い出しました。
トゥ側には『PROTO TT TYPE』と表示されていました。
プロトタイプというのは解るのですが、『TT』って何だろう?と思いました。
プロトタイプというのは、いわゆる『原型』とか『試作品』という意味があり、商品化されにくい・・・。というのが、これまでの常識のように感じていたのですが、こうして実物を手にすることができて、とても嬉しく感じました。
しかし、量産品にただ『PROTO TT TYPE』という名前をつけたのかもしれないな・・・。という思いもありました。
しかし、バルドのクラブにはそれほど多く出会うことが無いので、やはり貴重な感じがします。
大量生産され、価格が抑えられたクラブも魅力的ではありますが、やはり『製品誤差』の少ないクラブに魅力を感じますし、そばに置いておきたくなります。
大手有名メーカーのドライバーの多くが『リアルロフト』と『表示ロフト』の2つが存在していますが、今はロフト表示が最初からされていないドライバーも増えてきました。
マイドライバーもそうですし、このドライバーにも見られません。
こういったことでもいいんじゃないかな?と思っています。
ゴルファー心理として、本当のロフトが表示されていると売れにくい・・・。というのがあるかもしれませんが、最初からクラブに表示されていなければ、プレイヤーの心理にもそれほど影響がないのではないでしょうか?
表示ロフトは、一体何を基準にして表示されているんだろう?と思うことがよくあります。
ネックの長さは、やや短く見えますが、これくらいが今の標準といえるような気がします。
こういったところは、メーカーなどの特徴がなくなってきたように思います。
ロングネックだと、今はとても目立つ存在なのかもしれません。
私はドライバーにせよ、アイアンにせよ、いわゆる『首長(くびなが)』タイプのクラブに魅力を感じますが、このように短めだと『どっしり感』があって、また違った趣(おもむき)があります。
最初に予想していたよりも、ディープバック形状だと思いました。
もっとシャローな感じをイメージしていたのですが、実際はディープ感があります。
とはいっても、厚過ぎる感じはなく、『セミディープ』といったところでしょうか?
こうして見ていても、白と黒の、いわゆる『パンダカラー』なのだと、改めて感じました。
黒と白のコントラストはとても美しいな・・・。と思いました。
派手で美しいクラブもいいですが、こういった『モノクロ感』に私は惹かれます。
ボールもずっと『白色』を使っていますし、グリップはずっと『黒』です。
今はグリップも、かなりカラフルになってきましたが、私はやはり黒が一番落ち着きます。
素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
ソフトスペック過ぎないので、タイミング良く振っていけます。
白いヘッド特有の『残像効果』も充分に感じられるので、魅力を感じられる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
この残像効果は練習場よりも、コースのほうが実感しやすいのだそうですが、私はやはりオーソドックスな黒がいいな・・・。と思いました。
しかし今は、白いヘッドを『指名買い』される方もいらっしゃると思いますし、これからはもっとたくさん白いモデルが増えてくるのではないでしょうか?
ボールを前にして構えてみても、とてもいい感じです。
形状的に変なクセが無いので、楽に構えることができます。
これが本来の10.5度らしいロフトだと思いました。
フェース面が見え過ぎないですし、不必要なほど寝ている感じもしませんでした。
余計な心配や雑念が湧いてこないので、頭の中がクリアになります。
フェースが被っているようには見えなかったので、気持ちよく振りきっていけそうな予感がしました。
左方向へのプレッシャーがありません。
フェースターンもしやすそうに感じたので、やや『面長』に見えましたが、いつも通りのスイングをすればいいんだな・・・。と思いました。
構えづらいクラブだと緊張したり、硬直してしまいそうになったりしますが、今日は『いつでもOK』というくらいに、セットアップがすぐに完了しました。
黒いヘッドとはまた違うイメージですが、白いヘッド特有のいいイメージを頭に描いていくことができました。
試打を開始しました。
まずは、この絶妙な打感が印象的でした。
すごくいい打感です。
『優しい』打感です。
フェース面が黒いので、硬そうなイメージを描きがちになりますが、実際はとてもソフトな打感です。
この心地よい打感に、思わず『バンザイ』をしそうになりました。
他の打席には人がいらっしゃったので、自重しましたが、もし練習場で一人だったとしたら、もっと大きなアクションをしていたんじゃないかな?と思います。
『音』もとてもいいと思いました。
飾り気のない乾いた感じの小気味いい音が、こちらの気持ちを高めてくれます。
楽しさが倍増しました。
スイングをいい方向へと導いてくれる音だと思いました。
そしてバルドらしい、高い飛距離性能も大きな魅力です。
昨年試打したモデル同様、かなりのポテンシャルの高さを感じます。
ボールが一気に弾き飛ばされているような感じです。
すごく弾き感が強いドライバーです。
初速が速いので、ボールを見失わないように気を付けなければならないかな?と一瞬思いました。
白いヘッドだと、イメージ的に『重さ』を感じにくいので、球質も軽そうに感じることもあるのですが、今日は違いました。
弾きがありながら、『ズドーン』と勢いよく飛び出していく打球に『軽さ』は感じませんでした。
このミスマッチ感が面白いと思いましたし、これもこのドライバーの大きな魅力なのかもしれません。
『球のあがりやすさ』という点でも、いい感じでした。
ロフト10.5度らしい、敷居の低さを感じます。
見た目以上にタフな感じはしませんでした。
球も高く上がりますが、弱弱しい感じではなく、力強いです。
ただ欲を言えば、私はもっと低い弾道が好きなので、もうちょっと低くならないかな?と思いました。
しかし、これは他のスペックを選べばいいだけのことです。
今日は、このひとつしか試打クラブが見当たらなかったのですが、今度機会があれば、違うスペックで試してみたいと思っています。
いずれ殆どのメーカーのドライバーがテーラーメイドのように、フェースアングルだけでなく、ロフトなども自由自在に調整できるようになるのでしょうか?
