ゴルフクラブ試打日記。          

テーラーメイド P790 アイアン

テーラーメイド P790 アイアン
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは テーラーメイド P790 アイアン
の7番 です。
ダイナミックゴールド105
シャフトは ダイナミックゴールド105 です。
ロフトは30.5度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は103g、キックポイントは元調子 です。
正面
テーラーメイドの新しいアイアンです。
最近のテーラーメイドでは、珍しいタイプのアイアンです。
機能的なデザインが目立つ今のテーラーメイドのアイアンの中で、このアイアンはベーシックタイプに近い、シンプルなデザインが特徴的です。
いわゆる『ゴチャゴチャ系』ではありません。
テーラーメイドのアイアンは、色々なパーツが組み合わさっているイメージが強いですが、昔は、このようなシンプルなタイプのアイアンもありました。
側面
形状的にはシンプルで、すっきりした感じがします。
大きさも標準的です。
中空のようなパーツ
トゥ側には中空タイプのアイアンによく見られるパーツがあるので、このアイアンもおそらく中空なのだろう・・・。と思いました。
これまで中空タイプは、どちらかというとボテッとした感じの物が多かったですが、このアイアンはそれが殆どないのがいいです。
ほんの少し膨らんでいるようにも見えますが、基本的には『普通のアイアン』のように見えます。
軟鉄の雰囲気もあります。
ウェイトのようなもの
トゥ側にはウェイトのようなものが見えます。
TUNGSTEN
もっと近くで見てみると、TUNGSTENの文字があったので、おそらくこれのことだろうと思いました。
最近のテーラーメイドのアイアンの中では、とてもシンプルなタイプのアイアンですが、『ワンピースタイプ』ではなく、色々な物が組み合わさっているようです。
常に工夫をするのが、テーラーメイドらしいところといえるでしょうか?
彫りの深さ
彫りは浅く、こうして見るとマッスルバックのようでもありますが、これが『中空の強み』といえるのではないでしょうか?
見た目はマッスルバックのようでも、実際に打ってみると易しさはキャビティという印象が、昔から中空にはありました。
あとは打感だけです。
トップライン
トップラインは少し厚く見えましたが、気になるほどではありませんでした。
ソール幅
ソール幅は少し広く見えましたが、今のアイアンでは標準といっていいと思います。
少し冷たい感じがしたので、ひょっとしたらステンレスなのかな?と思いました。
FORGED
しかしホーゼルに『FORGED』の文字があったので、やはり軟鉄鍛造なのだと分かりました。
ひとくちに軟鉄鍛造といっても色々とあるようで、ミズノのように素材や製法にすごくこだわっているメーカーもあれば、それほどでもなく、『ただのフォージドアイアン』といった感じの物もあります。
ソールの溝
ソールには溝がありました。
テーラーアイアンらしい特徴で、他のメーカーでは見られません。
これまでもたくさん試打してきていますし、おそらく大きな理由があるのだろうと思うのですが、私はまだそれを実感できていません。
コースでずっと使い続けていかないと分からないことなのかもしれません。
リーディングエッジ
リーディングエッジは微妙に丸みを帯びていました。
『削られている』というよりは、微妙な丸みといった表現のほうが合っているような気がします。
トレーリングエッジ
トレーリングエッジは特に工夫が見られず、普通でした。
こういった特徴はメーカーによっても大きく違います。
今はしない方のほうが多いと思いますが、昔はアイアンやウェッジをプレイヤー自身が『削る』ということを普通にしていました。
私も電動グラインダーをもっていて、自分の好みに合うように、削っていました。
しかし、このアイアンは中空であれば、それも出来ないだろう・・・。と思いました。
ネック長さ
ネックの長さは標準的です。
長くもなく短くもないという感じです。
ネックが太くてボテッとしていないのがいいな・・・。と思いました。
ミーリング無し
フェース面にミーリングは見られませんでした。
ごく普通の『スタンプ的』なスコアラインです。
メーカーによっては、見とれてしまうほど丁寧で美しいフェース面のアイアンもありますが、このアイアンはそういった感じはしませんでした。
ひとつひとつ手作りというのではなく、大量生産モデルらしいスコアラインに見えます。
ルールの範囲内で、もっとエッジが利いていてもいいな・・・。と思いました。
昔から思うことですが、テーラーメイドはグリップやフェース面には、あまりこだわりをもっていないように思います。
ヘッドには色々なパーツが付いていますが、ちょっと角度を変えてみてみると、すごくシンプル過ぎて味気なく感じてしまうこともあります。
ドライバーやフェアウェイウッドなどでは、シャフトとのマッチングに疑問を感じたこともあります。
いわゆる『純正シャフト』が合っていないと感じたことはたくさんあります。
もちろん、カスタムシャフトが用意されているので、それで補えると思うのですが、純正でももっと使えるのがあるといいな・・・。と思ったことはたくさんあります。
ヘッドのポテンシャルの高さに、シャフトがついていけていないと思うことがよくありました。
オリジナルグリップ
装着されているグリップはベルベットタイプでとても良いです。
テーラーメイドが、このグリップを採用するのは珍しいので意外でした。
これまでもシンプルなタイプのグリップは装着されていましたが、このベルベットタイプのほうが『しっとり感』があるので、好きです。
フィーリングを大切にしているアイアンだから敢えてこのベルベットタイプが装着されているのでしょうか?
微妙なフィーリングや距離感を出したいときに最適なグリップだと私は思います。
振り感
素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
それほど重量があるタイプではありませんが、タイミングも合いやすいです。
クラブに合わせていくのではなく、こちらの『感じ』を出しながら普通に振っていけるのがいいです。
構え感
ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
大きさは標準的ですが、セミグースタイプです。
今はこの『顔』が、一番人気があるのではないでしょうか?
