今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは タイトリスト 620 CB アイアン の7番 です。
シャフトは AMT TOUR WHITE です。
ロフトは34度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、バランスはD2、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は433gです。
タイトリストの、新しいキャビティアイアンです。
この美しいデザインに見とれてしまいました。
以前試打した718CBの後継モデルであることは想像に難くないのですが、デザインが一新されました。
これまではシンプルということもあり、何となくマンネリ感もありましたが、この最新モデルはカッコいいです。
今のアイアンの多くは、センターよりもトゥ寄りに色々なものが見られることもありますが、このアイアンは少しヒール寄りに寄っているのがいいです。
小振りアイアンらしいところといえるでしょうか?
オーソドックスなタイプで、大きさも標準的です。
タイトリストアイアンらしい、軟鉄のいい雰囲気が私の脳を刺激してきます。
試打する前の楽しい時間でもあります。
彫りは浅く、これまで通りのハーフキャビティといっていいように思います。
どの角度から見ても美しいアイアンは、いい目の保養になります。
タイトリストらしいデザインで、私の目尻は下がりっぱなしです。
最近は『ドライ』な感じで試打することもありますが、今日はそうはいかず、テンションも上がりっぱなしような気がしました。
トップラインも標準的です。
これまでのモデルと変わらないように思います。
ソール幅の広さも標準的です。
『絶妙』な幅だな・・・。と思いました。
これ以上広いと、色々なミスを誘発してしまいそうですし、狭くなるとハードルの高さを感じさせるかもしれません。
今はソールにタングステンなどの異材が組み込まれていることも多くなりましたが、こうして見る限り、異材のようなものは見られません。
『ワンピースタイプ』のアイアンなのかもしれません。
ネックの長さも標準的です。
昔のアイアンを経験している者としては、やや短く見えるところもあるのですが、これくらいが今の標準といっていいように思います。
ストレートタイプで、いい感じです。
最近は『頭でっかち』なタイプが多くなってきたので、このようなノーマルなタイプを見ると、何故かホッとします。
まだまだ需要があるんだな・・・。と思えてきます。
ホーゼルには『620 FORGED』と刻印されています。
620とは、どういう意味があるのでしょうか?
前のモデルが『718』だったので、次のモデルは『720』になるだろうと予想していたのですが、違いました。
おそらく、何らかの意味があるとは思うのですが、性能的に意味が無いと思うので、気にしないことにしました。
フェース面にミーリングはありません。
これまで通り、ノーマルなフェース面です。
今までのタイトリストのアイアンに触れてきているからなのかもしれませんが、見るからに柔らかそうな感じが伝わってきます。
フォージドアイアン好きにとって、たまらないフェース面です。
装着されているグリップはシンプルなタイプです。
特にこれといった特徴は無いですが、ソフトなフィーリングで好感が持てます。
今、最も多くのニューモデルに採用されているグリップといっていいのではないでしょうか?
いい意味で、『無難』なグリップです。
素振りをしてみても、適度な重量感としっかり感があって、タイミングが取りやすいです。
『振り心地』が合わないアイアンだと、こちらからクラブに合わせにいかなくてはならないときもあるのですが、今日はそれが不要でした。
余計なことを考えず、スイングに集中できました。
ボールを前にして構えてみると、予想通りの美顔で、思わずウォーと小さな声で唸ってしまいました。
隣の打席には人が練習しておられたので邪魔にならないよう、なるべく大人しくしていたのですが、気持ちはずっと高ぶっていました。
ボールとの絶妙な対比感。
トップラインの美しさ。
スコアラインの適正な数。
逃がすイメージが出しやすい。
様々なプラス要素が凝縮していました。
少しだけグースが利いているように見えましたが、気にならない程度でした。
グースネックを好まれる方の中には、もっとグースが利いて欲しいという方がいらっしゃるかもしれません。
しばらく見とれてしまって、何といいますか、『ほんわか』した温かい空間の中にいるようでした。
この美顔は他社と比べても、群を抜いています。
タイトリスト以外にも、優れた海外メーカーがたくさんありますが、これほどの美顔と独特な雰囲気は、他のメーカーでは見られません。
カスタムモデルでなく、量販モデルでありながら、チープさは全くありません。
目尻はずっと下がりっぱなしですが、対照的にテンションがぐんぐんうなぎ登りです。
今から、このアイアンで球を打てるのかと思うだけで、すごく贅沢に感じられます。
試打を開始しました。
『打感』は、かなりソフトで抜群のフィーリングでした。
これまでのモデルを試打しているので、このグッドフィーリングは予想できたのですが、それでもやはりいいな・・・。と思いました。
ボールとの『密着感』といったらいいでしょうか?
