今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは バルド NEW 8C CRAFT ドライバー Trajectory02 です。
シャフトは QUADRA ファイヤーエクスプレス 65 です。
ロフトは11度、クラブ長さは46インチ、シャフトフレックスはX、シャフト重量は69g、トルクは3.5、キックポイントは中調子、クラブ総重量は319gです。
ヘッド全体が黒くてシブい、バルドのニュードライバーです。
黒という色は、本当に『重量感』を感じさせる色で、収縮色でもあるので締まって見え、とてもいい感じです。
膨張色で大きく見えるほうがいい・・・。という方や、『軽量感』を感じられる色のほうが速く振れる気がする・・・。という方もいらっしゃると思います。
色の個性は異なりますが、『モノトーン色』である、黒や白は、ヘッドの色として、とても適していると思います。
私は黒や白以外にも、パーシモンカラーやブルーなども好きです。
ババ・ワトソン選手のピンクのドライバーは一体どんな感じなのだろう?と、とても興味があります。
構えたときに目がチカチカしてしまうんじゃないかな?と思ってしまいます。
しかし、やはり実際に試してみないと何事も解らないことが多いので、もし機会があれば是非試してみたいと思っています。
私はバルドというメーカーのことをまだよく知らないですし、出会ってきたクラブもそれほど多くありません。
バルドのドライバーは、どちらかというと『ディープ』というよりは、『シャロー』のイメージが強いです。
それは初めて出会ったドライバー バルド 8C CRAFT ドライバー の印象が強いからなのではないか?と思っています。
やはり『初めて』というのは、とても印象に残ります。
初めて手にしたクラブが良くないと、そのイメージがずっと残ってしまい、メーカーに対する苦手意識が芽生えてしまうこともあるのですが、幸いバルドの場合は最初に手にしたドライバーがとても良かったので、今でもすごくいい印象をもっています。
それほどたくさん出会えるメーカーではありませんが、いつもすごく気になっています。
今日は試打する機会に恵まれて、とても嬉しく思いました。
この角度から見ても、ややシャローな感じがします。
今は『超・シャローヘッド』もたくさんあるので、そういった物を含めると、このドライバーはそれほどシャローとはいえないのかもしれませんが、あくまでも私の感覚ではシャローに感じます。
昔のシャローヘッドは頼りない物が多かったですが、バルドを含む最近のシャローヘッドはとても頼れるものが多いので、このドライバーもきっとそんな頼れる感じだろう・・・。と期待感が膨らんできました。
第一印象が良くなかったり、どうしても形状などに好感がもてないクラブだと、私の心の中の『期待感という風船』はずっとしぼみっぱなしなのですが、今日なパンパンに膨れ上がった感じで、今でも飛んでいきそうです。
あくまでも私の中でのイメージなのですが・・・。
ネックの長さは、標準的な感じかな?と思いました。
それほど長いとは思わなかったのですが、最近は短めな物が多いせいか、このドライバーは標準的といいますか、少しだけ長く見えました。
昔から『ロングネック=叩ける』というイメージがあるのですが、今は色々な形状のクラブがあるので、一概には言えないような気もしています。
ヘッド後方に『8C CRAFT』と記された、アクセサリーのような物がありました。
これは単なるアクセサリーなのでしょうか?
それとも位置的にいって、やはりウェイトの役目を果たしているのでしょうか?
トゥ側とヒール側には、はっきりと解るウェイトがひとつずつ付いていました。
どうやら、交換できそうです。
この2つのポジションにウェイトが配置されているドライバーは珍しくありません。
最近では キャロウェイ RAZR FIT を思い出します。
いわゆる『チューニング機能』のバリエーションが多いのは、テーラーメイドなど大手有名メーカーのほうだと思うのですが、いずれ地クラブと呼ばれるようなメーカーでも、同じように進化していくのでしょうか?
