ゴルフクラブ試打日記。          

アイアン・オブ・ザ・イヤー 2011

今日は、2011年のアイアン・オブ・ザ・イヤーを発表させていただきたいと思います。
昨年も例年通り、素晴らしいアイアンがたくさんあり、候補を絞り込むのに苦労しましたが、何とかベストテンを決めてみました。
尚、この順位はあくまでも私の中での順位であり、その順位がアイアンの品質や性能の優劣を示すものではありません。
また、この中に挙げられていないアイアンでも素晴らしいものがたくさんあることを付け加えさせていただきます。
第10位
フォーティーン TC-930 フォージド アイアン
まず、第10位は、『フォーティーン TC-930 フォージド アイアン』です。
このアイアンは年末押し迫って試打したばかりで、今でもよく覚えているのですが、軟鉄鍛造の打感の柔らかさと、難し過ぎない機能性がとても印象深いアイアンです。
フォーティーンは、これまでも素晴らしいアイアンをたくさん発表してきていますし、このアイアンもとても高品質です。
記事にも書きましたが、私はどちらかというと、『TC-910』というアイアンに魅力を感じましたが、このアイアンもすごくいい印象が残っています。
いい意味で、とても『平均的なアイアン』といえるような気がしますし、バランスがよく取れていると思います。
このアイアンの位置づけは『アスリート仕様』ということなのだそうですが、決して敷居は高すぎないですし、幅広い層に受け入れられるような気がします。
このように易しくて、打感のいい軟鉄アイアンを使うことで、ゴルフがより楽しくなるのではないでしょうか?
第9位
オノフ フォージド アイアン
第9位は『オノフ フォージド アイアン』です。
このとてもシンプルで美しいキャビティアイアンは、一度見たらなかなか忘れることはできません。
軟鉄鍛造アイアンがもつ独特の美しさと打感の良さは秀逸です。
実際に球を打ってみても、とても易しいです。
軽量スチールだったのが、残念に思ったことを憶えているのですが、ヘッド自体はとてもいい印象が残っています。
軟鉄鍛造アイアンで、易しいモデルを探しておられる方には、とても魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?
第8位
テーラーメイド TP MB アイアン スモーク
続きまして第8位は、『テーラーメイド TP MB アイアン スモーク』です。
厳密にいうと、このアイアンは一昨年発売されたモデルなのだそうですが、私は昨年の1月に試打することができました。
このアイアンの『顔の良さ』は、今でも忘れることができません。
それに『ロフトの寝具合の良さ』が抜群で、距離感がすごくつかみやすかった印象があります。
最近のアイアンの中でも、かなりロフトが寝ているように思います。
テーラーメイドは革新的なクラブを作るイメージがありますが、一方で、こういったクラシカルで美しい雰囲気のクラブを発表してくるところがまた凄いと思います。
残念ながら、このアイアンを目にすることはもうないのですが、いつか近いうちに、このアイアン目当てで中古ショップを回ってみようかと思っています。
今、こうして、このアイアンのことを考えているだけで、気分が良くなってきます。
第7位
マスダゴルフ マッスルプロトアイアン
第7位は、この『マスダゴルフ マッスルプロトアイアン』です。
最近は少しずつ、マッスルバックアイアンも増えてきてはいますが、何と言ってもこのアイアンの大きな特長は、その『ロングネック』です。
今年、といいますか、ここ数年出会ったアイアンの中でも、ここまでのロングネックはちょっと記憶にありません。
このアイアンを試打した後、これからこのアイアンのようなネックの長いアイアンが登場してくるか?と思っていたのですが、とうとうこれ以上のロングネックのアイアンに出会うことはありませんでした。
それくらい、このアイアンはとても個性的といっていいのだと思います。
今はプロでも低重心のアイアンを使う時代だと思うのですが、こういった高重心のアイアンには、まだまだ活躍して欲しいと思っています。
マスダゴルフのアイアンは、他のメーカーのアイアンと比べると、私はそれほど出会う機会が多くないのですが、とても懐かしく感じたことを憶えています。
私がゴルフを始めた頃に出会ったアイアンにすごく似ているように思います。
このアイアンは今でも出会う機会があるので、何度か試打をして楽しんでいます。
できれば、実戦で使ってみたいと思っているのですが、7番アイアンしか出会えていないので、ひたすら『調整用』として練習場で活躍してくれています。
このアイアンで打ち込みを終えた後は、スイングの余計な部分が削られ、かなりシェイプアップできたような気がします。
手にする度に、何かのお土産をくれるようなアイアンだと思っています。
かなりタフなアイアンであることは間違いないところではありますが、こういった素晴らしいアイアンを求めておられる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
フィーリングが特に優れているところが大きな長所だと思いますし、スイングを作っていくうえでも、大活躍してくれるアイアンだと思います。
第6位
ロイヤルコレクション SFD FORGED アイアン
第6位は『ロイヤルコレクション SFD FORGED アイアン』です。
おそらく、今回ランキング入りしたアイアンの中で、最もイージーなアイアンだと思います。
アンダーカット構造になっているので、私は購入することはないと思いますが、とても素晴らしいアイアンだと思っています。
かなりイージーで敷居が低く、構えやすくて、打感も良かった印象があります。
飛距離性能が優れているところも、今のアイアンらしい感じがしますし、今の多くのゴルファーが求めているものが、かなり反映されているように思います。
結構『ソール幅』も広いですし、この広さに魅力を感じられる方は多いのではないでしょうか?
