今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは タイトリスト 718 MB アイアン の7番 です。
シャフトは TRUE TEMPER AMT TOUR WHITE です。
ロフトは35度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、バランスはD2、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は433gです。
タイトリストのニューマッスルバックアイアンです。
タイトリストはモデルチェンジの度にマッスルバックを発表してくれているメーカーなので、期待していました。
こうして見ていても、ひときわ輝きを放っていました。
目にすると、手に取らずにはいられません。
小顔タイプのマッスルバックアイアンです。
最近はアスリートモデルのアイアンの大きさも、少しずつバリエーションが広がっているように思うのですが、このアイアンはとても小さいです。
昔ながらの小ささといえるように思います。
フルキャビティやポケットキャビティでは大顔にすることによってメリットもあるのかもしれませんが、マッスルバックでは大顔にしてしまうと、却って難しさが顔を出してしまうのかもしれません。
顔だけ大きくしても、スイートエリアはそれほど大きくはならないのではないでしょうか?
ソール幅は、かなり狭いです。
今のアイアンの中でも、間違いなく一番狭いと思います。
前のモデルもかなり狭かった印象があるのですが、それに負けない狭さです。
今度機会があれば見比べてみたいと思いました。
ネックの長さも、しっかりとあります。
昔のアイアンと比べると、それほどロングには見えませんが、今のアイアンの中では間違いなくロングの部類に入ります。
ソールに異材(タングステンなど)も組み込まれていないようですし、高重心のアイアンであることは間違いないな・・・。と思いました。
ワイドソールの低重心タイプのアイアンを好まれる方には、このソールの狭さ・ネックの長さは不安要素になってしまうかもしれません。
トップラインは薄く綺麗です。
思わず笑みを浮かべ、目を細めて見てしまいました。
間違いなく、いいイメージが頭の中を駆け巡るだろう・・・。と思いました。
早く打ちたい衝動と、こうしていいイメージをどんどん膨らませていきたい衝動がぶつかり合っていました。
リーディングエッジは削られていてソール全体が、かなり丸みを帯びていました。
ここが、これまでと大きく違うように見えました。
先日試打したAP3もそうですが、今年のモデルは、この削りが大きな改良点なのではないでしょうか?
フェース面にミーリングはありませんでした。
ごく普通の見慣れたフェース面です。
装着されているグリップは、よく見られるタイプです。
ソフトさと、適度な滑りにくさのあるグリップです。
素振りをしてみると、いい感じでした。
暴れることなく、タイミングもとりやすいです。
マッスルバックのようなシビアなクラブは、軽すぎたり動き過ぎたりするシャフトは難易度が上がってしまいますが、このシャフトはそういったことを感じませんでした。
ボールを前にして構えてみると、かなり小顔に見えました。
ソールの狭さ同様、今のアイアンの中でも最も小顔なアイアンといって間違いありません。
前のモデルの小顔を思い出しました。
この小顔は、人によってかなり好みが分かれるところだと思います。
小さすぎて不安に感じる方もいらっしゃると思いますし、逆に扱いやすそうだと好感を持たれる方もいらっしゃると思います。
私は後者のほうです。
今ではなかなか見られない小ささですが、昔からたくさん経験しているので、不安は全く感じません。
これは『慣れ』の部分も大きいのだと思います。
大きすぎたり厚ぼったい感じのアイアンはイメージが出にくくて難しく感じることもあるのですが、このアイアンはイメージが鮮明に浮かんできて易しそうだと思いました。
小ささだけでなく、顔の良さも抜群でした。
洗煉された『タイトリスト顔』といっていいと思います。
昔から見慣れた顔ではありますが、やはりいいな・・・。と思いました。
海外メーカーのアイアンの中で、私はタイトリストの顔が一番好きです。
グースタイプでつかまるイメージが欲しいという方は、難しく感じられるかもしれません。
左が嫌で、逃がすイメージが欲しいという方は、とても構えやすいのではないでしょうか?
今のアイアンはセミグースが全盛ですが、このストレート顔に魅力を感じました。
グースが利いているほうがつかまりやすそう・・・。と思われる方も多いと思いますが、この小顔もつかまりやすく感じさせてくれます。
フェースターンの速さでつかまえていけそうです。
大顔タイプだと、フェースが戻りきらずに当たってしまいそうな感じがしますが、このように小顔だとタイミングよくつかまえていけそうに感じます。
スイートエリアが確かに広くはないかもしれませんが、こういったタイミングよくつかまえていけるところが『小顔の易しさ』といえるのではないでしょうか?
