ゴルフクラブ試打日記。          

テーラーメイド ATV ウェッジ

20120708200654 
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは テーラーメイド ATV ウェッジ です。
N.S. PRO 950GH

シャフトは N.S.PRO 950GH です。
ロフトは58度、クラブ長さは34.75インチ、シャフトフレックスはS、トルクは1.9、バランスはD4、キックポイントは中調子、クラブ総重量は458gです。
正面

テーラーメイドの新しいウェッジです。
記事には書いていないのですが、テーラーメイドのウェッジは何度も手にしたことがあります。
特に『racウェッジ』には、思い出がたくさんあります。
このウェッジはデザインが、これまでのテーラーメイドのウェッジと、ちょっと変わった感じで、珍しく感じました。
『ニューコンセプト』のウェッジなのかな?と思いました。
側面

全体的に『薄い』印象をもちました。
ある程度シャープな感じもするのですが、それよりも『薄い』感じがします。
ウェッジなので、ドライバーほどの設計自由度は大きくないと思うのですが、テーラーメイドが様々なアイデアや技術を駆使して作られたウェッジなのではないかな?と思います。
テーラーメイドはドライバーやフェアウェイウッドの印象が強すぎて、あまりウェッジのイメージがありませんが、白いパターから始まって、今はドライバー、フェアウェイウッドへと移行しているので、いずれ白いウェッジも登場してくるのではないでしょうか?
『白いウェッジ』と考えただけで、どんな感じなのか、とてもワクワクします。
ソールの独特な形状

そして何より、このソールの独特な形状がとても特徴的です。
『釣り針のかえし』を思い出しました。
こういった形状はとても珍しいと思います。
しかし、テーラーメイドのクラブだから、きっと大きな意味があるのだろうと思いました。
やはりテーラーメイドには、他のメーカーにはなかなか感じられない『独自性』があるな・・・。と思いながら見ていました。
こういった独自性がブームを呼び、クラブの進化にもつながっているのだと思います。
『後追い』をするメーカーが多い中で、テーラーメイドは本当に『先駆者』といいますか『ブームの火付け役』といった感じがします。
『フロンティアスピリット』を常に持ち合わせたメーカーといえるのではないでしょうか?
技術などが凄いのもあるのですが、『発想』や『着眼点』が素晴らしいと思っています。
ソール幅

ソール幅は、ややワイドな感じがします。
しかし、このウェッジのロフトは58度ということで、『SW』という位置づけでいいと思うのですが、SWであるとするならば、比較的ノーマルなほうかもしれません。
バンスは、あまり効いていないように見えました。
ネック長さ

ネックの長さは、比較的ノーマルな感じです。
それほど長いとも短いとも思いませんでした。
ソール形状に独特な工夫が見られますが、ネック部分には特に変わったところは見当たりませんでした。
やはり『扱いやすさ』を重視するならば、ここの部分にはあまり細工し過ぎないほうがいいからなのでしょうか?
独特なソール

このソール中央部分も変わっています。
異材が組み込まれているのでしょうか?
それとも何か他の目的で、このようになっているのでしょうか?
ウェッジは、各メーカーとも、比較的シンプルなタイプの物が多いのですが、このように様々なところに独自の工夫が組み込まれているのはとても珍しいです。
私はどちらかというと、ウェッジには『ハイテク感』よりも『シンプルさ』が欲しいと思っていて、クラブ自身があまり主張し過ぎないほうが楽な気分で振っていくことができるのですが、このウェッジは少し『異質』な感じがします。
しかし、それは『違和感』などではなくて、『苦手意識をもたせない範囲での奇妙な感覚』といったところでした。
おそらく、何らかの意味があるのだと思いますが、果たしてこの工夫がどれだけ威力を発揮するのか?そして、却って邪魔に感じることは無いのかな?と思いながら見つめていました。
ALL TERRAIN VERSATILITY

『ALL TERRAIN VERSATILITY』と記されていました。
この頭文字を3つとって、『ATV』という名前になっていることは想像に難くありません。
ALL=全て
TERRAIN=地形
VERSATILITY=融通性
ということなので、コースにおける全ての地形に融通性がある・・・。ということでいいのでしょうか?
つまり、フェアウェイやラフに限らず、ディボット跡やベアグランド、バンカー、アップヒルやダウンヒル・・・。など、様々なライにも融通が利く・・・。ということなのでしょうか?
もし、そうだとしたら、とても頼もしいウェッジです。
MICRO