最近のアイアンは、いい意味で、変なクセのないクラブが多いですが、このアイアンもそういったタイプの筆頭格だと思いました。
第5位
アキラプロダクツ PROTOTYPE アイアン KS-201
第5位は、『アキラプロダクツ PROTOTYPE アイアン KS-201』です。
このアイアンを一目見て、とてもカッコいいなあ・・・。と思ったことをよく覚えています。
プロトタイプということで、一般的にはなかなか出会えないモデルなのだそうで、そこがちょっと残念に思いました。
しかし、アイアンとしての性能は最高レベルで、すごくいい印象が残っています。
初対面ではあっても、それを全く感じさせない、とても『ベーシック』なアイアンだと思っています。
ある程度のシビアさなどはありますが、決して敷居の高すぎるアイアンではないので、多くの方にお勧めしたいアイアンです。
色々なクラブに接していて、その『クラブの機能性の高さ』を感じることも多いのですが、私はこういった出しゃばることのない、『プレイヤーの感覚を優先』させてくれるクラブが大好きです。
このアイアンには最近、あまり出会えていないのですが、是非また試打したいと思っています。
第4位
キャロウェイ RAZR X MUSCLE アイアン
第4位は、『キャロウェイ RAZR X MUSCLE アイアン』です。
キャロウェイは、毎年素晴らしいアイアンを発表していますし、このアイアン以外にも『レガシーブラック』がとても印象深いです。
しかし、あくまでも私の中では、このアイアンが昨年出会ったキャロウェイのアイアンの中でトップです。
見た目通り、かなりシャープですし、タフな部類のアイアンだとは思いますが、その卓越した『コントロール性の高さ』が印象的なアイアンです。
マニュアルタイプアイアンの筆頭格といっていいと思いますし、安定性を求めておられる方には、やや親しみづらい部分はあるかもしれませんが、このアイアンのグッドフィーリングを一人でも多くの方に試していただきたいと思っています。
何年か前まで、キャロウェイのアイアンには苦手意識を持っていたのですが、ここ数年とても好感度の高いアイアンが多くて、毎年購買意欲を刺激されています。
このアイアンもすごく購入したいアイアンなのですが、最近はなかなか目にすることがありません。
是非、また手にしてみたいアイアンです。
第3位
プロギア iD BL アイアン
第3位は、『プロギア iD BL アイアン』です。
この軟鉄独特の風合いにまず魅了されましたし、『構えやすさ』『打感』『操作性の良さ』が抜群のアイアンです。
いわゆる『イージータイプのアイアン』ではありませんが、それほど難し過ぎることはないですし、親しみやすさも感じました。
購買意欲がかなり刺激されたことを憶えていますし、できることなら今すぐにでも購入したいアイアンのひとつです。
これまでたくさんのアイアンに出会ってきているので、球を打つ前から、このアイアンの性能やフィーリングなどがある程度想像できていたのですが、その予想通り、かなりの高性能でした。
欠点らしい欠点は今でも思い当りません。
バックフェースのデザインなどは多少異なりますが、一昨年出会った『TR500』とイメージがダブるところがかなりありました。
第2位 準グランプリ
プロギア NEW iD フォージド アイアン
そして第2位は、同じくプロギアの『NEW iD フォージド アイアン』です。
このアイアンの長所はまず何と言っても、『形が崩れていない易しさ』といったらいいでしょうか?
見た目は結構シャープではありますが、その見た目以上にかなりの寛容さがあり、とてもイージーなアイアンです。
私はそこがとても印象深いですし、他のメーカーのアイアンにはあまり見られないところだと思っています。
今のクラブはどれも素晴らしい物ばかりで、『いいクラブ』というのは、もはや『当たり前』といっていいのかもしれません。
そこで重要になってくるのが、他のメーカーのクラブには見られない『個性』や『独自の工夫』なのではないでしょうか?
