今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ MAVRIK ドライバー です。
シャフトは Diamana 50 for Callaway です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は46g、トルクは6.0、バランスはD3、キックポイントは中調子、クラブ総重量は299g です。
キャロウェイの新しいドライバーです。
先日アイアンを試打しましたが、今日はドライバーを手にすることができました。
キャロウェイは『ハイテクノロジー』のイメージが強いので、今度はどんな技術が取り入れられているのか、興味があります。
ラージサイズでソール全体が丸みを帯びているのが特徴的です。
大きさを除けば、FWを見ているようです。
ラージサイズでソールが平らなものが多いように思うのですが、キャロウェイがこういうクラブを発表しているというだけで、それなりの理由があるのだと思えてきます。
こうしてソールを見ていても、かなり工夫がされているようです。
調整機能やウェイト移動システムなど、キャロウェイのドライバーはたくさんのパーツが組み合わさって複雑な印象もありますが、このドライバーは比較的シンプルです。
シンプルだからこその、高い性能があるように思います。
ここの部分を見て、何となくですが、このドライバーは凄そうだ・・。と『肌感覚で』感じました。
鬼太郎のように、私の中のアンテナがピンと立ったような感覚です。
ソールには大きなウェイトがひとつだけ配置されています。
この位置にあるということは、重心の深さと球のつかまりやすさを求めているということになるのでしょうか?
刻印が無かったので、重さは分かりません。
ウェイトを交換するタイプではないのかもしれません。
ソールのフェース寄りには『JAIL BREAK TECHNOLOGY』の文字がありました。
ここの部分には、テーラーメイドが火付け役となって、溝のあるクラブが多い中、キャロウェイは別の技術で対抗しているようです。
『二本の柱』が中にあるそうで、それが大きな威力を発揮しているのだと前のモデルを試打した後に教えてもらいました。
ネックの長さは適度にあります。
キャロウェイはスルーボアやショートネックの印象が強いですが、最近は必ずしもそうではないようです。
こうして見ていても、それほど『低重心さ』は感じません。
ネックには調整システムが搭載されています。
試打するのは、このNとSのポジションです。
このフェース面のデザインは、これまでも見てきました。
過去のモデルを経験しているというのもありますが、弾きが良さそうです。
トゥ側には『FLASH FACE SS20』という文字がありました。
過去のモデルでは、『FLASH FACE』だけだったので、新たな技術が組み込まれているということなのでしょうか?
それとも材質が変わったのでしょうか?
この形状がちょっと意外でした。
これまで通り、シャローバックを予想していたのですが違う形状です。
これまではお尻(バックフェース側)が垂れ下がったものが多いのですが、このドライバーは違いました。
ディープバックまたはハイバックというほどではないですが、適度な高さがあります。
『ノーマルバック』あるいは『セミディープ』という表現が合っているかもしれません。
これも、おそらく大きな意味があるのではないでしょうか?
こういう形状だと、ボールをフェースの中心とバックフェースの中心で水平に打ち抜くイメージが出しやすいです。
シャローバックのクラブはインパクトのときにフェース面が上を向いてしまいそうに感じることが多いのですが、このドライバーはそのまま地面と平行に動いてくれそうなイメージをもてます。
私は高すぎる弾道よりも、ライナー系のやや低めの弾道を好むので、このような形状は大歓迎です。
顔も、いい意味で意外でした。
強烈なクセがあって、違和感しか浮かばない顔を予想していました。
キャロウェイは過去にそういうモデルを発表していたからです。
『美顔』というほどではありませんが、特に不満はありません。
バックフェースが少し膨らんでいるのが目立ちますが、たくさん試打してきたので、もう慣れました。
シャローバックタイプではないですが、こうして顔を見ているだけでは、シャロー感があります。
『逃がし顔』ではなく、やや『つかまえ顔』です。
装着されているグリップはソフトなフィーリングで、すごくいいです。
先日試打したアイアンにも、同じタイプが装着されていました。
今年のキャロウェイは、このグリップで統一されているのでしょうか?