それとも『大手』と『地クラブ』では、違う進化の仕方をしていくのでしょうか?
私はゴルフを始めた頃から、大手有名メーカーのクラブを多く使ってきましたが、ここ数年色々な素晴らしい地クラブメーカーのクラブに出会って、地クラブの良さがすごくよく解りましたし、購買意欲を刺激されるものがとても多いです。
大手有名メーカーのクラブは、新製品のサイクルがとても短いので、クラブが半ば『消耗品』のように感じられることもありますが、地クラブメーカーのクラブはなかなかモデルチェンジしない物も多く、その殆どがかなりの高性能なので、『永年の友』になってくれる物が多いように思っています。
例え廃番になったとしても、色あせる感じは全くしません。
それどころか、もっと『プレミア感』が増すように思います。
トゥ側に、『Trajectory 02』と記されていました。
どういった意味があるのでしょうか?
Trajectoryとは『軌道』とか『軌跡』という意味ですが、『02』とはどんな意味があるのでしょうか?
『2番目の軌道』ということなのでしょうか?
ちょっと意味が解りません。
グリップはBALDOのオリジナルグリップです。
BALDOファンの方には、たまらない魅力があるのではないでしょうか?
ラバー系ですが、グリップパターンがちょっと変わっていて、『吸盤』のようになっています。
実際に握ってみても、それほど柔らかいグリップだとは思わなかったですし、吸盤状の吸い付く感じはあまりしなかったのですが、適度な凹凸が手のひらや指に感じられ、滑ることなく、しっかりと振っていけそうなグリップだと思いました。
ただ、こういったオリジナルグリップを目にして、いつも思うことですが、このオリジナルグリップが購入しやすいようになっていたら、もっと嬉しいです。
私はグリップ交換を比較的多くするほうなので、こういったことはすごく感じます。
ラバーが少しでも硬く感じたり、滑るようになってくると、その日のうちにグリップを交換します。
なので、すぐにグリップが違う物になってしまいます。
グリップにも、やはり統一感が欲しいです。
顔はバルドらしく、とても整っていて美しいと思いました。
『美しい』と一口にいっても、それは『女性的な美しさ』とはまた趣(おもむき)の違う『たくましさのある美しさ』だと感じました。
それは、この硬派な黒い色も大きな要因だと思いますし、これまでのバルドの『飛び』のイメージがそうさせるのかもしれません。
飛ぶドライバーは美しいものが多いです。
いわゆる『物理的に曲がりづらくなるように作られている』ドライバーは色々な形をしたものがあり、バリエーションに富んでいます。
実戦でドライバーショットを大きく曲げたくはないですが、構えたときに『曲がらないイメージ』のするドライバーよりも『飛ぶイメージ』『意図的に曲げやすいイメージ』のするドライバーを使っていきたいと思っています。
そういったドライバーのほうが、私は安心して振り切っていくことができます。
このドライバーは、はっきりとした『飛び顔』をしているので、とてもいい印象をもちました。
素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
やや長くは感じますが、振り慣れたシャフトと、高級感溢れる美しいヘッドのコラボレーションが素晴らしく、素振りをしているだけで、どんどんいいイメージが出てきました。
このフェース面を見ていて、いわゆる『IP加工』がされているのかな?と、ふと思いました。
ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
とてもオーソドックスなヘッドだと思いました。
気持ちよくボールを強く叩いていきたいドライバーは、やはり美しい顔でなければなりません。
違和感を感じた途端に、ボールは大きく曲がり始めてしまいます。
そういった点で考えてみても、このドライバーは不安を感じさせません。
飛ばせそうで、しかも曲がり幅の小さい、ほぼ真っ直ぐなラインをイメージすることができました。
意図的に左右に曲げていきたくなる感じはあまりしなかったのですが、気持ちよくシンプルに振り切っていこう・・・。と思わせてくれました。
ほんの少しだけ『つかまえ顔』に見えたのですが、殆ど気になりませんでした。
試打を開始しました。
まず感じたのが、その『飛距離性能の凄さ』です。
かなりボールを弾き飛ばしてくれる感じがします。
反発力が高いといいますか、ボールの勢いが強いです。
いわゆる『初速が速い』ドライバーだと思いました。
こういったところが『大量生産』される大手有名メーカーのドライバーと、『少数生産』でありながら、品質や性能にもとことんこだわった地クラブメーカーとの大きな違いのひとつだと思います。
少数生産なので、どうしても価格は高くなってしまいますが、その性能の高さがプラス『ン万円』であったとしても、全く不満に感じられない方は多いのではないでしょうか?
