今日はこのゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは コンセプト SYB PIARM II ユーティリティ です。
シャフトは ATTAS HY85 です。
ロフトは17度、シャフトフレックスはS、シャフト重量は88g、トルクは2.2、キックポイントは中先調子、クラブ総重量は364gです。
このクラブを一目見て、どこのメーカーのクラブだろう?と思いました。
この部分はユーティリティやアイアンでいうところの『ファーストインプレッションの顔』ともいえるべきところで、普通はメーカー名やクラブ名が記されているところです。
デザインが凝っていることも多く、そのクラブの印象を決めるところだと思います。
家でいうと、玄関みたいな感じでしょうか?
しかし、このクラブには何も記載されていないので、すごく珍しいと思いました。
何となくですが、ウルトラマンを思い出しました。
ソール面には『PIARM II』と記されていますが、初めて手にするメーカーのクラブなのかな?と思っていました。
普通、この部分には何も記されていないことが多いので、普通のクラブと逆なデザインになっているのだと思いました。
とても個性的で珍しいと思いました。
しかし、ソール部分は使っていると、どうしても傷がつきやすいところなので、やはりこれまで通りのオーソドックスなデザインのほうがいいのかな?と思いました。
そしてネック部分を見て、初めて『SYB』のクラブだということが解りました。
SYBのクラブは久しぶりですが、『高品質』と『使いやすさ』の2つのイメージがあるので、このクラブもすごくいい印象を持ちました。
最近は大手有名メーカーの『ブランドイメージ』が違う方向へ行ってしまっているのではないか?と思えるようなクラブに出会うことも少なくありませんが、やはりブランドイメージというのはとても大切だと思います。
試打した、そのクラブにはいい印象を持っていても、そのクラブのブランド自体にあまり魅力を感じなくなったせいか、昔ほど購買意欲を刺激されないことも多いです。
対人関係を心理的に見て、外見は怖そうだった人が実はすごく優しい人で、それがすごくプラスイメージになったり、逆に優しそうだと思っていた人が実はすごく冷たい人でマイナスに感じてしまったり・・・。といった感じと近いのかな・・・?などと考えていました。
SYBのクラブを手にする機会は少ないですし、まだ購入したことはありませんが、とてもいい印象が残っています。
この角度から見ても、ソール部分に何やら異材のような物が組み込まれているように見えます。
かなり低重心化が図られているのでしょうか?
『ソール幅』はユーティリティとしては、ごく標準的な感じだと思いました。
その形状から、このユーティリティは『アイアン型』といっていいのだと思いますが、アイアン型であれば、これくらいまでの幅が限界のような気がします。
ネックも、かなり短めな感じで、昔からロングアイアンをたくさん練習してきた者とすれば、かなり球があがりやすそうな印象を受けます。
『上から潰す』というよりも、『横からはらう・滑らせる』という発想に転換していけます。
素振りをしてみても、思っていたよりも重く感じず、タフな印象はありませんでした。
これくらいならば、スチールシャフトでもいいのではないかな?と思い、違うスペックを探してみたのですが、このクラブ一本しか見当たらなかったので、このまま試打をすることにしました。
ボールを前にして構えてみると、なかなかいい感じでした。
私はこういったクラブで、いわゆるバックフェースのところが見えないクラブが好きなのですが、アイアン型ユーティリティでは、なかなか見かけることができません。
このクラブもはっきりと目にすることができました。
強い違和感などは感じないのですが、できればアイアン感覚で狙っていきたいので、どうしても、ここの部分にこだわってしまいます。
『トップライン』が厚いのは、少々目をつぶれますが、やはりバックフェースが見えてしまうと『アイアン感覚』でイメージしづらくなります。
フェアウェイも広くて、ハザードも無く、グリーンも大きくてアンジュレーションもきつくない場合には、ある程度『アバウト』に運んでいく・・・。ということもできますし、そういった場合には『フェアウェイウッド』や『中間型ユーティリティ』でもいいのですが、せっかくアイアン型なのだから、少し残念に思いました。
しかし、これだけ膨らんでいるからこそ、重心深度が深くなったりして、ボールが浮きやすくなっているのだと思いますし、仕方ないところなのかもしれません。
ヘッドは大きすぎないですし、グースもきつくないので、ラインは出しやすそうだな・・・。と思いました。
試打を開始しました。
『打感』は、まずまずです。
ある程度予想していた通りのフィーリングでした。
見た目とてもシンプルで美しいユーティリティではありますが、アイアンのような打感を期待するのは酷なのかな?と思いました。
『中空感覚』の打感でした。
しかし、こういった打感はこれまでも経験していますし、大きな不満は感じませんでした。
こういった打感で、軟鉄鍛造アイアンのように、ある程度の『方向性』や『高さのイメージ』が出していけるようになると、とても心強くなるだろうな・・・。と思いました。
しかし、今の私ではまだまだ練習不足だと思いました。
『球のあがりやすさ』という点では、かなり優れていると思いました。
これまで出会ってきた『アイアン型ユーティリティ』の中でも、かなり優れているのではないかな?と思いました。
少々『うすめ』に当たっても、上手くボールを拾い上げてくれている感じがしました。