自分で調整できる・・・。ということは『スペックの買い間違い』を防ぐことができるということになるので『賢い買い物』ができます。
ちょっと意味合いは違ってきますが、私は昔読んだ『賢者の贈り物』という物語が大好きで、もし大切な人にドライバーをプレゼントするのであれば、間違いの少ない調整機能が付いたタイプがいいのかな?と思いました。
『安定性』という点では、ごくノーマルな感じだと思いました。
シビアな印象は全くありませんが、直進性が強すぎるタイプでもありません。
構えたときに方向性が取りやすかったので、球がバラける感じはしなかったのですが、高すぎる寛容性をもったドライバーだとは思いませんでした。
ドライバーには、まず何と言っても『曲がりにくさ』を求めておられる方には、少し難しく感じられるかもしれません。
しかし、難し過ぎるドライバーではないので、敬遠すべきではないような気がします。
『操作性』という点は、まずまずだと思いました。
左右どちらにも対応してくれましたが、思っていたよりも大きく曲げられませんでした。
本当はもっと大きく曲げて、練習場の空間を広く使っていこうと思っていたのですが、小さい曲がり幅で収まってしまいました。
今日はあまり大きく曲げられませんでしたが、次回試打するチャンスがあれば、もっと大きく曲げてみたいと思いました。
どちらかといえば、フェード系のほうが打ち易いように感じられました。
球がつかまり過ぎる感じはしませんが、右に抜けていく感じもしなかったので、フェード系が持ち球の方にも易しく感じられるんじゃないかな?と思いました。
バルドらしい、かなりハイレベルなドライバーだと思いました。
飛距離性能の高さは、バルドらしい感じがしますし、打感などのフィーリングがとてもいいです。
やはりブランドイメージを保つには、こういった秀逸なクラブを発表し続けるしか無いように思います。
白いヘッドを好まれる方で、飛距離にも当然こだわっていきたい方には、かなり魅力的なドライバーといえるのではないでしょうか?
今度もしチャンスがあれば、『白いヘッドつながり』で、テーラーメイドのドライバーと打ち比べてみたいと思いました。
ただ正直いって、私は購買意欲が湧きませんでした。
それは何故かというと、やはりこの白い色による『仕上げ感』です。
この試打クラブは写真では細かすぎてよく見えないのですが、細かな傷や汚れがあちこちに目立っていました。
光沢感のあるヘッドだと、こういう時拭けば落ちたりするのかな?と思ったのですが、このドライバーの細かな汚れは拭いても落ちませんでした。
『艶消し感』が仇となったような気さえしてきます。
そういったことは気にならない・・・。よく飛んで打感も良ければそれでいい・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私はすごくこだわります。
ひとつのクラブを永く使っていきたいので、こういった汚れなどもすごく気になります。
タオルなどで拭いて簡単に落ちるのであれば気にならないのですが、この汚れや細かな傷は落ちることはありませんでした。
白いヘッドは今、大人気ですが、こういったところがマイナスなところかもしれないな・・・。と思いました。
今は黒いヘッドのモデルに『ホワイトバージョン』が追加で発売されていますが、逆にこのドライバーは『ブラックバージョン』が追加発売されるのであれば、もう一度試してみたいな・・・。と思いました。
飛距離性能など基本的性能は、前のモデルもすごく好感度が高いので、私はこの最新モデルよりも昨年試打したモデルに軍配を上げたいと思いました。
ピンのアンサーパターのように、使い込んでいけばいくほど深い味わいの出るクラブは大好きですが、逆にどんどん色褪せてしまうようだと、ちょっと二の足を踏んでしまいます。
そういった点などからも、私はこのドライバーの基本性能の高さには好感をもちながらも、購入はしないと思います。
今回のモデルは性能というよりも『仕上げ』という点で、少し不満が残りましたが、これからのバルドのクラブには期待していきたいと思いました。
すごくいいクラブが多いのですが、まだまだ知名度はそれほど高くないのかもしれません。
ひとりでも多くの方がバルドに限らず、こういった素晴らしいメーカーのクラブを手にされる嬉しいです。
基本的にはすごくいいドライバーなので、仲間たちにもこのドライバーのことを紹介してみようと思いました。
バルド TT PROTOTYPE VT511 DRIVER
- 2013年3月29日
- バルド
- 次の記事へ
エスヤード BOLD ウェッジ