今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは タイトリスト VG3 アイアン TYPE-D の7番 です。
シャフトは VGI です。
ロフトは26度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は64g、トルクは3.1、キックポイントは中調子、バランスはD0、クラブ総重量は375gです。
タイトリストVG3シリーズの新しいアイアンです。
先日ドライバーとFWを試打したのですが、今日はアイアンを試打する機会に恵まれました。
ノーマルなアイアンというよりは大きめで、かなり膨らみの目立つアイアンです。
この膨らみを見て、おそらく中空構造になっているんだろう・・・。と思いました。
ユーティリティアイアンのようです。
トゥ側にはタングステンが組み込まれているのが分かりました。
角度を変えてみても、たくさん使われているように見えました。
重心の低さや深さが、かなりありそうです。
彫りの深さもたっぷりありました。
ポケットにせずに、中空にして色々な工夫をしているようです。
見た目はノーマルなキャビティアイアンのような感じもしますが、『中空っぽさ』は充分出ています。
トップラインは少し厚めに見えましたが、極端な感じはしませんでした。
構えやすさにも影響しないだろう・・・。と思いました。
こういった細かい配慮がされているのが、タイトリストのいいところだと思います。
海外メーカーの中に、時にはやや大味に感じられるクラブに出会うこともあるのですが、タイトリストには殆ど感じません。
繊細さもありますし、綺麗なクラブが多いです。
このアイアンもそうですが、雰囲気が柔らかい感じのクラブが多いです。
とても日本的な感じがします。
ソール幅はノーマルな感じでした。
ワイドということはありませんでした。
ただ、これだけたくさんのウェイトが組み込まれているのだから、これ以上ワイドにする必要はないのだと思います。
ワイドソールタイプが苦手な私は、このソール幅を見て、好感を持てました。
ネックは少し短く見えましたが、今のアイアンでは標準といえるでしょうか?
程良い低重心という感じがします。
ホーゼルには『FORGED TYPE-D』という文字がありました。
前も見たことがあるのですが、TYPE-Dとはどういう意味があるのでしょうか?
ゴルフクラブで『D』というと、私はディープを連想するのですが、このアイアンはディープという感じはしないですし、おそらく違う意味があるのだと思います。
リーディングエッジは、大きくなだらかに削られていました。
これくらいがちょうどいい抜けの良さにつながるのかもしれません。
あまりたくさん削りすぎるよりも、クラブは使っていくうちにだんだんと変化していくので、これくらいがちょうどいいような気もします。
フェース面にミーリングはありませんでした。
均一性があって、とても綺麗なフェース面です。
雑な感じは全くありませんでした。
こういったところもタイトリストの特長のひとつといっていいと思います。
相棒に選ぶのなら、やはりこのような丁寧で美しく仕上げられているクラブにしたいです。
装着されているグリップは、よく見かけるタイプです。
無難なグリップといっていいかもしれません。
『ゴツゴツ感』は無く、ソフトなフィーリングで好感がもてます。
ボールを前にして構えてみると、正直好みとはちょっと離れるのですが、苦手意識のようなものは芽生えませんでした。
まずまずの構え感だと思いました。
大顔タイプで、グースも効いていました。
トップラインは直線タイプではなく、曲線タイプです。
逃がすイメージよりも、包み込むイメージが出しやすいので、好まれる方も多いのではないでしょうか?
大顔タイプのアイアンは、逃げやすい特徴があるので、このトップラインのカーブは理に適っているのかもしれません。
大きさや形状は、私の好みから少し離れるのですが、タイトリストアイアンがもつ独特の雰囲気があって、好感がもてました。
美しいアイアンです。
試打を開始しました。
『打感』は、なかなかいい感じでした。
やや薄い感じの打感ではありましたが、手に嫌な衝撃が残ることもなく、ソフトな感じで、優しくコンタクトしてくれました。
『くっつき感』のようなものは感じなかったのですが、球を弾き飛ばすイメージが自然に出てきました。
球はとてもあがりやすいです。
かなりイージーに作られているように感じます。
球があがらないということになりにくいアイアンといったらいいでしょうか?
