ゴルフクラブ試打日記。          

テーラーメイド R1 ドライバー

テーラーメイド R1 ドライバー  
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは テーラーメイド R1 ドライバー です。
MITSUBISHI RAYON TM1-113

シャフトは 三菱レイヨン TM1-113 です。
ロフトは10度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は63g、トルクは3.6、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は321gです。
正面

テーラーメイドRシリーズのニュードライバーです。
本当にテーラーメイドは新製品の出てくるサイクルが速いです。
数か月ごとにクラブを買い替えなくてはならないような錯覚に陥っておられる方もいらっしゃるかもしれません。
R11に初めて出会ったのは、つい先日のように思うのですが、もう2年が経つのかと思うと、すごく早く感じます。
R11を初めて試打したときに、次のモデルは『R13』になるのかな?と思ったのですが、13という数字は欧米では不吉な数字なので、『15』を予想していたのですが、とてもシンプルな『1』でした。
まさか少なくなる方向にいくとは、予想していませんでした。
まさに、メーカーにとって『Rシリーズの原点』に位置付けたいドライバーなのでしょうか?
顔

私はニューモデルについていつも疎くて、日頃の勉強不足を痛感しているのですが、このドライバーの存在は以前から知っていました。
毎週のように観るNHK BS-1のUSPGAツアーの第三戦目『ヒューマナチャレンジ』で優勝したブライアン・ゲイ選手が使っていて、TVに大きく映し出されていたからです。
試合はプレーオフにまでもつれこむ大接戦で、勝利をつかんだのは、このドライバーを使っていたブライアン選手でした。
このドライバーの特徴的な模様が何度も映し出されていました。
USPGAツアーでは、決して飛ばし屋とはいえない、ブライアン選手が軽々と300ヤードオーバードライブを繰り返していました。
彼の昨年の平均飛距離は277ヤードで、ツアーの中で177位というランキングだったそうなのですが、TVに映し出されるビッグドライブに驚きを隠せませんでした。
勿論、彼の日頃のトレーニングの成果などもあると思いますが、このドライバーのことがすごく気になっていました。
海外のツアーを観ていていつも思うのですが、もはや300ヤードオーバーは『当たり前』といった感じがします。
日本で飛ばし屋と言われる選手が、海外の飛ばし屋でない選手に、軽々とアウトドライブされてしまいます。
サーキットに例えると、1500ccクラスの車が『3000cc』や『4000cc』クラスの車と真っ向から勝負しているように思えてなりません。
排気量で勝てないのであれば、『柔よく剛を制す』ではないですが、ショートゲームで活路を見出したいところですが、海外の選手はショートゲームでもその強さが抜きん出ています。
ドライバーからパターまで、苦手なクラブがあるとUSPGAツアーでは戦えないのだそうです。
なかなかつけ入る隙がありません。
ゴルフは『心技体』ではなく『体技心』だ・・・。という、有名なプロゴルファーの言葉がありますが、それも納得できます。
同じ『300ヤード』でも、方向性を度外視して目いっぱい振った300ヤードと、あくまでも方向性を保ちながらコントロールした300ヤードでは、意味合いが全く違ってきます。
まさに『合理化』というイメージにピッタリと合うのが、海外メーカー(特にテーラーメイド)のような気がします。
側面

こうして見ていても、やはり赤くて丸い物がよく目立ちます。
R11から、調整システムはすごく進化していきましたが、この形状はとても目を引きます。
ただ、『カッコ良さ』という点では、正直前のモデルのような気がします。
しかし、構えたときには邪魔にならないので、あまり気にすることもないと思うのですが・・・。
私はドライバーの調子が悪くなると、たまに『直ドラ』の練習をすることがあるのですが、このドライバーだと、それがやりづらいだろうな・・・。と思いました。
とにかく、何よりも『機能』が最優先されたドライバーのような気がします。
シンプルさが感じられないので、『応用』はあまり利かないのかもしれません。
ギョロ目のようなもの