トゥ側のところに、『MICRO』と記されていました。
どういった意味が込められているのでしょうか?
このウェッジも、他のメーカーのウェッジに見られるように、フェース面に工夫が施されていました。
最近はミーリングが一般的だと思いますし、真っ直ぐに入っているものや、ツアステウェッジのように斜めに入っているものなど様々です。
しかし、このウェッジは『細かい溝』というよりは『ドット』のように細かい点のようなものが見えました。
しかもそれは『凹』ではなく、『凸』に見えます。
こうすることで、高いスピン性能が得られるのでしょうか?
この形状も、とても珍しいと思いました。
構え感

ボールを前にして構えてみると、とてもシンプルな形状で好感がもてました。
ソールに感じていた、独特なハイテク感は、こうして構えていると感じられません。
『構え感』が邪魔になっていないのが、とても嬉しく思いました。
構えてみるまでは、少し構えにくいタイプのウェッジなのではないかな?と思っていたのですが、実際はとても素直なウェッジでした。
グースも弱いので、すごくいいです。
むしろ、ほんの少しだけ『出っ歯』に見えました。
極端な出っ歯ではありませんし、『ストレート』といってもいいと思うのですが、とても球を拾いやすそうな印象を受けました。
グースネックを好まれる方は、やや構えづらいかもしれません。
好みがはっきりと分かれるかもしれません。
軽量スチールが私にとって、少しの不安材料だったのですが、それ以外は特にマイナス的な要素はありませんでした。
いいイメージが出せました。
試打を開始しました。
フェース面

『打感』は、なかなかいい感じでした。
独特な雰囲気から、少し硬めのフィーリングなのではないか?と思っていたのですが、実際はなかなかのグッドフィーリングでした。
このウェッジはステンレスで、他に軟鉄モデルもラインアップされているそうなので、今度は是非軟鉄モデルも試打してみたいと思いました。
アイアンに限らず、ウェッジでも『軟鉄が最強』です。
操作性

『操作性』という点では、とてもいい感じがしました。
ウェッジには是非持っていて欲しい、『フェース開閉の自由度』が、このウェッジにはあります。
私は開いて使うことが多いので、このウェッジには好印象をもちました。
やはり、この独特なソールが大きな役目を果たしているのでしょうか?
一見、それほど変わった形状には見えなくても、まさに『ミリ単位』で細かな設計が施されているのかもしれません。
色々な打ち方が楽しめるウェッジだと思いました。
飛距離性能

『飛距離性能』という点では、58度のウェッジらしい飛距離だと思いました。
80ヤード以下がとても易しく打てます。
私が使い慣れているDGだったら、もっと距離感を出していけたと思うのですが、この軽量スチールでも、特に難し過ぎる感じはしませんでした。
狙ったところにキャリーさせることができました。
トゥ側

『球のあがりやすさ』という点でも、すごくいい感じでした。
ノーマルな58度のウェッジだと思います。
球も拾いやすかったですし、何ら不自由さは感じませんでした。
グースネックを日頃使い慣れておられる方には、出球が少し高く感じられるかもしれませんが、私はこういった感じのウェッジは大好きです。
スピン性能

『スピン性能』という点でも、なかなかだな・・・。と思いました。
驚くほどの『激スピン』だとは、正直思いませんでしたが、決して弱いほうではありませんでした。
ボールにしっかりと、ある程度のスピンを効かせてくれるウェッジでした。
フェース面がボールに強く食いつく・・・。という感じではなかったのですが、ボールを乗せて運びやすいと思いました。
スコアライン

スコアラインを指で触ってみたのですが、特にエッジが効いてる感じでもなく、比較的標準的なタイプかな?と思いました。
ただ、滑る感じもしませんでした。
程よい『食いつき感』が長く続くタイプなのでしょうか?
バックフェース

『安定性』という点でも高く、とてもイージーなウェッジだと思いました。
上級者の方は勿論、幅広い層に支持されそうです。
ラインも出しやすいですし、難しく感じる要素が見当たりません。
ソールの工夫が独特で、様々なライに対応できるということで、いかにも『マニュアルタイプ』のウェッジに見えますが、実は『オートマチック』な要素も兼ね備えているのではないか?と思いました。
『ワンパターンショット』といいますか、ボールを一か所のところに集めることが易しく感じられました。
バンカーショット
 