かなり幅広い層に対応できているアイアンだと思います。
グースタイプのアイアンではありますが、きつすぎないので、球を拾いやすい感じがしました。
『安定性』も高く、見た目通りのイージー系オートマチックアイアンといっていいと思います。
かなり『慣性モーメント』が高いアイアンといえるのではないでしょうか?
打点のブレにも寛容なタイプです。
フェース面の大部分を使っていけるアイアンといっていいように思います。
シビアさは全く感じませんでした。
『飛距離性能』は、かなり優れていました。
完全な『飛び系アイアン』といっていいと思います。
おそらく、これまでのタイトリストのアイアンの中で一番飛距離性能に優れているのではないかな?と思いました。
もちろん、これまでタイトリストが飛び系アイアンを作ってこなかったわけではなく、出会ってきましたが、ここまでよく飛ぶのは初めてのような気がします。
他のメーカーのアイアンに比べ、タイトリストのアイアンはそれほど『ディスタンス』にはこだわっていなかったような印象もありますが、このアイアンはそれをはっきりと打ち出してきたように感じます。
アイアンに飛距離性能を第一に考えておられる方にとって、とても頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?
『操作性』という点では、正直それほど長けている感じはしませんでしたが、左右に曲げることもできました。
やはり『オートマ性』のほうが勝ってしまうな・・・。と思いました。
大きく曲げるタイプではなく、小さな曲がり幅で勝負していけるアイアンなので、大きなミスにはつながりにくいような感じがします。
このようなラージサイズのアイアンなので、インテンショナルなことをしようとすると、逆に『逆球』が出てしまうかもしれません。
今日は練習場なので、どんなにミスしても大丈夫な環境でしたが、コースではたまに失敗してしまうかもしれません。
小顔タイプは、確かにスイートエリアは大顔タイプに比べて狭いかもしれませんが、小さい分だけ逆球も出にくくなっています。
左に曲げようと思えば曲げられますし、右も同様です。
ラージサイズを使い、つかまりを予想して右から攻めていって、つかまりきらずにプッシュ気味に飛んでいってしまった・・・。という経験をされた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そういった怖さは、アイアンに限らずラージサイズクラブにはあると思います。
なので、このアイアンもそういうところは気をつけたほうがいいような気もしました。
操作したい方には合いづらいかもしれません。
完全なオートマ系アイアンで、飛距離性能にも優れたアイアンです。
今のニーズに完全にマッチしたアイアンといっていいのではないでしょうか?
これまでもたくさんオートマチックタイプで距離の出るアイアンに出会ってきましたが、その多くが、クセがきつくて大味な感じがしていました。
しかし、このアイアンにはそういったことをあまり感じませんでした。
タイトリストのクラブらしく、仕上げが丁寧なのも好感がもてました。
タイトリストというメーカーのイメージに合っています。
雑な感じは、タイトリストには合いません。
大手有名メーカーと比べ、少ないロット数で勝負する、いわゆる『地クラブメーカー』で丁寧な仕上げなのはよく感じますが、大量生産される大手有名メーカーのクラブでは雑に感じられることは、正直よくあります。
タイトリストはそんな感じはしないので、好感を持っています。
このアイアンは、いわゆる『機能的なアイアン』といっていいと思いますが、様々な工夫がされていながら、それが『美観』を邪魔していないのがいいと思いました。
基本性能の高さは充分ありながら、『クラブの美しさ』がしっかり残っています。
ただ、私もそうなのですが、アイアンに『飛び』を求めておられない方は、このアイアンは飛びすぎてあまり魅力を感じないかもしれません。
もっと小顔タイプが好きだという方もいらっしゃるかもしれません。
そういった意味では、好みが分かれると思いますが、今はこういうアイアンが多くの支持を集めているのは間違いないと思います。
基本性能がしっかりとした、美しいアイアンです。
オートマチックアイアンの雄といっていいのではないでしょうか?
タイトリスト VG3 アイアン TYPE-D
- 2018年2月28日
- タイトリスト
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