近くで見ても、まるで『ギョロ目』のようです。
金魚の『出目金』を思い出しました。
左側に『FACE ANGLE』という文字があるので、フェースアングルを調整する為のパーツなのだということが解りました。
『N』という表示があるので、『コンパス』のようにも見えますが、これは『北』を表す『N』ではなくて、『ニュートラル』だろうと思うのですが・・・。
目盛がたくさんあるのですが、細かすぎてあまり見る気が起きません。
とにかく、とても細かな調整ができそうです。
聞くところによると、約160通り以上の調整ができるのだそうです。
はたして、実際にそこまでの調整が必要なのだろうか?それよりも大切なことは『製品としての精度の高さ』や、『安全性』を高めたり、フィーリングを良くしたりすることではないかな?と思ってしまいました。
こういったシステムが、いったいどれだけの『耐久性』があるのかも、興味深いところです。
ユーザーとして、ずっと使い続けるのであれば、知っておいたほうがいいように思います。
テーラーメイドの新たな技術やアイデアが積み込まれているとは思うのですが、ここまで細かくなってしまうと、興味が薄れていっていまっていることが不思議でした。
しかし、このような大胆な設計ができるところが、テーラーメイドの大きな武器のように思えます。
常に、市場の動向を意識しているようです。
ネック長さ

ネックの長さは、予想していたくらいの長さで、特に変わった感じはしません。
ロフト調整

ロフトを表す目盛が『9.5』と『10.5』の中間にあったので、『10度』ということでいいのだと思います。
先日試打したナイキのドライバーもそうでしたが、これからはヘッドにロフト表示がなくて、自分で好みの角度に調整するタイプがもっと増えるのかもしれません。
しかし、あまり大きく変えすぎてしまうと、また新たな弊害も起きるような気もするのですが・・・。
シャフト交換システム

ネックには調整用のビスがあり、シャフトが容易に交換できるようです。
これが、調整システムドライバーの最も大きな長所ではないか?と思っております。
自分の好きなシャフトを簡単に試すことができるということが、ロフトやフェースアングルを微妙に変えることよりも、大きいと思います。
とはいっても、用意されているシャフトは、まだ数が限られているのが残念ではありますが・・・。
大手有名シャフトメーカーも素晴らしいですが、日本には『バシレウス』や『クレイジー』『ファイヤーエクスプレス』『NGS』『柳田シャフト』『ワクチンコンポ』『ロッディオ』・・・。など、知名度は全国区ではなくても、いいシャフトメーカーがたくさんあります。
これらのメーカー全てに対応するのは難しいかもしれませんが、もっと選択肢が広がってもいいような気がします。
とはいっても、いくら自分の気に入っているシャフトだからといって、どのヘッドにも合うとはいえない部分もあります。
私は今、マイドライバーにクレイジーのシャフトを挿しているのですが、そのシャフトとテーラーメイドのヘッドとのイメージができません。
ヒール側のウェイト

ヒール側
トゥ側のウェイト

トゥ側
ヒール側とトゥ側にウェイトがひとつずつ配置されています。
これもやはり交換できるシステムになっているのでしょうか?
だとすると、もっと調整レベルがアップするように思います。
ただ、そこまでする必要がはたしてあるのかどうか?という疑問も残るのですが・・・。
TUNED PERFORMANCE

トゥ側には『TUNED PERFORMANCE』と記されていました。
この豊富な調整機能を表しているのでしょうか?
テーラーメイドの自信が伺えます。
シャローバック

シャローバックであることは、これまでの流れでいっても、当然のことだと思います。
それでいながら、かなりのディープフェースです。
こういったことは、R11などと共通しているところだと思います。
『フェースの弾き』を良くするには、ある程度フェースに厚みといいますか『高さ』があったほうが有利だということは、昔から言われていました。
昔はディープフェース&ディープバックのコンビが多かったので、必然的に敷居が高くなりましたが、今はシャローバックの物が圧倒的に多いですし、それ以外にも重心調整がより複雑化してきているので、ディープフェースだからといって、一概にタフだとはいえない部分があると思います。
振り感