メーカーが違っても、実際はかなり『似たり寄ったり』といった印象のクラブは少なくありません。
しかし、あまりにも『個性』を追求し過ぎてしまうと、とても親しめないクラブが出来上がってしまうように思います。
その点、このプロギアのアイアンは、そういったところにも充分気を配っていると思いますし、実際に構えてみても、とても構えやすかった印象が残っています。
打感もなかなかいいですし、フィーリングが犠牲になっていません。
それでいながら、『シビアさ』は全くといっていいほど感じませんでした。
今はアイアンに限らず、『易しさ』がゴルフクラブに求められている時代だと思います。
ただ、何が『易しさ』なのか?ということは、人によって変わってくると思います。
それは『ミスヒットへの寛容さ』であったり、『構えやすさ』であったり、『球のあがりやすさ』であったりすると思います。
そういった様々な点を上手くカバーできているのが、このアイアンだと思います。
私は構えづらいアイアンは、いくら寛容性に優れていても易しくは感じません。
違和感は、そのクラブを何倍も難しくさせます。
ゴルフは『打つ前が大事』とは、昔からよく言われてきている言葉ですが、やはり構えたときに、何か気になる部分があると、そこに気を取られスイングやタイミングの狂いが生じてきやすくなるように思います。
その点、このアイアンには、そういった難しさを感じなかったですし、最初から最後までずっと『易しい』というイメージが強く残りました。
『慣性モーメント』など、『数値』で表される部分においては、おそらく他のメーカーのアイアンに軍配があがるかもしれませんが、やはり人間がもつ『感性』を大切にしてくれているところにすごく好感を持てました。
今年もプロギアには『iD』を大切にしていってほしいと思いました。
第1位 グランプリ
ヤマハ インプレスX V FORGED TOURMODEL アイアン
そして、栄光の第1位は『ヤマハ インプレスX V FORGED TOURMODEL アイアン』です。
このアイアンは、もう打つ前からすっかり魅了されていて、いわゆる『一目惚れ』でした。
ヤマハ インプレスのアイアンは、毎年美しい物が多いですが、去年といいますか、今年のニューモデルである、この『V FORGED TOURMODEL』はその『美しさ』という点でも、群を抜いていました。
こういった美しいアイアンは、見ているだけでも嬉しいですし、それだけでなくボールを打つことに、この上ない喜びを感じました。
アイアンの『美しさ』という点では、キャビティよりもマッスルバックのほうが有利ではありますが、このアイアンに限っては、『キャビティの不利さ』を全く感じませんでした。
目で楽しませてくれるアイアンだと思いました。
実際に構えてみても、予想通り『至極の構えやすさ』で、いいイメージがすごく強く出たことをよく覚えています。
あまり『小顔』には見えず、もう少し小顔でもいいかな・・・。と思ったこともよく覚えています。
しかし、それもあまり気にならないほどの、『美顔』です。
姉妹モデルである、『V FORGED アイアン』も、いいアイアンだとは思いますが、私は断然こちらのツアーモデルのほうが好きです。
『打感』や『操作性』なども秀逸でしたし、『シビアさ』や『タフさ』なども感じませんでした。
何から何まで行き届いているアイアンだと思っています。
このアイアンを手にした時、
「今年のアイアン・オブ・ザ・イヤーは、このアイアンなのではないか?」
と思っていたのですが、やはりその通りの結果になりました。
このアイアンを凌駕するクラブが出てくるか?と思っていましたが、とうとう出会うことはありませんでした。
間違いなく、今一番購入したいアイアンです。
ひとつ残念なのが、記事にも書きましたが、このアイアンがいわゆる『限定モデル』ということです。
なので数が限られているので、私がこのアイアンを購入できる頃には、販売終了になっているもしれません。
このアイアンでラウンドできたらとても楽しいだろうな・・・。と思いながらも、少し焦っているところがあります。
やはり何度考えてみても、MVPはこのアイアンでした。
以上が昨年、2011年の『アイアン・オブ・ザ・イヤー』です。
『OEM』が当たり前となっている今では、このようにメーカーはたくさんあっても、実際に製造しているメーカーは同じだったりするようです。
つまり、その本当に作っているメーカーというのは、やはりとても素晴らしい技術を持っているのだと思います。
まさに『技術大国・日本の誇り』といってもいいのではないでしょうか?
2011年に出会ったアイアンがとてもハイレベルだったので、今年がどんな年になるかはまだ解りませんが、今からすごく期待したいと思っています。
明日は、できれば『ドライバ・オブ・ザ・イヤー 2011』を発表させていただきたいと思っております。