ソフトなフィーリングと、手にしっとりと馴染む感覚がたまりません。
硬いタイプのグリップだと、インパクトのときにギュッと握ることができず、力が逃げてしまいそうになるのですが、このようなソフトなフィーリングのグリップだと、一瞬ギュッと握ることができて、それが飛距離につながるように思います。
硬いグリップは『マイナスな力』が作用し、適度にソフトでしっとり感のあるグリップは『プラスの力』が作用するように感じます。
力が逃げずに、凝縮されるような感覚です。
ヘッドには『分散型』と『凝縮型』があると以前書きましたが、同じことがグリップにもいえます。
このグリップは明らかに凝縮型です。
ただ、これはあくまでも私の感覚や経験によるものなので、硬いグリップのほうがいいという方もたくさんいらっしゃると思います。
素振りをしてみると、シャフトがかなり動くタイプで、ちょっと物足りない感じがしました。
大丈夫かな・・・。暴れないかな・・・。と思いましたが、どうやら、このシャフトが『純正』のようです。
違うシャフトが挿してあるモデルを探したのですが、このドライバーしか無かったので、このまま試打することにしました。
フレックスはSですが、かなり軟らかくて動くタイプです。
こういうシャフトは、こちらが指示を出しすぎないようにして、まずはシャフトのクセを感じながら任せていくのがちょうどいいように、これまでの経験から思えてきます。
昔、スリクソンのZR-30というドライバーに『青マナ』を挿して使っていたことがあり、ディアマナはしっかりしているイメージが強いのですが、同じディアマナでも、色々なタイプがあるのだと改めて思いました。
ボールを前にして構えた感じは、まずまずです。
見慣れた『キャロウェイ顔』で、特にテンションが上がることもなく、不満もありません。
淡々と見つめていました。
それほど大きく曲がるイメージは出なかったのですが、フェースがちょっと左を向いているように見えたので、ドロー系のイメージが出ました。
これ以上『つかまえ度合い』が強くなり過ぎてしまうと、右を向いて構えたくなりますが、このドライバーはそこまで極端ではないので、まずは普通に構えて打つことにしました。
試打を開始しました
『打感』はソフトというよりは、ややしっかりめです。
中身がギュッと詰まったというよりは、ややスカスカした感じの打感ですが、特に不満はありません。
こういうもんだ・・・。と納得しながら打ち続けました。
フィーリングが犠牲になっているというほどではありませんが、フィーリングという目に見えない感覚的なことよりも、数値に表しやすいテクノロジーが優先されているのは間違いありません
『X HOT』というクラブが大ヒットしましたが、キャロウェイは『ホット』というよりは『クール』といいますか『ドライ』な印象があります。
全てにおいて、『合理的』といったほうがいいのかもしれません。
音は、はっきりしていますが、高すぎず大きすぎず、インパクトを邪魔しません。
気持ちよく振り抜くことができました。
『球のあがりやすさ』という点では、ややタフな印象をもちました。
ロフト(表示ロフト)が9度ということもあると思いますが(リアルはもっと寝ているのは明らか)、打ち出してからグーンとあがっていくタイプではなく、最初の打ち出しをそのまま維持していく感じ・・・。といったらいいでしょうか?
ライナー系の弾道が出やすいドライバーです。
シャフトも軟らかく、軽量感タイプのドライバーですが、意外とタフなタイプです。
ライナー系ではありますが、『低スピン性能』が強すぎて、ドロップするということはありませんでした。
叩いていけば、少し吹き上がりました。
高~い弾道というよりは、ライナー系に近く、緩やかに伸びていく感じです。
ヘッドの形状などから、打つ前はスインガー向けなのかと思いましたが、明らかにヒッター向けのドライバーだという印象をもちました。
『安定性』は高く、ラインを出しやすいです。
構えたときにつかまりそうに見えたので、ちょっと左へのミスを警戒しなければいけないかな・・・。という思いがありながら、そのまま打ったのですが、イメージよりもつかまりが抑えられていて、逃がすことができたので、フッカーの私は少し楽に感じました。
このようなつかまり過ぎないクラブは左を大きく使っていけるので、コースマネージメントが楽になります。
オートマ系の顔をしているな・・・。と思いましたが、実際に打ってみても、その通りでした。
大らかさというよりは『自動感』といったらいいでしょうか?