ゴルフクラブにおいて、ボールとの唯一の接点はフェース面ですが、このようなアイアンの場合、それがフェース面だけでなく、ヘッド全体でボールと接しているようにさえ感じられます。
『溶け込むほどの密着感・接触感』といっていいのかもしれません。
このように感じられるのは、ベーシックタイプの特権といえるような気もします。
ディスタンスタイプの弾き系アイアンでは得られない、極上のフィーリングです。
一球打つ度に、極上のフィーリングを楽しめるので、一球毎の単価も上がっているような気さえしてきます。
球のあがりやすさも自然な感じで、『ロフト通り』です。
いわゆる『ハイテクなあがりやすさ』があるわけではないですし、あがりやすくなるような工夫も見られません。
今はイージー系のアイアンが多いので、そういった意味では、ややハードルが高いと言わざるを得ないのかもしれませんが、こういったナチュラルな物を求めておられる方は、今でもたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
本来の7番アイアンらしい出球の高さで、しっかりと浮いてくれるので、グリーンを上から攻めていくイメージが出せます。
『安定性』という点では、ハーフキャビティらしい正直さがあって、それほど寛容とはいえないかもしれません。
ニューモデルではありますが、『易しさ』において、それほど追求されていないと思います。
『易しい』ことも性能のひとつですが、『易しすぎない』ということも性能のひとつです。
寛容さを求めておられる方には親しみづらいところがあるかもしれませんが、はっきりした性格のアイアンを求めておられる方には、とても魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?
スイートエリアは、それほど広いとは思いませんでした。
『飛距離性能』も標準的で、それほど秀でている感じはしません。
今はやりの『ディスタンス系』ではなく、『ベーシック系』です。
易しく飛ばすタイプのアイアンではなく、しっかり打って、自分の意図するところに着地させる為のアイアンといった感じがします。
ディスタンス系で距離感を出していける方はそのままでいいと思いますが、ディスタンス系は確かに飛ぶけれど、どうしても縦の距離感が曖昧になってしまう・・・。という方はたくさんいらっしゃると思います。
そういった方に、是非試していただきたいです。
『操作性』は、かなり高くクセが無いので、左右に大きく曲げることができました。
シビアな場面で力を発揮してくれるといいますか、長く使っていけるタイプのアイアンです。
直線ではなく、自分の持ち球である曲線で勝負していけるところが魅力的です。
アイアンに対して求めるものは人によって様々だと思いますが、易しすぎないアイアンを求めておられる方。
扱いやすくて打感のいいアイアンを求めておられる方には、かなり魅力的なのではないでしょうか?
『純度が高い』といいますか、必要最小限のものしか無いので、プレイヤーの感性や技術を、そのままショットに反映していけそうです。
『操ることの楽しさ』を味わうことができるアイアンです。
いわゆる『易しさ(あがりやすさ・寛容さ)』という点では、それほど秀でている感じはしないので、そういったものを求めておられる方には、以前試打したT200やT300のほうが合いやすいように思います。
カッコ良くて打感も良く、操作性の高い、ハイレベルなアイアンです。
タイトリスト 620 CB アイアン
- 2019年10月9日
- タイトリスト
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