複雑な調整システムのせいでしょうか?
素振りをしてみると、結構重量感もあって、いい感じだったのですが、シャフトがちょっと頼りない感じだったので、違うシャフトを探してみたのですが、ちょうど貸し出し中だったので、このシャフトで試してみることにしました。
このシャフトがいわゆる『純正』なのでしょうか?
とはいっても、今はたくさんの『カスタムシャフト』があるので、必ずしも純正が『基準』とはいえないところもあると思います。
カスタムシャフトには、他のメーカーのドライバーでもおなじみの『USTマミヤ アッタス』や『グラファイトデザイン GTシリーズ』『三菱ディアマナ』などがあるそうです。
どういったフィーリングになるのか、とても興味があります。
構え感

ボールを前にして構えてみても、やはり独特な感じで、正直違和感があります。
思わず「ウッ」と叫びたくなるような強い拒絶反応は起きなかったのですが、私は構えづらく感じました。
この独特な模様はとてもよく目立ちますが、ヘッドが後ろに伸びていることをあまり感じさせないような工夫なのではないかな?と、こうして構えてみて感じました。
この模様を一旦頭の中で削除して見てみると、かなりヘッド後方が伸びているように見えます。
もし、このヘッドが『単一カラー』であれば、もっと違和感があったのかもしれません。
ただ、それでも私はこのデザインは正直好きになれませんでした。
フェースは被っているようには見えなかったのですが、これは微妙な調整ができるので、人によって微妙に調整できるのはいいことなのかもしれません。
私は構えたときのフェースアングルをすごく気にするほうだと思うのですが、今日はフェースアングルよりも、『ヘッド後方の伸び』のほうが気になってしまいました。
頭の中がクリアにならず、ずっとモヤモヤした感じがありました。
弾道のイメージが出せず、心が何かを必死に探し続けているようでした。
なかなかタイミングがとれないので、『もうどうにもなれ』という気持ちで打っていくことにしました。
試打を開始しました。
バックフェース

一球目から、ほぼ『ストレート』といえる球が打てて、びっくりしました。
まさか一球目から、こんなにも真っ直ぐな球が打てるとは思ってもいませんでした。
ミスショットを覚悟していました。
厳密にいうと、ほんの少しのフェードなのですが、ほとんど真っ直ぐに飛んでいきました。
これは何だ?と思いました。
続いて2球目、3球目・・・。と打っていったのですが、それでもボールは真っ直ぐに飛んでいきました。
ヘッドの形状やデザインによる構えづらさに加え、シャフトの頼りなさから、最初のうちは苦戦するだろうと思っていたので、このストレートボールは意外でした。
ただ、自分でもこれはマグレだ・・・。と解っていたので、すぐにボロがでてしまうだろう・・・。と思っていました。
すぐに、その予想は的中しました。
次第に球は少しずつ乱れていきました。
イメージできないまま打っていって、例えそれがいい結果であったとしても、それは『たまたま』でしかないことを私自身がよく解っているつもりです。
なので、ミスが出始めて当然だと思っていました。
『結果オーライ』では、なかなか長続きしません。
しかし、本来はこのドライバーはとても寛容性が高いと思いますし、直進力のあるドライバーだと思います。
私の対応能力の低さとスイングレベルの未熟さ、メンタルの弱さからくるミスショットであることは明白でした。
フェース面

『打感』はやや硬めといいますか、しっかりした感じでした。
ソフトな感じはしませんでした。
弾き感の感じられるフィーリングではありますが、すごく好感がもてる打感ではありませんでした。
手首に少し衝撃が残りました。
あまり何度も強く打ちすぎてしまうと、手首を痛めてしまうかな?と思いました。
打球音

『音』も、好感がもてませんでした。
かなり高めの音です。
時々、『カーン』という甲高い音がしました。
私がかなりミスヒットしているのだと思いました。
この高い音には馴染めなかったので、違うボールでも試してみたのですが、やはり大きく変わることはありませんでした。
ただ、スインガータイプの方は、あまり気にされなくてもいいのかもしれませんし、これくらいはっきりした音のほうが安心する・・・。という方もいらっしゃると思います。
あくまでも私が叩きすぎてしまっているのかもしれません。
それを考慮しても、私はこのドライバーの音には好印象をもつことができませんでした。
『構え感』『打感』『音』という、フィーリングの三要素という点で、私は魅力を感じることができませんでした。
トゥ側