最近のテーラーメイドのアイアンには無い顔だな・・・。と思いました。
私はストレートタイプが好きなのですが、このセミグースも苦手意識は芽生えませんでした。
むしろ試打しなれているので、いつもの感じで試打していけばいいんだと思えました。
グースが利いているので、つかまるイメージも出しやすいですが、トップラインが真っ直ぐで逃がすイメージも出せるので、それらが相殺してプラスマイナスゼロになっているように感じました。
私はフッカーだからなのかもしれませんが、『つかまえ顔』のアイアンよりは『逃がし顔』のアイアンのほうが好きで、左へ巻いてしまいそうなタイプは苦手に感じることも多いですが、このアイアンは楽な気分で構えることができました。
ヘッドの大きさもちょうどいい感じで、ボールとのバランスもとれていました。
試打を開始しました。
フェース面
『打感』は、いい感じでした。
ガツンという感じではなく、ややソフトな感じでした。
中空タイプによくある『ペチャッ』とした感じはあまりありませんでした。
『普通のアイアン』として打っていくことができました。
予想していたよりも打感がいいので、中空のデメリットはかなり解消されているように感じました。
中空アイアンも色々ありますが、このアイアンの打感はかなりいいです。
トゥ側
『球のあがりやすさ』も、いい感じです。
このようなベーシックなタイプのアイアンの中では、かなりあがりやすいほうだと思います。
ロフトは立っていますが、それを感じさせない球の浮きやすさ・弾道の高さがありました。
ヘッドに組み込まれているタングステンがよく効いているのでしょうか?
見た目はシンプルでカッコいいアイアンなので、タフなアイアンなのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はそうでもなく、親しみやすいところも充分あるので、敬遠せず試していただきたいと思いました。
バックフェース
『安定性』という点では、まずまずでした。
このような『標準サイズ』のアイアンの中では、かなり大らかなタイプだと思います。
今のラージサイズのハイテクアイアンと比べると、多少ハードルも上がってしまうのかもしれませんが、むしろこれくらいでちょうどいいという方も多いのではないでしょうか?
スイートエリアも結構広い感じがしました。
気難しいタイプではないですが、易しすぎないので、感性を邪魔しないような気がします。
飛距離性能
『飛距離性能』は、予想していたよりも優れていました。
少し距離を抑えているタイプなのかな?と打つ前は思っていましたが、そんなことはありませんでした。
高さも充分でましたし、ビッグキャリーを打たせてくれました。
今のアイアンの特徴ともいえる『番手ずらし』タイプのアイアンです。
完全に一番手以上は違います。
しかも易しく飛ばしていけるところが大きなポイントです。
『飛ばしのハードル』も低いです。
操作性
『操作性』も、いい感じでした。
構えづらさが無いので、色々と遊べそうだな・・・。と思っていたのですが、実際その通りでした。
私には球のつかまりが良すぎる感じがしたので、どちらかといえばフック系のほうが易しく感じましたが、右に曲げることも難しくありませんでした。
グースの利きはありますが、それほどクセがあるようには感じませんでした。
もっと『大顔タイプ』になると、『オートマ性』が出たのかもしれませんが、私はこれくらいがちょうどいいように感じました。
ヒール側
最近のハイテクテーラーアイアンにはない、シンプルでベーシックなタイプのアイアンです。
ベーシックなタイプではありますが、テーラーメイドらしい、色々な工夫が施されているのが特徴です。
構えやすさがあって距離も欲しい・・・。という、今のニーズに合っているように思います。
TaylorMade P790 アイアン
アイアンには易しさも欲しいけど、あまりゴチャゴチャしたものは欲しくない・・・。
できればシンプルなカッコ良さがあって、それでいて易しい・・・。
そんなアイアンを使いたい・・・。という方は多いのではないでしょうか?
TaylorMade P790 アイアン
マッスルバックはカッコいいし、確かに昔よりも易しくなっているのは知っているけど、どうしても敬遠してしまう・・・。という方もいらっしゃると思います。
キャビティタイプもいいけど、ポケットタイプはちょっと違うな・・・。という方もいらっしゃると思います。
見た目はマッスルで、『易しさ性能』はキャビティ・・・。という特徴を、このアイアンはもっているので、そういった方々にも是非試していただきたいと思いました。
TaylorMade P790 アイアン
ドライバーは絶対曲げたくないので、直進性とあとは飛距離を求めるけど、アイアンは直進性よりも、自分の持ち球を活かしていきたい・・・。という方もいらっしゃると思います。
直進性が邪魔して扱いづらいタイプのアイアンは使いたくない・・・。という方にも、このアイアンは魅力的に感じられやすいのではないでしょうか?
TaylorMade P790 アイアン
易しさがありながら、易しすぎないのが、このアイアンのいいところだと思います。
最近は中空タイプのアイアンが増えていますが、このアイアンはそれらの中で、かなり好感を持ちました。
ボテッとしていないところもそうですし、打感がそれほど落ちていないところも気に入りました。
TaylorMade P790 アイアン
テーラーメイドはドライバーやFWなどの『ウッド系』が強いメーカーで、アイアンはそれほどでもないように感じることも正直あります。
確かに高い機能性をもっているな・・・。と思いますが、それほど魅力を感じないこともあります。
しかし、それはこれまでのテーラーメイドのアイアンが良くないのではなくて、私がそのアイアンの魅力に気づけていないだけです。
このP790というアイアンは久し振りに魅力を感じました。
ハイテクなところもありますが、そのハイテクが出しゃばっていなくて邪魔していないところがいいです。
また何度でも試打してみたいですし、できれば他のメーカーのアイアンと打ち比べてみたいと思いました。