今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド ROCKETBLADEZ アイアン です。
シャフトは KBS C-TAPER90 です。
ロフトは30.5度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は95g、トルクは1.7、キックポイントは中調子 です。
テーラーメイドらしい、高機能さがうかがえるアイアンです。
ただ形状的には、これまで出会ってきた多くのアイアンと同じように見えます。
テーラーメイドのクラブなので、きっと何か斬新な設計がなされているんだろう・・・。とは思いますが、ここ数年のアイアンは比較的オーソドックスといいますか、大きな変化が見られなかったような気がします。
この角度から見ても、厚く腫れぼったくないので、好感がもてます。
シャープさは感じないのですが、ヘッドの厚みが打つのを邪魔しないように感じられました。
彫りは深いのかと思っていたのですが、意外と深くありません。
ただ、ポケットがあるのが、いかにも今のアイアン・・・。という感じがします。
私は先日試打したヤマハのアイアンにすごく魅力を感じているのですが、このアイアンは『NATURAL(ナチュラル)』というよりも『ARTIFICIAL(アーティフィシャル)=人工的』といった感じがします。
実際はどちらも人間が作っているので、『ARTIFICIAL』といえるのだと思いますが、こういったタイプのアイアンは、これからもどんどん進化していくと思いますし、『未来』を連想させます。
それに対し、軟鉄マッスルバックは、それほど大きく変化はしていかないと思いますし、また変化し過ぎないのがいいのかもしれません。
ソール部分にスリットのようなものがありました。
どのような効果があるのでしょうか?
深さがあるのかと思っていたのですが、実際は『溝』というよりも『段差』といったほうがいいほどの『浅さ』です。
手の爪も入りません。
これならば、ネックにある溝のほうが深く見えます。
また、このネックの溝にはどのような理由があるのでしょうか?
以前試打したROCKETBALLZ レスキューやRBZ FWの溝と同じような効果があるのでしょうか?
レスキューの溝はFWほど効果が大きくなかったように私は感じています。
このアイアンの溝もRBZ FWのように反発力を高めているのでしょうか?
写真には撮っていないのですが、シャフトに貼られていたシールに、
[SHAFT] MADE IN TAIWAN
[HEAD] MADE IN CHINA
[ASSEMBLED] IN CHINA
と記されていました。
つまり、シャフトは台湾製で、ヘッドは中国製、組立は中国ということでいいのだと思います。
私はこういった表示にとても好感がもてました。
いわゆる『産地』をはっきりと表示しているところに、信頼がもてます。
今は殆どのクラブが海外製ですし、海外で作られた物を日本で組み立てている・・・。ということも多いように思います。
このクラブは全てが海外で行われたことになりますが、だから価格も抑えられているのだと思います。
私はできれば全て工程が日本で行われたクラブを手元に置いておきたいと思っていますが、今はすごく少なくなりました。
大手有名メーカーのクラブでは、なかなか難しいことなのではないでしょうか?
これまでも何度も書いていますが、その品質や性能がしっかりとキープされているのであれば、どこで作られていても私はいいと思っています。
しかし、それでもやはり日本製に魅力を感じますし、信頼感が違います。
ボールを前にして構えてみても、海外メーカーらしいアイアンの顔です。
これまでたくさん見てきた顔です。
私が好むタイプの顔ではありませんが、たくさん経験値を積んでいるので、だいたいのイメージは出せそうです。
気持ちが昂ることなく、淡々と見つめていました。
無難に打っていこう・・・。と思いました。
試打を開始しました。
『打感』は正直、もうひとつ・・・。でした。
最初の数球はミスヒットが続いたせいか、あまりいいフィーリングを得ることができませんでした。
しばらくして、安定してきても、その打感に好感をもてませんでした。
軟鉄の厚みのあるアイアンで芯を喰ったときの打感を『クリアな感じ』だとすると、このアイアンはちょっと表現が悪いかもしれませんが、ほんの少し不純物が混じっているように感じてしまいました。
もちろん、実際はそんなことはないと思いますし、このアイアンの打感に好印象をもたれる方もいらっしゃると思いますが、私は何球打っても馴染むことができませんでした。
上手く表現できないのですが、インパクトの瞬間に一回打感を感じることができて、その後にもう一回アクションがある、いわゆる『ダブルアクション』のように感じられました。
この打感では、ボールがどの方向に飛び出したのか?大よその着地点は何処なのか?といったことを感じ取ることができませんでした。
『球のあがりやすさ』という点では、ロフトはかなり立っていますが、特にタフな感じはしません。
これまでたくさん出会ってきたストロングロフトでありながら、球があがりやすくなっている・・・。という『創意工夫』が感じられる上がりやすさです。
『安定性』という点では、本来は高い性能をもっていると思うのですが、私は最初の数球はミスヒットが続き、結果的にボールも散らばってしまいました。
どうもシャフトのフィーリングが合わなかったように感じます。
重量的にも少し物足りない感じでしたし、もっと粘ってくれたほうがタイミングを取りやすいかな・・・。と思いました。
装着されている『KBS C-TAPER90』というシャフトは、私にはやや敷居が高いと感じました。
軽量スチールは、これまでもたくさん経験しているのですが、今日はすごく難しく感じてしまいました。
球数を重ねていくうちに、だんだん球筋もまとまってきたのですが、それでも私は難しく感じながら打っていました。
やはり『ファースト インプレッション』が、とても大切です。
私はいつも、自分自身にこんな打ち方は絶対にダメだ・・・。と言い聞かせているスイングがあります。
それは『当てにいくスイング』です。
今日は、その『当てにいくスイング』になっていたように思います。
こんなスイングでは、どんなにいいクラブに出会っても、なかなかナイスショットは望めないですし、明日につながりません。
自分自身の技量の低さ、懐の浅さに、大いに不満が残りました。
『飛距離性能』という点では、とても優れていると思います。
ロフトが立っている、今のアイアンらしい、高性能さを感じます。
かなり優れた『飛距離系アイアン』といっていいように思います。
アイアンに距離を求めていきたい方には、かなり魅力的なのではないでしょうか?
