ゴルフクラブ試打日記。          

テーラーメイド SIM ドライバー


テーラーメイド SIM ドライバー
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブテーラーメイド SIM ドライバー です。
TENSEI SILVER TM50
シャフトは TENSEI SILVER TM50 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は56g、トルクは4.0、キックポイントは中調子、クラブ総重量は307g です。
正面
テーラーメイドSIMシリーズのドライバーです。
先日、SIM MAXというドライバーを試打しましたが、このドライバーは姉妹モデルのようです。
SIM MAXがラージサイズで、このSIMがノーマルサイズなのかと思いましたが、小ぶりな感じはしません。
こちらがノーマルモデルということなのでしょうか?
側面
シャロータイプのヘッドで、こうして見てもスモールサイズではなくラージサイズです。
MAXという名前は付いていなくても、こちらもルールギリギリの460ccのように見えます。
ソールの突起物
ソールにある、この出っ張りのようなものも、MAXと同じです。
ルール上、ヘッド体積の上限は『460cc』ということになっていますが、この出っ張りといいますか、突起物のようなものはヘッド体積には入れられていないのでしょうか?
あくまでもヘッドの『付属物』ということで、ヘッド体積の計算の中には入っていないのかな?と思ったのですが、詳しいことは分かりません。
そんなことを考えさせるくらい、この突起物が大きくて、存在感を示しています。
ソールのウェイト
ソールにはウェイトが配置されていました。
移動できるタイプなので、以前試打したSLDRというドライバーを思い出しました。
重心の長さを調整できるようです。
今日は専用の工具が無かったので、この真ん中のポジションで試打することにしました。
ウェイトを移動させる目的と、RBZから続く『溝』のような役目の二つを果たしているのではないかな?と思いました。
このウェイトが、SIMとの一番の違いではないでしょうか?
この位置にウェイトがあるということは、ウェイトが無かったSIM MAXよりも重心が少し浅くなっているのかもしれません。
溝の深さ
溝の深さも結構あります。
SPEED INJECTED
ソールのフェース寄りには『SPEED INJECTED』の文字があり、これもSIMと同じです。
テーラーメイド独自の技術のようです。
ネック長さ
ネックの長さは標準的です。
こうして見てもウェイト以外、SIMとの違いが分かりませんでした。
今度機会があれば、見比べてみたいです。
ネックの調整システム
ネックには調整システムが搭載されていて、これもSIMと同じです。
STD LOFT
試打するのは、この『STD LOFT』ポジションです。
HIGHER
LOWER
他に『HIGHER』と『LOWER』がありました。
おそらくロフト角の調整ができるのだと思います。
最近は以前ほど調整システムが採用されているモデルが多くないような気がするのですが、今でもニーズがありますし、『調整ブームの火付け役』ともいえるテーラーメイドは、このシステムにこだわりがあると思いますし、ファンからの厚い要望があるのかもしれません。
私は調整システムを重要視していませんが、このシステムが無いと買う気が起こらない・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
シャローヘッド
ソールにある出っ張りが目立ちますが、形状的にはシャローです。
シャロータイプですが、極端に薄い感じはしません。
シャロータイプのヘッドでも、今はディープフェースタイプが増えてきましたが、このドライバーはそこまでディープな感じはしません。
フェース高がそれほどあるようには見えませんが、高さはしっかりと確保されているので叩いていけそうですし、フェースで包み込んで弾き飛ばすイメージも出せそうです。
フェース面の仕上げ
このフェース面の質感もお馴染みです。
前のモデルからフェースの質感が良くなりました。
フェース下部にある、2つの青いビスもSIMと同じです。
前のモデルのM5・M6と同じように、『ルールギリギリ』の弾きにこだわっているのではないでしょうか?