かなりキャリーを稼げるタイプですし、この力強い弾道を見ていると、頼もしく感じます。
ネットに突き刺さるときに、心なしか他のメーカーのクラブよりも、『ネットの凹み』が大きいのではないか?と思ってしまうほど、ボールにパワーが感じられました。
この高性能なヘッドにプラスして、飛距離性能に長けているファイヤーエクスプレスとのコラボレーションが見事に合致していると思いました。
『1プラス1』が『2』よりも、もっともっと大きくなっていく感じです。
『打感』も弾き感が感じられますが、決して硬い感じではなく、とてもいい感じです。
何球打っても、全く気になりません。
このドライバーはもちろん、『SLEルール』に適合しているのだそうですが、その中でもかなりルールギリギリの『トランポリン効果』があるんじゃないかな?とボールを打ちながら感じていました。
『音』も、シブい感じで、とてもいいです。
叩いていくことに、全く躊躇させません。
どんどん振りが良くなっていく感じです。
『球のあがりやすさ』という点でも、このドライバーのロフトが『11度』ということもあると思うのですが、とてもあがりやすいと思いましたし、タフな感じは全くしません。
明らかに高弾道系のドライバーだと思いました。
私にはちょっと球が高すぎましたし、もうちょっと低く抑えたいと思ったので、今度機会があればロフトの立ったモデルで試してみたいと思います。
ヘッド全体が黒いということや、バルドの『飛ぶ』というイメージなどから、このドライバーの敷居は高そう・・・。と思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に打ってみて、思っていたよりもすごく打ちやすくて好感がもてた・・・。という方は多いのではないでしょうか?
見た目以上に敷居が低いと思いますし、決して敬遠すべきドライバーではないと思います。
色々なクラブ(特にドライバー)を試打していて、表示ロフトが『一桁』であるにも関わらず、構えたときにかなりフェース面が見え過ぎて、構えづらく感じることが少なくないのですが、このドライバーは『11度』でありながら、そういった構えづらさは全く感じませんでした。
むしろ、とても『ナチュラル』に感じられました。
このドライバーの『11度』というロフトが、いわゆる『リアル』なのかどうか正確に測ってみないと解りませんが、おそらく限りなくリアルに近いのではないでしょうか?
このドライバーのリアルロフトが『11.5度』とか、『12度』には思えませんでした。
逆に、実際は少ないロフトを多く水増しして表示することも無いように思います。
私は後輩たちに、ドライバーを選ぶときに、メーカーの『表示ロフト』で選ぶのではなく、あくまでも構えたときの印象と実際に打ったときの弾道を重視するように勧めています。
人によっては『二桁ロフト』がいい場合もありますし、『一桁』のほうが合っている場合も多いです。
ロフト以外にもシャフトフレックスなど、せっかくのメーカーの表示をあまり参考にできない、今の風潮は必ずしもいいとは思えません。
大手有名メーカーのクラブには最近あまり見られない『正直さ』といいますか、『実直さ』が地クラブメーカーのクラブにはあるのかもしれません。
表示ロフトとリアルロフトの二種類が存在してしまうのであれば、最初からヘッドに刻印しなければいいのではないか?と思うこともしばしばあります。
ヘッドに刻印が無ければ、プレイヤーも見栄を張ったりすることもないのだと思いますし、『数字による違和感』を感じることも無いのかもしれません。
ロフトが立っていれば、必ずしも飛ぶとは限らないですし、ある程度寝ているほうが飛びやすいし、方向性も出しやすいことは多くのゴルファーが感じておられるところだと思います。
そういったことなどを考えてみても、これからはロフト表示は購入時に困らないように、『すぐに剥がせるシール』などにしても面白いのではないかな?と思いました。
『安定性』という点でも、なかなかいい感じで、シビアさは全く感じませんでした。
ヘッド自体の大きさや形状などもあると思いますし、トゥ側とヒール側に配置されているウェイトがよく効いているのではないでしょうか?