『球のあがりやすさ』という点では、ある程度予想していた通り、高く上がっていくのですが、弾道が力強くて好感がもてました。
ライナー系という感じではなく、しっかりと高さも出していけるのですが、そこに『ひ弱さ』のようなものは感じられませんでした。
しっかりとボールを前に弾き飛ばしてくれるドライバーだと思いました。
そこに高さも出していけるので、魅力を感じられる方も多いのではないでしょうか?
『ロフト10度』らしい、高さのある力強さを感じました。
『音』だけでいうと、ヒッターよりはスインガータイプの方に合いやすいようにも感じられたのですが、弾道でいうとヒッターの方にも充分メリットがあるように思います。
飛距離性能

『飛距離性能』という点でも、やや高めの弾道ではありましたが、これくらいのほうが却っていいのではないかな?と思いました。
充分に伸びを感じることができました。
できれば実際に打ち比べてみたいと思いますが、前のモデルのR11よりも飛距離性能は少しアップしているのかもしれません。
少なくとも『直進性』はアップしているように思います。
意識的に、やや低めに打ってみたのですが、高い弾道ほどの伸びがあまり感じられませんでした。
『高~いビッグキャリー』という感じではないのですが、このドライバーのもつ自然な高さに任せてしっかりと叩いていけばいいのだと思いました。
このドライバーのもつ複雑な調整機能ばかりが目に入りますが、飛距離性能もしっかりとしているので、好感をもたれる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
先ほども書きましたが、『少し高め』くらいがちょうどいいように感じられます。
操作性

『操作性』という点では、最初に構えたときから、左右に曲げる意識をもてませんでした。
というか、このヘッドが持たせてくれませんでした。
左右にどう曲げていこうかというイメージが持てませんでした。
普通に打てば、フェード系が打ちやすいと思うのですが、このドライバーはかなり複雑な調整ができるので、自分の打ちたい球筋に合わせていくのもいいのかもしれません。
理想をいえば、いつでも『左右に思い通りに曲げられる』ということがあると思いますが、こういったタイプのドライバーは『どちらか一方向』に決めつけていくべきなのだと思います。
今日はフェースアングルが『N』のポジションだったのですが、調整することにより、どれくらいフェースが被ったり開いたりするのかが興味深いところです。
球筋もどのように変わっていくのか見てみたいです。
ヒール側

これだけ複雑な調整機能が付いていても、調整できるのは練習場で、コースでは競技中に変えることはできません。
即『失格』になってしまいます。
なので、ラウンド中にいくら調子が悪いからといって、調整することはできません。
ただ、練習ラウンドなどであれば、進行などに影響がないのであれば、調整するのは有効だと思います。
Taylor Made R1 DRIVER

テーラーメイドが『調整機能』と『白いヘッド』を流行らせたことは、既に多くの方がご存じだと思いますし、他のいくつかのメーカーも追随していきているようです。
しかし、テーラーメイドはさらにその先を進んでいるように思います。
常に他のメーカーが追い付けないところに行っているような気がします。
白いヘッドは今年も大人気のようですし、他のメーカーからもよく見かけるようになりました。
調整機能付きドライバーも、色々なメーカーから発売されるようになりました。
しかし、一旦テーラーメイドの最新作を体験してしまうと、他のメーカーのシステムがすごく質素に見えてきます。
テーラーメイドが常に先を行っていることは間違いないところだと思いますが、複雑化し過ぎてしまっているような気もしますし、果たしてここまでの機能が本当に必要なのか?と思ってしまうこともあります。
テーラーメイド R1 ドライバー
 
この調整機能などはとても面白いと思いましたが、それでも私はまだこういったタイプを使いたいな・・・。とは思いませんでした。
今のドライバーのままで充分ですし、何も不自由さを感じていません。
このドライバーのフィーリングにも馴染めませんでした。
面白いドライバーだとは思いましたが、次第にこのドライバーに対する興味が薄れていってしまいました。
購買意欲は全く刺激されなかったですが、これからもあと何回かは試打を楽しむような気がします。
このドライバーに対する好みは人によって、はっきりと分かれるところだと思いますが、いつかテーラーメイドから惚れ惚れするような美しいドライバーを目にしたいと思いました。
また『ツチノコシャフト』に出会ってみたいです。