今はルール適合モデルしか競技では使えませんが、高反発規制されるまでは、ほぼ全てのメーカーが反発係数にこだわっていて、フェースの薄いモデルがたくさんありました。
そういった高反発ドライバーにたくさん接してきて、中にはフェースにクラック(割れ)が入ったものもありましたし、凹んでしまったものもありました。
友人のクラブはヘッドが2つに割れたこともありました。
なので、ドライバーのフェースを見て、このドライバーはフェースが割れそうだなとか、クラックが入りそうなタイプだな・・・。と、思うことがよくありました。
このドライバーも耐久性はしっかり確保されていると思いますが、長い間使い続けて(ハードヒットを続けて)、もし何らかの損傷が出てくるとするならば、おそらくクラックではないかな?と、このフェース面を見て思いました。
これには科学的な根拠が全くなく、あくまでも私の経験や勘からくるものに過ぎません。
オリジナルグリップ
装着されているグリップはソフトなフィーリングです。
最近はテーラーメイド以外のメーカーのクラブにも採用されるようになりました。
グリップにも流行があるのでしょうか?
それともグリップメーカーの営業努力の賜(たまもの)でしょうか?
グリップにもいえますが、グローブにも柔らかさやしっとり感が必要です。
ちょっと贅沢かもしれませんが、私はビギナー時代からグローブの素材はエチオピアシープ(主にブリヂストンのレクスターをまとめ買い)を愛用していて、人工皮革を使う気にはなれませんでした。
ウェアやバッグなど、それ以外の物にあまりこだわりはなかったのですが、グリップとグローブには強いこだわりが何故かありました。
今は人工皮革のグローブも、すごく良くなっているので、使わない理由は全くありませんが、昔のものはゴワゴワ感があって硬く、手にフィットしないものがほとんどでした。
『安かろう悪かろう』のグローブが多くありました。
フィットしないので、手とグローブの間に隙間が生じて、それが微妙にフィーリングを狂わせていました。
しかしエチオピアシープだと、それがありません。
手にすごくフィットして、まるで『皮膚の一部』になったかのようです。
密着感があって、それがグリップにも伝わり、クラブとの一体感をもたらしてくれました。
私は日本人としては手が大きいほうで、できれば27センチのグローブを使いたいのですが、ショップではほとんど売られていないですし、メーカーも作っていないことが多いので、26センチというワンサイズ小さめを使っているのですが、そのワンサイズ小さめでも、エチオピアシープはいい感じで伸びてくれて小ささを感じさせず、手の一部になってくれました。
エチオピアシープのおかげで、色々な感覚を養うことができたといっても過言ではありません。
今は人工皮革のグローブもすごく良くなっているので、私は練習だけでなく試合でも愛用しています。
ちょっと話が横にそれてしまいましたが、私はそれくらい『皮膚感覚』を重要視しているので、グリップに対しても好みがはっきり分かれるのですが、このグリップは好感が持てます。
顔
この顔もお馴染みです。
どちらかというと『丸型』というよりも『洋梨型』といっていいように思います。
ヘッド後方の膨らみが目立ち、フェースが被っているように見えました。
私の中では『美顔』ではないのですが、この顔に好感を持たれる方は多いのではないでしょうか?
こうして見ても、SIM MAXとの違いが分からなかったので、やはり見比べてみるしかありません。
カーボンコンポジット
このカーボンコンポジットもお馴染みです。
『ワンカラー』ではなく『ツーカラー』も最初見たときは少し驚きましたが、今では市民権を得たような気がします。
そろそろ、このカーボンコンポジットの色も変えてくるのではないでしょうか?
振り感
素振りをしてみると、300g超えとは思えないほど重量感がありませんでしたが、この振り感は今のスタンダードといえるでしょうか?
ハードなセッティングになっていませんが、しっかりしていながらも適度にしなり、動きが滑らかな印象です。
頼りない感じはしません。
このシャフトが純正なのでしょうか?
構え感
ボールを前にして構えてみても、これまで通りの顔で、特に印象に残るところはありません。
いい意味で、淡々と構えられます。
少しフェースが被っているように見えたのですが、これが今のスタンダードだと思いますし、たくさん経験しているので、不安はありません。
テーラー顔ドライバーです。
シャロー感があって、ヘッドが大きく見えるので、ボールが小さく見えました。