慣性モーメントも大きめな感じがします。
ある程度のミスヒットにも寛容なドライバーだと思います。
ロフトも寝ているせいか、かなり曲がり幅が小さくなるような気がします。
このドライバーに装着されているシャフト、ファイヤーエクスプレスのように、どちらかというと『動きやすい』シャフトは、ある程度寛容性のあるヘッドのほうがマッチしやすいと思うのですが、そういった意味でも、このヘッドとのコラボレーションは素晴らしく感じられました。
いい意味で、ある程度『ごまかして打てる』ドライバーだと思いました。
『操作性』という点では、まずまずで、どちらかというと敏感に反応してくれる・・・。というよりは、寛容性が高いといいますか、『懐の深い』ドライバーだと思いました。
一応左右に曲げたりもしましたが、今日はあまり極端なことをしたくないと思いました。
また違ったシャフトであれば、もっと色々な球を打ってみたい・・・。と思ったかもしれません。
とりあえず、今日はこのヘッドとシャフトにショットの成否を委ねてみようと思い、私があまり色々と操作し過ぎないようにしようと心掛けました。
このヘッドに、私の大好きな『ディアマナ アヒナ』や『DI』、クレイジーブラックなどを装着してみると、どんな感じになるのか、考えただけでもワクワクします。
やはりドライバーはシャフトで大きく変わるものです。
高性能な物が多い、バルドのドライバーの中でも、今回のこの『NEW 8C CRAFT』というドライバーが一番ポテンシャルが高いんじゃないかな?と思いました。
勿論、実際に比較してみないと解らないですし、シャフトなども同じにしないと正確なところは解りません。
それでもあくまでも私の印象としては、このドライバーの初速スピードが速く力強い弾道がとても印象に残りました。
あまり派手でない、シンプルなカラーリングのドライバーのほうが、『メーカーの自信』を感じます。
このドライバーも、まさにそんな感じでした。
一応、ヘッドの値段を尋ねてみたのですが、やはりかなりの高額でしたし、装着するシャフトによっては、10万円を軽く超えてしまいます。
だからといって、こんなに優れたヘッドに安くてチープなシャフトを付けたくはありません。
せっかくいいヘッドなのだから、それに見合う相性の良いシャフトを付けたくなります。
『飛距離』はあくまでも、ヘッドの性能+シャフトの性能の『コラボレーション』が大切だと思っています。
今日は、このバルドのヘッドとファイヤーエクスプレスのシャフトの素晴らしいコンビに高いポテンシャルを感じました。
人によって好みは色々とあると思いますが、とてもマッチしていると思いました。
『飛距離はお金で買える』という言葉を昔、よく耳にしていたのですが、このドライバーで球を打っていたら、その言葉をふと思い出すくらい、このドライバーの性能の高さを強く感じました。
今年は既に後半が始まってしまいましたが、かなり印象深いドライバーであることは間違いないです。
機会があれば、また何度でも試打を楽しみたいです。
このドライバーのおかげで、今日は楽しい時間を過ごすことができました。
バルド NEW 8C CRAFT ドライバー Trajectory02
- 2012年7月7日
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