自動的に真っ直ぐに近い球筋を描かせてくれるように感じました。
直進性が高く、スイートエリアも広いですが、決して曲がらないドライバーではなく、スライスを撲滅してくれるドライバーでもありません。
フェースの弾きが良くて、飛距離性能も優れています。
優れていますが、いわゆる『尖った飛び』ではなく、親しみやすい感じがします。
性格の丸い、マイルドな飛び性能を感じました。
試打クラブはロフトが9度ということもあり、合いづらいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
好みが分かれるところだと思いますが、効率が良くて無駄が無い印象をもちました。
違うロフトでも是非試してみたいですし、かなり印象が変わってくるような気がします。
『操作性』という点では、オートマ性が勝ってしまい、あまり細工をするタイプではないと感じました。
私がフッカーだということもあり、ドロー系のほうが自然に感じられましたが、右へ逃がすこともできました。
顔のイメージと球筋のイメージが合わないドライバーです。
私にはつかまえ顔に見えたのですが、こうすることでちょうどいい感じの『球筋におけるニュートラル感』が出せるのかもしれません。
スライサーの方は、ひょっとしたら球がつかまりきらず右へ抜けるということもあるかもしれません。
しかし、このドライバーの凄いところは、そこから大きく軌道がズレるのではなく、『耐えてくれる』といいますか、『最小限の曲がり』で抑えてくれることです。
球はつかまり過ぎないですし、右へも逃がせますが、どのように打っても、大きなミスにはなりにくい印象をもちました。
このドライバーはそこが最大の長所といえるのではないでしょうか?
試打後の感想
あまり細工をせずに、全てクラブに任せる感じで打っていくのがベストだと思いました。
こういったところは、今のクラブの特徴といえるのかもしれません。
今もつかまりのいいドライバーはありますが、一時期に比べ、つかまり過ぎないドライバーが増えてきたので、フッカーである私は親近感をもてるクラブが多くなりました。
つかまりがいいと、確かに飛距離においてプラスに働くこともありますが、引っかけて左に巻いてしまうのを恐れて振り切れずに、飛距離においてマイナスになってしまうこともあります。
しかし最近のドライバーは、こういったところも少しずつ修正されているようです。
飛ばせるドライバーというのは『気持ちよく振らせてくれる』ということが絶対条件になってきます。
方向性を気にしてスイングにブレーキが掛かってしまったら、クラブのもつポテンシャルはもちろん、ゴルファー自身の力も発揮できません。
ライナー系の弾道が出やすいですが、それほど低スピンだとは思わなかったので、『ドロップ』を心配しなくていいような気がします。
ただ先ほども書きましたが、ヒッター向けなのは明らかなので、合わないと感じる方は少なからずいらっしゃると思います。
テーラーメイドのSLDRが火付け役となって、低スピン系のドライバーが多くなった時期がありましたが、メーカーもようやく『程よい重心の深さ』を把握できたのではないでしょうか?
特に私たち日本人ゴルファーの多くは『浅重心タイプ』よりも『深重心タイプ』のほうが合いやすいと思います。
実際に打ち比べてみたわけではないので、はっきりとはいえませんが、前のモデルのエピックよりも飛距離性能が伸びたとは思いませんでした。
同じ練習場で試打しているので、過去の記憶をたどりながら(目印の柱を見ながら)、頭の中で弾道を重ね合わせていたのですが、『強烈さ』といいますか『エグさ』でいえば、エピックのほうだと思います。
それに対し、このマーベリックは『マイルドな飛び』という印象をもちました。
『まとめやすさ』という点でいえば、このマーベリックのほうが秀でているかもしれません。
キャロウェイの高い技術が注ぎ込まれたハイレベルなドライバーです。
一番強く印象に残ったのは『安定性の高さ』です。
他の部分も高いレベルを維持していましたが、安定性が優れていて、『小さな曲がり』で抑えられているのが凄いなと思いました。
昔なら打った後に、「あっ、しまったミスヒットした。これは大きく曲がってしまうぞ・・・。」と思い、実際にそのようになってしまうことが多かったのですが、最近のドライバーは直進性が高まりすぎて、そのような感覚が出なくなりました。
自分ではミスヒットしているのが分かっているのですが、意外なほど小さな曲がり幅で抑えられていて大きなミスにはならないようになっています。
いい意味での『感覚とのギャップ』のあるドライバーが増えてきました。
このドライバーの違うロフトや違うシャフトでも試してみたいですし、FWやUTも試してみたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。