試打を開始しました

フェース面
『打感』は、これまで通りで好感が持てました。
『テーラーフィーリング』といっていいと思います。
程よい手応えがありながら硬すぎず、嫌な衝撃は残りません。
サクサク打てる打感です。
いい意味で『繊細さ』とか『鮮明さ』が無く、『曖昧』なところがある打感です。
すごく伝わりやすいドライバーの打感を10だとすると、このドライバーは6くらいに感じられます。
数値的にちょっと低いと感じやすいかもしれませんが、実際はそうでなくて、こういった打感もアリだということです。
メタルが出始めの頃の『ツアーバーナー』からテーラーメイドのクラブに接してきていますが、これまでもずいぶんと色々なフィーリングがありました。
打球音
『音』も、はっきりしていて好感が持てます。
叩きにいっても不満はありません。
インパクトを邪魔しない音です。
この音も、SIM MAXと変わらないような気がしますが、実際に打ち比べてみると、微妙な音の違いがあるのかもしれません。
トゥ側
『球のあがりやすさ』という点では、SIM MAXのイメージが残っているので、このドライバーもそんな感じだろうと思っていたのですが、その通りでした。
今は打ち出しが高く、そのまま高~い弾道で飛んでいく『ビッグキャリータイプ』もありますが、このドライバーはライナー系で力強く飛んでいきます。
明らかにヒッター向けです。
ロフトが9度ということもあると思うのですが、やや低めの弾道で効率よく飛ばしていけます。
ヒッター向けのドライバーだと思いますが、ハードすぎて球が上がりにくいということはありませんでした。
このドライバーにはウェイト移動システムがソールにあって、SLDRを思い出したのですが、SLDRよりは明らかに重心が後ろにあるのではないでしょうか?
インパクト後に『頭(フェース部分)が垂れやすいタイプ』と『お尻(バックフェース)が垂れやすいタイプ』があるのですが、このドライバーはどちらかというと後者に近い感じなので、重心が後ろにあり、私たち日本人に扱いやすいタイプのドライバーのような気がします。
SIM MAXにはないウェイトが、このドライバーにはあったので、かなり重心が浅くてタフな設計になっているのかな?と思いましたが、それほど極端ではないように感じました。
しかし、おそらくSIM MAXよりも、こちらのSIMのほうが『叩ける設計』になっていると思います。
ちょっと前まで、9度とか9.5度という『表示ロフト』で、実際に打ってみると、絶対に『一桁ロフト』ではないな・・・。と思えるほど高くあがりすぎるドライバーがたくさんありましたが、このドライバーは一桁ロフトにふさわしい打ち出しの高さと抑えられた弾道が魅力的でした。
ネックの調整システム
ただ、このドライバーは9.0と表示されていますが、実際はもっと寝ているのは明らかです。
しかし、それはずっと昔から続くことなので、あまり気にしないようにしています。
表示ロフトはあくまでも『目安』に過ぎません。
このドライバーの調整機能を使って、ロフトを立たせると、どんな弾道になるのか、とても興味があります。
バックフェース
『安定性』はかなり高く、球筋がブレる感じはしません。
少しつかまえ顔に見えましたし、私にはストレート系に近いドローが自然な感じだったのですが、ほぼ中立的なストレート系が得意なドライバーだと思います。
打ち出し方向から球が逸れる感じがしません。
まさに『糸を引くようなストレート』です。
TENSEI SILVER TM50
装着されているシャフトは、やや軽量ではありますが、タイミングもとりやすくてヘッドの挙動を安定させてくれていて、高い確率でストレート系の球が打ちやすいです。
もし用意されているのであれば、色々なシャフトでも試してみたいですが、まずはこのTENSEIで試してみるべきではないかな・・・。と思いました。
ヘッドとの相性もいいです。
以前も書きましたが、最近のテーラーメイドはヘッドだけでなく、シャフトにも少し気を使い出したような気がします。
これまではヘッドとシャフトの相性が良くないと感じることが多かったのですが、今回のSIMはとてもいいように感じます。
昔のドライバーはしっかりと芯で捉えていないと、インパクトのときにヘッドがブレて球筋が乱れることが多かったのですが、最近のドライバーにはそれがありません。
少々芯を外しても、それを感じさせないほど、ほぼ真っ直ぐに飛んでいきます。
このSIMも、そんなタイプのドライバーです。
大らかさがウリなのは間違いありません。
飛距離性能
『飛距離性能』も高く、かなりポテンシャルが高いです。
やはりルールギリギリの反発係数になっているのでしょうか?
フェースの弾きが良くて、初速が出ています。
『マン振り』で叩くというよりも、少し軽めで叩く感じがちょうどいいように感じました。
高過ぎる弾道は力強さに欠けることがありますが、このドライバーのように少し高さを抑えられていると、その分『推進力』のほうにパワーが注ぎ込まれていて、効率よく飛ばしていける感じがします。
『飛びのベクトル全開』といったところでしょうか?
昔から思っていたことですが、ドライバーに限らず全てのクラブで『バックスピン』ではなく、『オーバースピン』のイメージで飛ばしていきたいです。
実際はオーバースピンでは飛ばないですし、適度なバックスピンが掛かるからボールが浮いてしっかりと飛ばせるのですが、あくまでも『イメージとして』、飛んでいる姿をバックスピンで『吹き上がる』感じで飛ばすのではなく、『オーバースピン』でランがでるようなイメージで飛ばしていきたいという思いがありました。
パーシモンで吹き上がる球をたくさん打ってきたから、余計にそのように感じるのかもしれません。
ドライバーからウェッジまでは『バックスピン』ですが、パッティングだけは『オーバースピン』です。
そのオーバースピンの感覚をドライバーにもってこれないか?という思いがありました。
これまで『スピン過多』で、かなり飛距離を損してきたので、スピン量には昔から敏感です。
このドライバーの弾道を目で追いながら、そんなことを考えていました。
操作性
『操作性』は、まずまずです。
それほどクセが大きくなく、どちらかといえば中立的な感じがしますが、左右へ曲げることはできました。
大きく曲げるのは難しかったのですが、それは今のクラブの特徴といえるような気がします。
左右どちらかというと、私はドロー系のほうが易しく感じましたが、右に少し逃がす感じで打つこともできました。
球のつかまりはいいほうだと思いますが、スライスを抑制してくれるドライバーではないのでスライサーの方で、クラブでスライスを無くしたいという方には、少し難しく感じるところがあるかもしれません。
かなり直進性が高いドライバーですが、『決して曲げられない』ドライバーではありません。