球筋もイメージしやすいのがいいです。
この、あまりの構えやすさに、しばらく見とれてしまいました。
2年ぶりのニューモデルだけど、やはりタイトリストのアイアンはいいな・・・。この顔の良さをこれからも変えないで欲しいな・・・。と思いました。
試打を開始しました。
『打感』は予想通り、とても素晴らしいです。
軟鉄であるということと、マッスルバックということで、いい要素が重なっています。
適度な柔らかさと厚みがあって、球の乗っかり感がとてもいいです。
すごく伝わってくるものがあります。
一球打つ度に、この心地良い打感に笑みがこぼれっぱなしでした。
最近は弾く感じのアイアンも多いですが、私はやはりこういった打感が好きです。
球の乗りがとても良いので、この『ほんの一瞬』で全てが決まってしまうように思えました。
『球のあがりやすさ』という点では、最近では珍しい『ナチュラル系』といいますか、色々な工夫は感じませんでした。
自然な感じがしました。
昔のアイアンのようなあがりやすさです。
色々な工夫がされているのではなく、本来の7番アイアンのロフトであげる自然系です。
ロフトを立てる代わりに、色々なパーツを組み合わせて・・・。といった工夫をするのではなく、必要最低限の物だけで勝負している感じがします。
明らかに使い手を限定しているアイアンといえるように思います。
ある程度HSが無いと、球は浮いてくれないかもしれません。
イージー系のアイアンではありません。
『安定性』は、かなりシビアな感じがしました。
ミスには敏感に反応するアイアンです。
寛容さは殆ど持ち合わせていません。
『飛距離性能』という点では、今のアイアンの中では最も飛ばないほうだと思います。
アイアンに飛距離性能を求めておられる方には、あまり魅力的ではないかもしれません。
逆に、本来の7番アイアンの距離を確実に刻んでいけるアイアンだということもできます。
出球の高さも自然で充分な高さを出していけるので、グリーンを上から攻めていける感じがします。
ディスタンス系だと、どうしても手前から転がして乗せるイメージが出やすいのですが、このアイアンはしっかりと上から落としていけそうです。
縦の距離が合いやすいです。
最近はディスタンス系のアイアンを試打することが多く、こんなに飛んでしまってもいいのかな?7番にはどうしても思えないな・・・。と思ってしまうのですが、この昔の感覚で運んでいけるところに魅力を感じました。
距離感のタイムスリップといえるでしょうか?
最新アイアンではありますが、昔にタイムスリップしたような感覚でした。
それくらい、今の多くのアイアンは飛びに長けているので、このアイアンが珍しく、そして懐かしく思えてきました。
『操作性』が高いのはいうまでもありません。
これが、マッスルバックの最大の特長といっていいのではないでしょうか?
球を操作しやすいです。
今は左右に大きく曲げづらいアイアンが多くなりましたが、このアイアンは全く逆のタイプです。
左右にも大きく曲げることができました。
とても反応がいいです。
つかまり過ぎず、右に逃がしていきやすいので、フッカーの私はとても安心できます。
『芯が小さいからこその扱いやすさ』といったらいいでしょうか?
微妙なニュアンスを伝えやすい、伝わってきやすいアイアンです。
マッスルバックなので当然といえば当然なのかもしれませんが、いわゆる『易しさ』とは縁遠いアイアンです。
しかし、マッスルバックを使い慣れていけば、いい意味での『ごまかし方』といいますか『対処の仕方』も身につくと思います。
いつも真芯で捉えることは難しく、芯を外して打ってしまうことも珍しくないですが、それでもあまり曲げないような打ち方ができるように思います。
常に100%のショットではなく、70%のショットでどうまとめていくか・・・。ということが、こういう正直なタイプのクラブを使い続けていると身につくように思います。
もちろん練習を積んで芯でとらえる技術もあげていけるのですが、ミスはつきものですし、そのミスに気づきやすいのもマッスルバックのようなアイアンの長所だと思います。
易しすぎて、ミスしているのにそれを気づかせないアイアンよりは、私はこういうアイアンのほうが好きですし、調子が悪い時期も短くて済みます。
常に細かいチェックができるからだと思います。
易しさ重視のアイアンでは、こういったことがなかなか難しいような気もします。
長所は短所であり、その逆もまた然りなのだと思います。
最新モデルですが、正直目新しさは感じませんでした。
しかし、今のアイアンの中では珍しい『孤高』といいますか、希有な存在だと思いました。
それがまた魅力でもあります。
新しさではなく、懐かしさを感じながら試打していました。
必要最低限の物しか搭載されていないように感じました。
今は難しそうに見えても見えないところに色々な工夫がされていて易しさを感じることもありますが、このアイアンはそういったことを感じませんでした。
ただ、ソールの削りが目立っていて、抜けの良さが大きく進歩しているように感じました。
ここの部分だけが、今のアイアンの特徴をもっているな・・・。と思いました。
それ以外は易しさに傾倒していない、硬派な感じのアイアンです。
易しさはあまり無いかもしれませんが、こういったクラブを使っているからこそ、色々なことも感じ取れるようになってくるのではないでしょうか?
一球一球打ってみて、今のはどうだったとか、こちらから伝えることと、クラブからの返事も返ってきやすいように感じました。
今はドライバーに限らず、パターまで全てのクラブで『易しさ』が求められている時代なのだと思います。
特にパターは形が大きく変化していて、昔の人は信じられないのではないでしょうか?
このアイアンはハイテクというよりはベーシックタイプです。
昔ながらのいい顔をしています。
しかし、今の大多数のニーズには合っていないかもしれません。
それほど高い支持は得られないかもしれません。
それを知りながら、メーカーも製作しているのではないでしょうか?
タイトリストファン。そしてマッスルバック愛用者の為に、発表してくれているのだと思います。
先日試打したヤマハのツアーモデルアイアンよりも、このアイアンのほうがはるかに難易度は高いと思います。
海外メーカーのタイトリストと、国内メーカーのヤマハのアイアンは似ているところがあるな・・・。と思うこともあるのですが、今年のモデルには大きな違いがあるように見えました。
いわゆる『易しさ』とは縁遠いところがあるかもしれませんが、このアイアンの持つ顔の良さ・打感の良さ・操作性の高さを多くの方に体感していただきたいと思いました。
マッスルバックとまではいかなくても、『軟鉄ファン』の方が多くなればいいな・・・。と思いました。
タイトリスト 718 MB アイアン
- 2017年10月11日
- タイトリスト
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