ソール幅の狭いアイアンと違い、このようなワイドソールで低重心なタイプのクラブは、多少ダフリ気味に打っていったほうがショットの成功率がアップするように思うのですが、このクラブもそんなフィーリングで打てる、易しさが秀でたユーティリティだと思いました。
形状的にはアイアンに違いですが、フェアウェイウッドに近い『球の浮きやすさ』だと思いました。
ロフトが『17度』ということなので、それほど弾道が高くなり過ぎることはなかったのですが、そこがまたいい・・・。と私は思いました。
このクラブは他には『20度』や『23度』がラインアップされているそうなのですが、私はこの『17度』に好感を持ちました。
『安定性』という点でも、とても高いと思いました。
見た目から易しそうな雰囲気がどんどん伝わってきてはいたのですが、その印象通りの『敷居の低いクラブ』だと思いました。
ラインも出しやすかったですし、普通に打っている限りでは、なかなかブレる感じはしませんでした。
少々のミスにも寛容で、親しみやすいユーティリティだと思いました。
『飛距離性能』という点では、まずまずだと思いました。
正直、それほど『バカッ飛び』するクラブではないですが、ある程度『予想の範疇』で抑えていけるところに好感を持ちました。
ロフトが『17度』のアイアンとなると、私の感覚では『ドライビングアイアン(1番アイアン)』ということになるのですが、昔、あれほど苦戦しながら打っていたアイアンは、今はこれほど易しく打てるようになったのかと思うと、技術の進歩に感謝したくなります。
飛ばそうとしなくても、気持ちよく振り抜いていくだけで、自然といいところまで運んで行ってくれるので、すごく楽だな・・・。と思いました。
かなり『易しい』と感じました。
そしてその『易しさ』が『確実性』へとつながっているように感じられました。
『操作性』という点では、まずまず・・・。だと思いました。
これだけロフトが立っていて、しかも長さも長いクラブなので、あまり極端なことをし過ぎると却ってデメリットが出てしまうこともありますが、練習場ではいつも思い切ったことをして楽しむことができるので、今日も色々と楽しむことができました。
どちらかというと『安定感』のほうが強く感じられたのですが、とりあえず左右に曲げてみることにもトライしました。
同じ番手であっても、ロングアイアンのような操作性はありませんが、それを大きく上回る『球のあがりやすさ』『安定性』があるので、そこがこういったクラブの大きな長所といっていいのではないでしょうか?
一般的にクラブは番手が大きくなるほど『安定性』が求められ、小さくなるほど『操作性』が求められていく傾向があると思うのですが、このクラブで球を打っていると、そういったことをすごく感じます。
ユーティリティクラブには、『アイアン型』『ウッド型』と、その間の『中間型』の3つがあると思うのですが、中間型にはいいクラブが多いと思うのですが、アイアン型にはまだまだ足りない部分があるような気がします。
それは『構えやすさ』であったり、『打感』であったりもします。
結構タフなクラブも少なくありません。
なので使える方がある程度限られているような気がします。
しかし、このクラブは最初から最後まですごく打ちやすい・・・。と思いました。
見た目はとてもシンプルで余計な物が付属されていないスマートなクラブですが、『打ちやすさ』という点では『☆(ほし)三つ』だと思いました。
今日はこのクラブを30球ほど試打してみたのですが、ずっといい雰囲気のまま試打を終えることができました。
アイアン型ユーティリティを使ってみたいけど、難しそう・・・。と敬遠しておられる方は、ぜひ試してみられてはいかがでしょうか?
ボールがあがりやすくて、あまりシビアさも感じないので、すごく打ちやすい・・・。と感じられる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
私は未だにロングアイアン(3番)をキャディバッグに入れることが多いです。
ラウンドするコースによって、セッティングは当然変えていくのですが、いつも回り慣れているホームコースでは、ユーティリティよりもロングアイアンを使いたくなるホールが多いです。
勿論、ユーティリティやフェアウェイウッドも何本か所有していますが、やはり『狙う』ということになると、どうしても『アイアン形状』でないと、コースでも安心して振っていくことができません。
ミスをしても、いわゆる『保険』を掛けていけるのは、私の場合、アイアン型にどうしてもなってしまいます。
勿論、フェアウェイウッドなどでもいい結果が得られたことはあるのですが、私の心の中では『結果オーライ』という感じが拭えず、『イメージの出しやすさ』からくる安心感や『保険の掛けやすさ』からロングアイアンに頼ってしまいます。
そういったことをいつも感じているので、同じユーティリティクラブでも『アイアン型』には、特に興味を持って試打しています。
このクラブは全体的にバランスよく優れていると思いましたし、見た目以上に敷居の低い親しみやすさが感じられました。
いつかは『軟鉄アイアン』のようなフィーリングのユーティリティが出てきて欲しいと思っていますし、もしそれが実現したら、『即買い』だと思いました。
このクラブも、もし機会があればコースで試してみたい・・・。と思いましたし、魅力的なクラブです。
久しぶりのSYBでしたが、いい印象のまま練習場を後にすることができました。
コンセプト SYB PIARM II ユーティリティ
- 2011年8月5日
- コンセプト(SYB)