試打後の感想

ヒール側
全体的にバランスがとれていて、ポテンシャルの高いドライバーだな・・・。と思いました。
前のモデルのM5やM6もいいドライバーだと思っていましたが、このSIMもいい感じです。
今度機会があれば、打ち比べてみたいです。
TaylorMade SIM ドライバー
長い間テーラーメイドを見てきて、『安定しない』時期があったのですが、最近はクラブの性能もあがって、安定感があります。
安定しない時期が『成長期』だとすると、今は『円熟期』といえるでしょうか?
もちろん、まだまだテーラーメイドは成長していくと思いますが、かなり円熟味が増したような気がします。
それくらい、ここ数年のクラブは充実しています。
TaylorMade SIM ドライバー
私に限らず、これまで最初のモデルからテーラーメイドのクラブに接してこられた方の中には、その年によってクラブ(モデル)の当たり外れが他のメーカーよりも大きくて、すごく魅力的なクラブもあれば、そうではなくて全く興味が持てなかったクラブもあったという方はいらっしゃるのではないでしょうか?
それはクラブの質という部分であったり、性能的な部分であったりして、他のメーカーに大きく置いて行かれていると感じることがありました。
発売時期が同じでなければ、また違ったものになったのかもしれませんが、逆にいえば、それだけ他のメーカーが充実していたということかもしれません。
テーラーメイドはちょっと前まで、ニューモデルの出る頻度がとても早くて、しかも価格が抑えられていたので、購入しやすいというメリットがありましたし、他のメーカーも価格面で追随していったところもありました。
しかし、最近は海外製であっても、かなり高価なクラブばかりになったので、『コストパフォーマンス』という点でいえば、昔のほうが良かったのかな?と思います。
高価なクラブのほうが飛んで、安価なクラブは飛ばないんじゃないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは全く無いと、私の経験から断言できます。
高価であっても、全く飛ばない(飛ばせない)ドライバーはたくさんありましたし、逆に安価で購入しやすいドライバーでも、高価なドライバーに負けないといいますか、完全に勝っているドライバーもたくさんありました。
クラブの価格と性能は比例していません。
TaylorMade SIM ドライバー
ちょっと話が逸れてしまいましたが、最近のテーラーメイドのクラブは『円熟期』といいますか『充実期』に入ったような気がします。
色々な工夫がされていても、それが性能に直結していないクラブはたくさんありましたが、このドライバーはとてもポテンシャルが高いので、メーカーの研究や技術がクラブの性能アップに活かされているのではないでしょうか?
実際に打ち比べてみないと、はっきりとはいえないのですが、今日の感じだと、以前試打したSIM MAXよりも、私はこちらのSIMのほうが合っているように感じました。

構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。