ただ、ソール部分に見られたスリットのような物の効果は、今一つ感じ取ることができませんでした。
おそらく、かなりの効果が実際はあるのだろうと思うのですが、それを強く感じ取ることは私にはできませんでした。
弾道もすごく速くなったような感じはしなかったですし、これまでの『超・ストロングロフトアイアン』を大きく凌駕する感じはしませんでした。
ただ、キャリーは勿論ですが、それ以上に『ラン』が増やせるアイアンなのかもしれません。
これは練習場ではなく、コースで試してみないとなかなか解りません。
コースで試してみたいとは思いつつも、私はこのようなタイプのアイアンをコースで使うことは殆ど無いので、友人が試してみたら感想を聞いてみたいと思いました。
『2番手以上の飛び』をするアイアンに、だいぶ免疫が出来てきたのか、以前よりもこういった飛び性能の凄さに驚かなくなりました。
『操作性』という点では、最初のうちはミスショットばかり打っていたので、『球を操る』という発想にはなれませんでした。
ある程度落ち着いた時点で、色々とトライしてみたのですが、それほど敏感に反応してくれるタイプではありません。
とりあえず、何とか左右に曲げてみたりしましたが、意図的に大きく曲がりやすい感じはしませんでした。
『操作性』にはヘッドの形などもありますが、改めてシャフトの重要性を痛感しました。
私は普段から、愛用しているシャフトの性能に頼りきっているんだな・・・。と思いました。
テーラーメイドらしい、かなり創意工夫に満ちたアイアンだと思いました。
一番の違いは、やはりソール部分にある溝だと思います。
今日は練習場だったので、この溝の効果を充分に感じ取ることはできなかったのですが、テーラーメイドが満を持して発表してきているのだから、おそらく大きな効果は期待できるのだと思います。
こういった工夫が大きな効果をもたらすようになると、他のメーカーも追随してくるかもしれません。
『ホワイトヘッド』の次は『ソールの溝』でしょうか?
『反発規制』や『強度』などのこともあり、ドライバーでは、なかなか溝を入れることは難しいような気もするのですが、テーラーメイドだから、きっと何かやってくれると思います。
正直いって、私はこのアイアンにあまり魅力を感じなかったのですが、こういった『距離系アイアン』の快進撃はまだまだ続くのではないでしょうか?
このアイアンの飛び性能に多くの方が魅力を感じられると思います。
ただ、アイアンにはドライバー同様に『ミスヒットの寛容さ』を求めておられる方には、このアイアンは少し難しく感じられるかもしれません。
決してシビア過ぎるアイアンではありませんが、『ミスヒットへの寛容さ』が全面に感じられるアイアンではないと思います。
飛び系アイアンではありますが、ヒットするところで、その距離もシビアに変わってくると感じました。
このアイアンで距離を出していくには、ある程度打点を揃えていく必要があるような気がしました。
プレイヤーがクラブに距離性能を求めていくのであれば、逆にクラブがプレイヤーに『ミート力』を要求してくるのかもしれません。
今回の、このアイアンには購買意欲が刺激されなかったのですが、これからもテーラーメイドには他のメーカーにはない斬新な発想と技術力でクラブ業界を引っ張って欲しいと思いました。
テーラーメイドは『試験的に』クラブを発表するのが上手い・・・。という印象があります。
ホワイトヘッドでも、まず初めにパターから試してみて、それが受け入れられればドライバーなどにも導入していく・・・。というように、とても計算されているように感じます。
このアイアンにある溝が、これからもずっと続いていくのか、私には解りませんが、こういった新たな試みはどんどん取り入れていってもらい、クラブ業界に一石を投じて欲しいです。
テーラーメイド ROCKETBLADEZ アイアン
- 2012年12月12日
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