今日は、バンカーでも試してみたのですが、すごくいい感じでした。
このウェッジはバンカーで、より輝きを増すウェッジなのではないか?と思いました。
なんといいますか『スパッ』でも『ドスン』でも、どちらでも素直に打ちやすいウェッジです。
『スパッ』というのは、ボールの下を薄く切るように打つタイプのバンカーショットで、スピンを掛けたいときに使いますし、私はバンカーショットといえば、ライがいいときは殆どこの打ち方です。
そして、もうひとつは『ドスン』で、これはもう『エクスプロージョン』でボールを砂の爆発力で弾き飛ばす、バンカーショットの基本ともいえる打ち方です。
ランを出したいときや、バンカー内でライが悪いときは、この打ち方をすることが多いですが、このウェッジだと、どちらもすごく易しく感じました。
『二刀流』がしやすいウェッジだと思いました。
勿論、普段使い慣れているウェッジでも、色々な打ち方をするのですが、このウェッジはこうしたことが予めプログラムされているのかな?と思いました。
テーラーメイドのハイテクさを感じました。
普段は何度も練習をして自分の身体と、相棒であるウェッジに成功のイメージを刷り込ませていくのですが、このウェッジだと、最初からそのイメージが組み込まれているのではないか?と思えるほどでした。
テーラーメイド ATV ウェッジ

メーカーの人に聞いてみないと解りませんが、このソールの独特な『出っ張り』のような形状は、バンカーショットの為にあるのではないかな?と思いました。
ビギナーの方で、バンカーショットのエクスプロージョンが苦手だという方は少なくないと思いますが、このウェッジだと易しく感じられる方が多いのではないでしょうか?
ボールの手前にソールを『ドスン』と落とすだけで、ボールは自然と上がり、バンカーからの脱出が易しく感じられるのではないでしょうか?
勿論、私が普段行っている、『カットする打ち方』も容易なウェッジです。
かなりのハイテクなウェッジで、プレイヤーを助けてくれる、『スグレモノ』だと思いました。
TaylorMade ATV WEDGE

バンカーショットは、ビギナーを卒業して中級者になったときよりも、まだ始めたばかりのほうが上手い人が多い・・・。ということを、私がまだビギナー時代に先輩から聞いたことがあります。
そのときはどういう意味なのか、よく解らなかったのですが、確かに私がコースに出て、初めていいショットが打てたときのイメージが強く残っているのが、ガードバンカーからのショットでした。
初心者の頃は意識しなくても、普通に『カット打ち』になることが多いですし、ダフろうとしなくても自然とダフることが多いので、バンカーが易しく感じることが多いのだそうです。
なるほど、そう言われてみればそうだなぁ・・・。と思ったことをよく憶えています。
ある程度キャリアを積んでくると、ボールもつかまるようになりますし、球筋がスライス系からフック系になることが多いです。
自然とフックが出るようになると、今度はバンカーが難しく感じられることが多いと聞いたことがあります。
ヒール側

私は普段からフック系の球筋ですが、バンカーに入ると、自然と『カット軌道』で打っています。
バンカーショットの練習が他の練習よりも一番好きで、たくさん行っているので、自然と身体が覚えているのかもしれません。
あくまでも、私の中でのイメージでは『ホセ・マリア・オラサバル選手』なのですが、実際は単なるゴルフ好きです。
『砂遊び』が好きなゴルファーに過ぎません。
TaylorMade ATV WEDGE

いいウェッジに出会うと、なかなか止められない私の悪いクセが今日も出てしまいました。
かなりの創意工夫が施され、ハイテクさをもった『オートマチック』感を感じながらも、バンカーでは『マニュアル』感を感じながらずっと楽しんでいました。
楽しいときの時間の経つのは早いもので、ふと気が付いてみると、1時間以上、このウェッジで楽しんでいました。
TaylorMade ATV ウェッジ

久しぶりにテーラーメイドの新しいウェッジに出会ったので、色々と分析をしてみようと思ってはいたのですが、途中からずっと楽しんでばかりいて、時の経つのを忘れてしまいました。
他のクラブでもそうですが、、特にウェッジでは、練習場のマットの上からではなく、アプローチグリーンやバンカーなど、なるべくコースと同じ状況で試してみたいと思っています。
勿論、傷をつけたりできないので、実際は練習場のマットの上で我慢していることも多いのですが・・・。
今日はバンカーからでも試打することができたので、ラッキーでした。
最近試打したウェッジで印象に強く残っているのは、『キャロウェイ FORGED ウェッジ』なので、今度機会があれば、是非色々と比較してみたいと思いました。
また何度でも、このウェッジで楽しい時間を過ごしたいです。